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外国人社員が家族を日本に呼ぶ方法|家族滞在ビザの申請と就労ビザ別の帯同条件

2026/04/14

日本生活サポート

外国人社員の採用が決まったあと、本人から「家族も日本に呼びたい」と相談されることはよくあります。就労ビザ(在留資格)の種類によって、家族を呼べるかどうか、呼べる範囲、申請手続きが変わります。特に多いのが特定技能で働く社員からの相談ですが、特定技能1号では原則として家族帯同が認められず、技術・人文知識・国際業務(以下、技人国)や特定技能2号などにならなければ呼び寄せは難しいです。

この記事では、外国人社員が家族を呼び寄せるための就労ビザ、家族滞在ビザの申請手続き、呼び寄せた後の注意点まで、採用担当者が押さえておきたいポイントをまとめます。

この記事でわかること

  • 就労ビザごとの家族帯同の可否と呼べる家族の範囲
  • 家族滞在ビザの申請手続きと必要書類
  • 特定技能・育成就労など家族帯同が制限される在留資格と対処法

執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)

1.外国人社員の家族帯同は就労ビザによって変わる

外国人社員が家族を日本に呼べるかどうかは、本人が取得している在留資格によって決まります。専門性の高い業務に従事する区分では配偶者と子の帯同が認められやすく、現場作業を中心とする区分では原則として家族帯同が認められない傾向があります。主な就労系在留資格の家族帯同可否は次のとおりです。

就労ビザ(在留資格)家族帯同帯同できる家族
技術・人文知識・国際業務配偶者・子
高度専門職1号(イ・ロ・ハ)配偶者・子/一定条件下で親・家事使用人
経営・管理配偶者・子
企業内転勤配偶者・子
介護配偶者・子
特定技能2号配偶者・子
特定技能1号不可
技能実習/育成就労不可

以下では、採用実務で出会う頻度の高い6つの在留資格について、家族帯同の要件を整理します。就労系在留資格の全体像はコラム「外国人が日本で働くためのビザ(在留資格)とは」で説明しています。

技術・人文知識・国際業務(技人国)

エンジニア・通訳・マーケティングなど、専門的な知識を活かすホワイトカラー職の代表的な在留資格です。業務関連科目を専攻した大学・専門学校の卒業歴(または10年以上の実務経験)と、日本人と同等以上の報酬が要件になります。配偶者と子を本国から呼び寄せできます。技人国の審査ポイントや必要書類はコラム「就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」の審査ポイントと必要書類」で詳しく説明しています。

高度専門職1号(イ・ロ・ハ)

学歴・年収・年齢・研究実績などを点数化する高度人材ポイント制で70点以上を獲得した外国人が取得できる在留資格です。在留期間5年・永住許可要件の緩和など複数の優遇措置があり、配偶者と子に加え、一定条件下で親・家事使用人の帯同も認められます。参考:「ポイント評価の仕組みは?」(出入国在留管理庁)

経営・管理

会社の経営・管理業務に従事する外国人向けの在留資格です。2025年10月16日の改正施行により、常勤職員1名以上の雇用、資本金または出資総額3,000万円以上、日本語能力(JLPT N2相当)、学歴または3年以上の経営経験、専門家による事業計画確認など、取得要件が厳格化されました。配偶者と子の帯同が可能です

企業内転勤

海外の親会社・子会社・関連会社から日本法人へ転勤する場合の在留資格です。業務内容は技人国相当のホワイトカラー職に限られ、異動元の会社で1年以上勤務していることが要件の1つです。配偶者と子の帯同が可能です

介護

介護福祉士の国家資格を取得した外国人が取得できる在留資格です。在留期間の更新回数に上限がなく、配偶者と子の帯同も認められます。長期雇用と家族帯同を両立したい介護事業者にとって価値のある資格です。介護分野の採用全体像は「特定技能「介護」外国人材の採用」で説明しています。

特定技能2号

特定技能1号として働いた外国人のうち、各分野の2号技能評価試験に合格し、一定の実務経験(管理的業務を含む場合が多い)を積んだ人が移行できる在留資格です。配偶者と子の帯同が認められます。詳細はH2-5で後述します。

2.帯同できる家族の範囲

家族滞在ビザで呼べる家族は、基本的に配偶者と子です。両親や兄弟は含まれません。子は嫡出子だけでなく養子も認められ、成年に達していても対象になります。

例外は高度専門職1号で、一定の条件下で親の帯同も認められます。条件は、7歳未満の子の養育を行うか、本人または配偶者が妊娠中でその介助を行う場合です。さらに、本人と配偶者の世帯年収が800万円以上あり、親と同居することが求められます。

