ベトナム人社員を採用したあと、住民税の仕組みや労災保険の制度を本人に伝える場面で、日本語だけでは理解の齟齬が残ると感じたことはないでしょうか。来日直後のベトナム人材にとって、母国語で書かれた公的な説明資料を手渡してもらえるだけで、制度への理解は大きく深まります。この記事では、ベトナム人の採用を検討または実施している企業の担当者向けに、ベトナム語で読める日本の税金・労働条件・保険・行政手続き・住まいの公的資料を、採用担当者がすぐに使える形でまとめました。
この記事でわかること
- ベトナム語で読める税金・保険・労働条件の公的資料がどこにあるか
- 在留手続き・マイナンバー・住まいの案内をベトナム語で渡すための一次資料
- 採用担当者がベトナム人社員に手渡すときに優先して使える資料
執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)
目次
1.ベトナム語で読める日本の税金
「ベトナム語による税金の説明」(群馬県)は、税金の役割、納期限、延滞した場合の取り扱い、自動車税や不動産税など、地方税を中心とした日本の税の仕組みをベトナム語で解説しています。住民税のような本人が納付の主体となる税について、「なぜ日本では税金を払うのか」という基本の部分から読んでもらえるので、入社直後にベトナム人社員へ渡す一枚目の資料として向いています。
所得税や年末調整の仕組みは、記事「外国人社員の所得税と年末調整」も参考になります。
2.ベトナム語で読める日本の労働条件
「労働条件ハンドブック(ベトナム語)」(厚生労働省)は、労働基準法のうち、労働契約・労働時間・休日・賃金・解雇など、雇用の基礎となる部分をベトナム語でまとめたハンドブックです。労働条件通知書を交付する場面や、就業規則の主要な項目を説明する場面で、本人の母国語で制度の背景を確認してもらうと、入社後のトラブルを未然に減らせます。
3.ベトナム語で読める日本の保険
労災保険
「外国人労働者向け労災保険給付パンフレット」(厚生労働省)は、労災に該当する場面、請求手続き、帰国後に請求する場合の対応などをQ&A形式でまとめたパンフレットです。ベトナム語を含む14言語で、第1編と第2編に分けて提供されています。安全衛生教育の資料に添えて配布すると、労災の範囲と本人が請求権を持つことを母国語で理解してもらえます。
健康保険・年金保険
日本年金機構はベトナム語のパンフレットを1ページにまとめて公開しています。「ベトナム語パンフレット一覧」(日本年金機構)には、社会保険の全体像を説明する「みんなのための社会保険」、会社員向けの「社会保険制度加入のご案内」、「厚生年金保険・健康保険制度のご案内」、「国民年金制度の仕組み」、日本を離れる人向けの案内までが並んでいます。入社時の社会保険説明はもちろん、自営業からの転職者や家族の扶養関係の説明にも使えます。
脱退一時金
「脱退一時金に関する手続きをおこなうとき」(日本年金機構)には、短期在留外国人の脱退一時金請求書のベトナム語版、記入例、手続きの案内が掲載されています。帰国予定のあるベトナム人社員には、退職時ではなく在職中の早い段階から請求の流れを伝えておくと、帰国後の手続きが円滑になります。制度の詳細は「外国人社員が受け取れる脱退一時金を解説」も参考になります。
4.ベトナム語で読める日本の行政手続き
生活・就労ガイドブック(在留・住民登録・裁判・運転免許を網羅)
「生活・就労ガイドブック」(出入国在留管理庁)は、在留手続き・住民登録・雇用・税金・年金・医療・住居・教育・交通ルールなど、日本で生活するうえで必要な情報を1冊にまとめたガイドブックです。ベトナム語を含む19言語で公開されており、章立てが言語ごとに統一されているため、採用担当者が日本語版を見ながら「この章をベトナム語版で読んでおいてほしい」と具体的に案内できます。最新版は2025年3月公開の第7版で、内容は2024年10月時点のものです。
主に採用実務で使う章は、第1章と第2章(在留手続きと住民登録)、第8章(教育)、第9章(交通と運転免許)、第11章(住居)、第13章(税金)です。
