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特定技能

製造業で「特定技能」外国人を採用する方法【試験・受入条件・職種など】

2019年よりスタートした特定技能制度は、人手不足が深刻な14の業種において、外国人労働者の受入れを行うものです。製造業では、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の3分野が認定されています。この記事では、特定技能の概要から、製造業で就労可能な職種、外国人の採用方法までくわしく解説します。

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1.特定技能とは

特定技能制度とは、製造業をはじめとする人手不足が深刻な産業分野に、即戦力となる外国労働者を受け入れる制度です。これまで日本では、単純労働を行う外国人労働者の受入れは制限されており、専門的知識、技能を持った外国人労働者を積極的に呼び込んできました。そうした方針が転換され、特定技能制度では比較的緩和された基準(日本語能力、技能水準)により、約34万人の外国人の受入れが見込まれています。

特定技能制度における在留資格は、特定技能1号、特定技能2号の2種類が認められており、特定技能1号では最長5年間、家族の帯同不可などの制限があります。現在製造業3分野では特定技能2号は存在していませんが、将来、2号が認められれば在留期間に制限がなくなり、日本に家族を呼ぶことができるようになります。

移行対象職種であれば技能実習2号修了者は無試験で、特定技能の在留資格を取得可能なのも特徴です。技能実習では、監理団体からの監査や、研修、受入れ人数など多くの規制があります。一方で特定技能では監査・研修などはなく、受入れ人数にも制限はないため、即戦力を求める企業にとってメリットは大きいと言えるでしょう。

2.特定技能で採用できる製造業の業種と職種

製造業では、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の3分野が認められていると書きましたが、具体的には日本標準産業分類において、下記に当てはまる業種が該当します。

製造3分野における受入れ可能な事業所の日本標準産業分類

働くことができる職種に関しては分野ごとに定められており、素形材産業分野では13職種、産業機械製造業分野では18職種、電気・電子情報関連産業では13職種あります。

下記表をみると、メッキや仕上げなどの作業は3分野に共通して存在しています。製造業は3分野が合同で試験を実施しているため、職種ごとに試験が行われており、職種名が同じであれば分野をまたいだ転職も可能です。

素形材産業分野の業務区分

鋳造 鍛造 ダイカスト 機械加工
金属プレス加工 工場板金 めっき アルミニウム
仕上げ 機械検査 機械保全 塗装
溶接      

産業機械製造業分野の業務区分

鋳造 鍛造 ダイカスト 機械加工
金属プレス加工 工場板金 めっき 仕上げ
機械検査 機械保全 塗装 溶接
鉄工 電子機器組立 電気機器組立 プリント配線板製造
プラスチック成型 工業包装    

電子・電機情報関連産業分野の業務区分

機械加工 金属プレス加工 工場板金 めっき
仕上げ 機械保全 電子機器組立 電気機器組立
プリント配線板製造 プラスチック成型 塗装 溶接
工業包装      

また特定技能では、技能実習と異なり、外国人が付随業務をすることも認められています。例えば下記のような作業を、外国人が行っても問題ありません。

  • 原材料・部品の調達・搬送作業
  • 各職種の前後工程作業
  • クレーン・フォークリフト等の運転作業
  • 清掃・保守管理作業

ただし、「溶接」をしている日本人従業員が「機械加工」をするように、「機械加工」以外の業務区分で受け入れた特定技能外国人が「機械加工」をすることはできないので注意が必要です。

3.特定技能で採用可能な会社

特定技能で外国人を採用するためには、会社側にも下記3つの基準が課せられています。

  • 特定技能雇用契約の内容の基準
  • 特定技能雇用契約の会社側の基準
  • 特定技能外国人支援計画の適正な実施確保に関する基準

上の2つは多くの会社がクリアできるような内容ですが、「特定技能外国人支援計画の適正な実施確保に関する基準」は、細かなルールも多く判別が難しくなっています。それぞれの基準を簡単にみていきましょう。

雇用契約内容の基準

製造業3分野では雇用契約の内容に関して下記の基準を満たすことが必要とされています。

  1. 従事させる業務が、分野ごとに定められた内容であること
  2. 通常の労働者の所定労働時間と同じであること
  3. 同じ業務に従事する日本人の報酬額と同等以上であること
  4. 外国人が一時帰国を希望した場合には、必要な有給休暇を取得させること
  5. 帰国費用を外国人本人が負担出来ない場合は、費用を担保するとともに帰国に必要な措置を講ずること
  6. 健康状況その他の生活状況把握のための必要な措置を講ずること

会社側の基準

会社側には15の基準が定められており、就労ビザ(在留資格)を申請する際に、必要な書類を添付し、基準を満たしているか審査されるます。個人事業主の申請ももちろん可能です。

  1. 労働,社会保険および租税関係の法令を遵守していること
  2. 従事させる業務と同種の業務に従事する労働者を、1年以内に非自発的に離職させていないこと
  3. 1年以内に外国人の行方不明者を発生させていないこと
  4. 欠格事由(5年以内に罰金刑や禁固刑に処せられるなど)に該当しないこと
  5. 欠格事由(破産手続開始の決定を受けて復権を得ないなど)に該当しないこと
  6. 5年以内に実習認定の取消しを受けていないこと
  7. 出入国又は労働関係法令に関する不正行為等を行っていないこと
  8. 暴力団と関係がないこと
  9. 特定技能外国人の活動状況に関する文書を作成し、事業所に保管すること
  10. 保証金の徴収・違約金契約等を結んでいないこと
  11. 支援に要する費用を、特定技能外国人に負担させないこと
  12. 労災保険関係の届出を適切に履行していること
  13. 特定技能雇用契約を確実に履行し得る財政的基盤があること
  14. 預金口座への振込みによって報酬を支払うこと
  15. 協議会に加入し、必要な手続きを行うこと