3.家族滞在ビザの申請手続き

海外にいる家族を日本に呼び寄せるには、「家族滞在」の在留資格認定証明書交付申請を行います。

手続きの流れ

申請人は配偶者や子です。外国人社員の住居地の地方出入国在留管理局に、本人が代理で申請できます。審査期間は1〜3か月程度が目安で、高度専門職1号の扶養者の場合は優先処理の対象になります。申請そのものには手数料はかかりません。参考:「在留資格認定証明書交付申請」(出入国在留管理庁)

交付後の流れには現在2つのルートがあります。2023年3月から、在留資格認定証明書は電子メールで受領できるようになりました。オンライン申請時に受領方法を「メール」に指定すれば、審査完了と同時にメールで交付され、そのまま本国の家族に転送して在外公館で査証申請ができます。紙の返送待ちや海外郵送の手間が不要です。従来どおり紙で受け取りもできます。参考:「在留資格認定証明書の電子化について」(出入国在留管理庁)

必要書類

家族滞在の認定申請に必要な主な書類は次のとおりです。

①在留資格認定証明書交付申請書 1通
②写真(縦4cm×横3cm) 1葉(16歳未満は不要)
③申請人と扶養者の身分関係を証する文書(戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書、出生証明書のいずれか) 1通
④扶養者のパスポートおよび在留カードの写し 1通
⑤扶養者の職業および収入を証する文書(在職証明書、住民税の課税・納税証明書など)
⑥(紙で受領する場合)返信用封筒

家族滞在という在留資格の性質上、扶養者である外国人社員本人の書類が多く求められます。会社が発行する在職証明書や所得証明書の準備には数日〜1週間かかることもあるため、余裕を持って進めるのがおすすめです。最新の書類一覧は必ず出入国在留管理庁の公式ページで確認してください。参考:「在留資格「家族滞在」」(出入国在留管理庁)

審査のポイント

審査のポイントになるのは次の3点です。

申請人と扶養者の身分関係:配偶者(または子)と扶養者との身分関係を、公的書類で立証する必要があります。外国語の書類には日本語訳を添付します。

扶養の実態:扶養者が申請人を実際に扶養していることを示す必要があります。海外送金の履歴などを添えると信頼性が上がります。成年に達した子の場合、扶養の必要性が厳しく問われることがあります。

扶養者の経済力:具体的な年収基準は公表されていませんが、配偶者と子1人を扶養するケースでは年収300万円前後が1つの目安として語られます。不安な場合は、給与明細・預金残高・生活費の内訳などを添えて経済力を示すことで、審査が通りやすくなります。

海外送金の実務面については、コラム「外国人社員の銀行口座開設と家族への送金方法」で説明しています。

4.家族を呼び寄せた後の注意点

家族滞在で来日した後、企業担当者がよく質問を受ける項目を整理します。

配偶者の就労の可否

家族滞在の在留資格では、原則として就労はできません。ただし資格外活動許可を受ければ、週28時間以内のアルバイトが可能になります。フルタイム勤務はできないため、配偶者が本格的に働きたい場合は別の在留資格への切り替えが必要です。

高度専門職1号の社員の配偶者の場合は扱いが異なり、学歴・実務経験の要件を満たさなくても「教育」「技術・人文知識・国際業務」「研究」「興行」に該当する活動を行うことができます。この場合の在留資格は「家族滞在」ではなく「特定活動」になり、あらかじめ就職先を決めたうえで地方出入国在留管理局に申請する必要があります。

日本での子の養育

外国籍の子には就学義務はありませんが、希望すれば日本人の児童生徒と同様に公立の小中学校に通えます。入学金・授業料・教科書代は無料で、給食費や制服代は自己負担です。日本語が不自由な児童に対しては、自治体や学校で日本語の特別支援が行われる場合があります。住民登録の際に市区町村の教育委員会での手続きが必要なので、住居地の届出と合わせて案内するとスムーズです。

日本で子が生まれた場合、両親が外国人であれば子も外国籍を取得します。出生後14日以内に市区町村で出生届、30日以内に地方出入国在留管理局で在留資格の取得申請、そして在日大使館でパスポートの申請を行います。取得する在留資格は「家族滞在」です。

永住権取得の要件

配偶者や子が永住権を申請するための要件は、通常の永住権の要件と一部異なります。原則として外国人社員本人が永住権を取得しているか、一緒に申請するのが基本ですが、配偶者の場合は以下を満たせば単独で申請できる場合があります。

①婚姻後3年以上経過していること ②日本での居住歴が1年以上あること ③現在所持している在留資格の在留期間が3年以上あること

高度専門職1号の社員は、ポイントによって最短1年で永住権の要件を満たせるため、家族の永住申請の前提となる本人の永住取得も早く進めやすい資格です。詳細はコラム「外国人社員が永住権を取得するには」で説明しています。