マイナンバー制度・マイナンバーカード
「交付申請書等ダウンロード」(マイナンバーカード総合サイト)では、外国人住民向けのマイナンバーカード案内パンフレットと申請書の記載例が、ベトナム語を含む多言語で公開されています。住民票が作成されたタイミングで通知カードが届く流れや、在留期間更新に伴うカードの券面記載事項変更なども解説されています。
在留期間の更新とマイナンバーカードの手続きの関係は、「マイナンバーカードを作って、便利に生活しましょう!」(出入国在留管理庁)にも、やさしい日本語と多言語のリーフレットが用意されています。在留カードの期限切れとマイナンバーカードの失効が連動する点は、採用担当者からも本人にリマインドしておきたい項目です。
5.ベトナム語で読めるその他の生活情報
住まい(部屋探し)
「部屋探しのガイドブック」(国土交通省)は、日本独特の賃貸契約の仕組み、不動産会社での流れ、入居後の生活ルールを、ベトナム語を含む14言語で解説しています。入居申込書や賃貸借契約書の見本もダウンロードでき、保証会社の利用や原状回復の考え方まで網羅されています。社宅を用意しない場合でも、部屋探しの基本を採用時に渡しておくと、入居後の近隣トラブルを減らせます。あわせて「外国人にとって難しい部屋探し」も参考になります。
運転免許・教育
運転免許の切り替えや日本の交通ルールは、先に紹介した生活・就労ガイドブックの第9章に、子どもの就学手続きは第8章にまとめられています。別のサイトを案内するより、同じガイドブックの章を指定したほうが、本人が資料を往復せずに済みます。
6.外国人採用はkedomoへ
母国語の資料を一枚渡すだけで、制度の理解にかかる時間は大きく縮みます。採用の入口で「何を、どのタイミングで、どの言語で渡すか」を決めておくと、入社後のすれ違いは確実に減ります。
kedomoは、外国人に特化した人材紹介と、特定技能の登録支援機関業務を行っています。特定技能「介護」「製造」「外食」「養殖業」「造船」「宿泊」は登録支援機関として人材と企業のサポートを行っており、大学で専門知識を身につけた外国人エンジニアの人材紹介も可能です。ベトナム人材の採用を検討中の企業は、気軽にお声がけください。
まとめ
- 税金の基礎は群馬県のベトナム語ページで説明できる
- 労働条件・労災・年金は厚生労働省と日本年金機構の多言語パンフレットでカバーする
- 在留手続き・マイナンバー・住まい・運転免許・教育は出入国在留管理庁の生活・就労ガイドブック(ベトナム語版)を軸に章ごとに案内する
- 住まいについては国土交通省の部屋探しのガイドブックを採用時に渡しておく
Q&A
Q ベトナム語で読める日本の税金の資料はありますか?
A 群馬県が公開している「ベトナム語による税金の説明」があります。 税の役割、納期限、延滞時の取り扱いなど、地方税を中心に基本から解説されています。
Q ベトナム人社員向けの労災保険の案内はどこにありますか?
A 厚生労働省の「外国人労働者向け労災保険給付パンフレット」にベトナム語版があります。 労災の範囲、請求手続き、帰国後の請求方法がQ&A形式でまとまっています。
Q 脱退一時金について、ベトナム語の資料はありますか?
A 日本年金機構の「脱退一時金に関する手続きをおこなうとき」に、請求書のベトナム語版と記入例が掲載されています。 帰国予定のある社員には、在職中の早い段階で流れを伝えておくと円滑です。
Q マイナンバー制度について、ベトナム語の資料はありますか?
A マイナンバーカード総合サイトの「交付申請書等ダウンロード」で、外国人住民向けパンフレットのベトナム語版が公開されています。 在留期間更新に伴うカードの券面変更手続きも含めて解説されています。
Q 日本で生活するための情報をベトナム語でまとめて渡したい場合、1冊で済む資料はありますか?
A 出入国在留管理庁の「生活・就労ガイドブック」ベトナム語版が該当します。 在留手続き・住民登録・税金・年金・医療・住居・教育・運転免許までが章立てで網羅されています。