支援計画の適正な実施確保に関する基準

特定技能1号外国人には、日本での生活をスムーズに過ごせるように10の支援が、会社側に義務付けられています。この支援は、登録支援機関に委託することも可能ですが、自社で行う場合、この適正な実施確保に関する基準を満たす必要があります。

詳しくはコラム『【特定技能】登録支援機関を利用せず、自社で採用をする方法』をご覧ください。

4.製造業の特定技能試験

製造業3分野において特定技能を取得する要件として、下記の双方に合格しなければなりません。

  • 技能試験(製造分野特定技能1号評価試験)
  • 日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上)

なお、下記の技能実習2号移行対象職種から、特定技能1号対象業務区分への移行を希望する技能実習2号修了者については、技能試験・日本語試験ともに免除されます。 (それ以外の技能実習2号修了者は日本語試験のみ免除)

特定技能1号対象業務区分と技能実習2号移行対象

技能試験

試験実施国の現地語で、学科試験と実技試験の2つから構成されています。試験は19試験区分(鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、塗装、溶接、工業包装)から選んで受験します。受験料は日本では2,000円ですが、過去にインドネシアで実施された際は5,000円でした。

学科試験は試験区分により異なりますが、正誤判定や多肢選択式であり、記述式はありません。学科試験の合格基準は65%以上となっています。 実技試験は、溶接以外の18分野はペーパーテスト方式、溶接のみ製作等作業試験方式がとられています。試験実施も溶接と溶接以外で分けて開催されることが多いです。実技試験の合格基準は、溶接以外は60%以上、溶接は、手溶接作業はJIS Z 3801、半自動溶接作業はJIS Z 3841に基づいて判定されます。

最新の試験情報は下記をご確認ください
製造分野特定技能1号評価試験(経済産業省)

日本語試験

国際交流基金日本語基礎テスト

「国際交流基金日本語基礎テスト」は、モンゴル、ネパール、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ミャンマー、タイ、カンボジアの8ヵ国で行われています。(日本では実施されていません。)

国により異なりますが、最低でも月に2、3回は行われており、結果も5営業日後には出るため、スピーディなのが特徴です。試験結果はA1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階で評価されます。(C2がもっとも評価が良い)
特定技能1号の在留資格を取得するためには、A2以上が必要となっています。

※A2レベルの目安

  • ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。
  • 簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。
  • 自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。

日本語能力試験

「日本語能力試験(JLPT)」は年2回、各都道府県、世界76か国で実施されるメジャーな日本語試験です。

試験はN5からN1までの5段階のいずれかを選択し受験します(N1が最もレベルが高い) 。特定技能1号の取得のためには、N4以上が必要ですが、結果発表は2か月後と国際交流基金日本語基礎テストより時間がかかります。

5.外国人の在留資格別の雇用方法

最後に特定技能「製造業3分野」で外国人を採用する方法を、パターン別に解説します。2020年6月末で3分野合計で1366人の外国人が製造業で特定技能を取得していますが、全て技能実習2号修了者です。

①留学生からの採用

今後増えてくるであろうルートが留学生からの採用です。日本の専門学校や大学に留学している外国人の多くは、技術・人文知識・国際業務などの在留期限がなく、配偶者を呼ぶことができる就労ビザを希望しています。しかし技術・人文知識・国際業務の就労ビザの審査が厳格化、また採用市場の悪化により、就職できない外国人が大量に出てきており、その一部は積極的に特定技能試験を受験しています。

留学生が多く在籍している学校と連絡をとり、求人票を送付するなどの方法や、多くの学校や留学生と直接コネクションがある人材紹介会社に依頼する方法があります。

②技能実習生からの採用

技能実習2号修了者は無試験で特定技能へ移行できることもあり、技能実習生からの採用が最もポピュラーな方法となっています。

帰国済みの場合

過去に雇用していた実習生が帰国済みの場合は、技能実習生本人と連絡をとるか、監理団体もしくは現地の送り出し機関と連絡をとり特定技能制度を利用して再雇用を打診する方法があります。または国内の人材紹介会社を通じて、過去に同業他社で働いていた技能実習修了者を探す方法ががあります。

実習中の場合

現在日本にて実習中の場合は、スムーズに話が進むことでしょう。しかし、雇用条件などで技能実習と異なる部分もあり、雇用契約締結の際には注意が必要です。

③海外からの採用

これまでインドネシアで1回のみ試験が実施されました。他には2020年3月フィリピンで実施される予定でしたが、コロナ禍の影響により中止となっています。実施予定の発表を待たなければなりませんが、今後、海外での技能試験開催が増えるにつれ、海外からの採用も本格化するでしょう。採用方法としては、海外との結びつきが強い人材紹介会社を利用するか、現地の送り出し機関と連絡をとる方法があります。

6.まとめ(外国人採用を検討中の企業様へ)

特定技能は、技能実習と比較すると、外国人が行える業務の幅が広く、事務量も少ないなどのメリットがあります。そのため、今後は単純労働が可能な外国人を雇用するための、最も身近な選択肢になるといわれています。

kedomoでは、特定技能で働きたい外国人の方から相談を受け、企業様にご紹介しています。募集、面接サポートはもちろん、入管への申請書類作成なども専門家や登録支援機関と連携して支援しますので、気軽にご相談ください。

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参考資料:『特定技能外国人材制度 (製造3分野)』経済産業省

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