今回は、訪問介護事業者の皆さまにとって重要なニュースをお届けします。厚生労働省は、幅広い在留資格で外国人材が訪問介護に従事できる範囲を拡大する方針を示しました。これにより、今後、技能実習生や特定技能外国人も訪問介護業務ができるようになります。
目次
1.外国人受入拡大の背景
日本の介護業界では、慢性的な人手不足が深刻化しています。しかしながら、訪問介護は1対1の業務が基本であり、施設内での介護以上に厳格な指導体制等が求められるため、これまでは限られた資格を持つ外国人にか認められていませんでした。それがこの度、訪問介護事業者の人手不足に対応するため、厚生労働省は訪問介護に従事できる外国人材の枠を拡大する方針を決定しました。
2.具体的な変更点
これまで、訪問介護に従事できる外国人は以下の2種類の在留資格を持つ方に限られていました。
- 在留資格「介護」を持つ者
- EPA(経済連携協定)の枠組みで入国し、介護福祉士の資格を持つ者
この対象が拡大され、以下の在留資格を持つ外国人材も訪問介護に従事できるようになります
3.訪問介護事業者が遵守すべき事項
現時点で、訪問介護を行う外国人介護人材の受け入れ事業者が遵守すべき事項とされているのは次のとおりです。
- 研修内容の充実
研修の内容: EPA 介護福祉士と同様に、訪問介護の基本事項、生活支援技術、コミュニケーションスキル(傾聴、受容、共感など)、日本の生活様式を含むものとする。 - OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の実施
同行指導: 一定期間、サービス提供責任者等が同行し、外国人介護人材が一人で適切に訪問介護を行えるようにする。回数や期間は利用者や介護人材の状況に応じて判断。 - キャリアアップ支援
丁寧な説明と計画作成: 業務内容や注意事項を丁寧に説明し、外国人介護人材の意向を確認したうえで、キャリアパスを構築するためのキャリアアップ計画を作成する。 - ハラスメント対策
防止策と対応マニュアルの整備:ハラスメントを未然に防ぐための対応マニュアルを作成・共有し、管理者の役割を明確にする。発生時の対処方法のルールを作成・共有し、相談窓口を設置して周知する。利用者やその家族に対してもハラスメント対策を周知する。 - ICTの活用
負担軽減と対応力向上:記録業務の支援のために介護ソフトやタブレット端末を活用する。コミュニケーションアプリを導入し、日常生活や介護現場での困りごとを相談できる体制を整備する。
以上の事項を守ることで、外国人介護人材が安心して働ける環境を提供し、質の高い訪問介護サービスを実現することが目指されています。
4.厚生労働省のサポート
厚生労働省は、事業者への巡回訪問を実施して教育などが適正か確認するほか、外国人材向けの相談窓口を設けるなどしてハラスメント対策を行うとしています。
5.事業所の声と課題
訪問介護の現場では、外国人材の受入れに対して不安の声も多くあり、言葉の理解や日本の文化・習慣の理解が課題とされています。また、外国人材の募集、育成、サポートにかかる財政的支援も求められているようです。
6.訪問介護ができる外国人の採用はkedomoへ
外国人材の訪問介護への従事が認められることは、事業所の人手不足解消に大きく貢献する可能性があります。しかし、言葉や文化の違いを克服するための研修やサポート体制が必要不可欠です。事業所にとっては、新たなチャレンジとなりますが、適切な準備を行い、外国人材の力を最大限に活用することで、訪問介護の質を向上させることができる可能性があります。
株式会社kedomoは、外国人材専門の人材紹介業として、また特定技能登録支援機関として、事業所の皆様を全力でサポートいたします。ご質問やご相談がありましたら、ぜひお問い合わせください。
参考URL
【詳しく】訪問介護ヘルパーできる外国人材 対象拡大へ(NHK)
外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会中間まとめ(厚生労働省)
訪問介護、特定技能外国人も可能に 研修の修了など要件(日本経済新聞)
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