5.家族帯同が制限される在留資格【特定技能1号・技能実習・育成就労】

kedomoが採用支援をする中で特に多いのが、特定技能で働く外国人から「家族を日本に呼べないか」という相談です。そのときには、家族を正式に呼ぶには技人国などの就労ビザに切り替えるか、特定技能2号に移行しなければ難しいルールを説明しています。各制度の趣旨として家族帯同が原則認められていないためです。

特定技能1号

特定技能1号は、原則として家族帯同が認められていません。例外的に、留学などで先に来日していた配偶者や子がすでに「家族滞在」で在留している場合、「特定活動」に変更して日本に残れる取り扱いがありますが、本国から新規に呼び寄せる枠組みではありません。特定技能制度の全体像は「特定技能の外国人材紹介・支援」で説明しています。

特定技能2号(家族帯同可能)

特定技能2号に移行すると、配偶者と子を本国から呼び寄せることができます。呼び寄せた家族の在留資格は「家族滞在」です。2023年の閣議決定により、それまで建設と造船・舶用工業の2分野のみだった対象が、介護を除く11分野に拡大されました。現在の対象分野は次のとおりです。

  • ビルクリーニング
  • 工業製品製造業
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

2号への移行には、各分野の特定技能2号技能評価試験に合格し、一定期間の実務経験を積む必要があります。1号で働く外国人に2号への道を示すことは、企業にとっても定着と長期雇用につながります。参考:「特定技能制度」(出入国在留管理庁)

技能実習・育成就労

現行の技能実習制度では、制度趣旨から家族帯同は認められていません。2024年6月に成立した改正入管法により、技能実習は廃止され、新しい「育成就労」制度へ移行することが決まりました。施行は2027年までに段階的に進む見通しです。育成就労の期間中も家族帯同は認められない方向ですが、育成就労から特定技能1号、2号へとつながるキャリアパスが制度として明確化されるため、2号に進めば家族を呼べるようになります。

6.まとめ

  1. 外国人社員の家族帯同は在留資格によって可否と範囲が変わる
  2. 技人国・高度専門職・経営管理・企業内転勤・介護・特定技能2号などでは配偶者と子の帯同が可能で、高度専門職はさらに一定条件下で親の帯同も認められます
  3. 家族の呼び寄せは「家族滞在」の在留資格認定証明書交付申請で行い、手数料は無料、審査期間は1〜3か月が目安です
  4. 家族滞在で来日した配偶者の就労は原則週28時間までで、フルタイム勤務には別の在留資格への切り替えが必要です
  5. 特定技能1号・技能実習・育成就労は原則として家族帯同が認められず、特定技能2号に進めば配偶者と子の帯同が可能になります

7.よくある質問

Q.外国人社員が日本に呼べる家族の範囲はどこまでですか?
A.基本は配偶者と子に限られ、両親や兄弟は含まれません。 高度専門職1号では、7歳未満の子の養育または本人・配偶者の妊娠中の介助という条件を満たし、かつ世帯年収800万円以上で同居するのであれば、親の帯同も認められます。

Q.特定技能で働く外国人は家族を日本に呼べますか?
A.特定技能1号では原則として呼べず、特定技能2号に移行すれば配偶者と子の帯同が可能です。 2023年の制度改正で、2号の対象分野は介護を除く11分野に拡大されました。詳しくは「特定技能の外国人材紹介・支援」をご覧ください。

Q.家族滞在ビザの申請に費用はかかりますか?
A.在留資格認定証明書交付申請そのものには手数料はかかりません。 ただし来日後の在留期間更新や変更は、2025年4月から窓口6,000円・オンライン5,500円の手数料がかかります(16歳未満は無料)。

Q.家族滞在で来日した配偶者は日本で働けますか?
A.原則として就労はできませんが、資格外活動許可を受ければ週28時間以内のアルバイトが可能です。

Q.2023年から在留資格認定証明書はメールで受け取れると聞きましたが、家族滞在でも使えますか?
A.使えます。オンライン申請時または窓口申請時に電子交付を希望すれば、メールで認定証明書を受領できます。

Q.家族滞在で来日した子は日本の学校に通えますか? A.希望すれば公立の小中学校に無償で通学できます。 入学金・授業料・教科書代は無料で、給食費や制服代は自己負担です。市区町村の教育委員会での手続きが必要です。

この記事の監修者

  • 役職:(株)kedomo 代表取締役
    資格等:中小企業診断士、職業紹介責任者、登録支援機関支援責任者、福岡商工会議所登録専門家、福岡商工会連合会登録エキスパート
    経験:外国人求職者の就職支援、企業様の採用支援に日々奔走しています。中小企業診断士としての経営支援経験を活かして、事業の成長につながる外国人採用をお手伝いします。滋賀県出身。

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