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特定技能「養殖」で外国人採用する方法|漁業・水産分野の要件と流れ

2026/04/18

漁業・養殖

対馬の真珠養殖業様、天草の養殖業者様、愛知県の養鰻業者様。kedomoがこれまで紹介してきた養殖分野の特定技能外国人は、インドネシアからの来日組もいれば、日本国内での転職組もいます。養殖業は季節や魚種で人手の動きが大きく、日本人の応募が集まりにくい仕事の代表例です。漁業・養殖業で外国人紹介を検討する企業からのご相談も増えてきました。

特定技能「養殖」は、2019年に始まった在留資格で、すべての養殖業で外国人をフルタイム雇用できる制度です。かつて技能実習ではほたてがい・まがき(かき)の限られた職種でしか認められていませんでしたが、特定技能の導入により、うなぎ、真珠、ぶり、かんぱち、マダイ、のり、わかめなど、養殖の種類を問わず採用できるようになりました。

この記事でわかること

  • 特定技能「養殖」で採用できる業務範囲と1号・2号の違い
  • 受入れ企業に求められる要件と漁業特定技能協議会への加入義務
  • 試験ルート・技能実習修了ルート・採用の実務フロー
  • 漁業・水産分野の外国人紹介会社・登録支援機関の使い分け

執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)

1.特定技能「養殖」とは何か

特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で即戦力となる外国人を受け入れる制度です。漁業分野はその一つに位置付けられ、「漁業」と「養殖業」の2区分があります。この記事では養殖業に絞って説明します。

対象となる養殖業の範囲

養殖業の種類は問われません。うなぎ、真珠、ぶり、かんぱち、マダイ、ひらめ、のり、わかめ、かき、ほたてがいなど、給餌養殖・無給餌養殖のいずれも対象です。

従事できる業務

特定技能「養殖」の外国人が主として行える業務は以下のとおりです。

  • 養殖資材の製作・補修、養殖場の管理
  • 養殖水産動植物の育成管理
  • 養殖水産動植物の収獲(穫)・処理
  • 安全衛生の確保

これらに加えて、日本人が通常行う範囲であれば、関連業務にも付随的に従事できます。たとえば自家生産物の加工や販売も任せられます。ただし関連業務だけを専ら担当させることはできません。参考:「特定技能外国人の受入れ制度について(漁業分野)」(水産庁)

1号と2号の違い

特定技能1号は通算5年まで働ける資格です。5年を一気に使うことも、繁忙期だけ働いて通算で5年を使うこともできます。家族の帯同は認められていません。

特定技能2号は在留期間の更新に上限がなく、要件を満たせば家族(配偶者・子)の帯同も認められます。養殖業でも2号漁業技能測定試験(養殖業)が実施されており、すでに2号への移行が可能です。2号の詳しい要件は「漁業分野(漁業・養殖業)で特定技能2号を採用するには」で説明しています。

2.特定技能「養殖」の受入れ企業に求められる要件

養殖業者が特定技能外国人を採用するには、特定技能制度全体に共通する要件に加えて、漁業分野特有の要件を満たす必要があります。

企業側の主な要件

  • 労働・社会保険・税金を適切に納めている
  • 直近1年以内に会社側の責任で外国人の行方不明者を出していない
  • 直近1年以内に同種業務の労働者を非自発的に離職させていない
  • 直近5年以内に出入国・労働関係法令の違反がない
  • 外国人への支援費用を本人に負担させない
  • 報酬は日本人と同等以上で、預貯金口座への振込で支払う

そのほか、保証金を徴収する契約や違約金契約をしないこと、雇用契約を継続できる体制を整えることなど、いくつかの要件があります。詳しくは「「特定技能」受入れ申請に必要な書類まとめ【難易度付き】」を参照してください。

漁業特定技能協議会への加入義務

養殖業で特定技能外国人を採用する場合、受入れ機関は漁業特定技能協議会に加入する必要があります。現在は、初めて特定技能外国人を受け入れる場合、在留資格認定証明書交付申請の前に協議会へ加入していることが必須です。

加入は、所属する漁業協同組合など(2号構成員)を通じて申請します。書類は水産庁のサイトからダウンロードできます。参考:「漁業特定技能協議会」(水産庁)

労働基準法の一部適用除外

養殖業では、労働基準法のうち労働時間・休憩・休日に関する規定の適用が除外されます。天候や魚種に左右される仕事のため、一律の労働時間管理になじまないためです。

ただし、適用除外だからといって長時間労働を強いてよいわけではありません。外国人労働者の健康と職場の安全を保つため、本人の意向も踏まえて適切に労働時間・休憩・休日を設定することが求められます。加工・製造の事業も行っている場合は事業所単位で判断が分かれるため、都道府県労働局への相談が安全です。

派遣形態も可能

養殖業は繁忙期と閑散期の差が大きいため、特定技能制度のなかで珍しく派遣形態の受入れが認められています。派遣元には、厚生労働大臣の労働者派遣事業許可に加え、地方公共団体や漁協など漁業関連機関の関与が求められます。

3.特定技能「養殖」で働く外国人に必要な条件

応募者側の条件は、次の2ルートのどちらかを満たすことです。

試験ルート

  • 1号漁業技能測定試験(養殖業)に合格
  • かつ、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic A2以上)または日本語能力試験(JLPT)N4以上に合格

技能実習ルート

  • 漁業分野(養殖業職種)の第2号技能実習を良好に修了している(試験は免除)

養殖業の技能実習修了者はまだ少数のため、実際には試験ルートで採用する場面が多くなります。

漁業技能測定試験(養殖業)の実施状況

試験はCBT方式(会場のパソコンで受験する方式)とペーパーテスト方式で行われており、日本国内では47都道府県で受験できます。海外ではインドネシアで実施されています。受験料は1号が8,000円、2号が15,000円です(2026年4月時点)。

学習用テキストとサンプル問題は大日本水産会のサイトで公開されており、日本語・インドネシア語・ベトナム語・英語・中国語に対応しています。参考:「漁業技能測定試験」(大日本水産会)

4.特定技能「養殖」で外国人を採用する方法

漁業・養殖業の外国人採用ルートは大きく3つです。それぞれの特徴を踏まえて使い分けるのが実務的です。

海外からの採用(インドネシアが中心)

特定技能「養殖」の海外試験実施国はインドネシアに限られており、海外採用ではインドネシアからの募集が中心になります。インドネシアは養殖業が盛んで、母国で養殖の経験を積んだ人材を集めやすい国です。

kedomoでも対馬の真珠養殖業者へインドネシアから4名を紹介した実績があります。詳しい流れは「特定技能「養殖」で働く4名がインドネシアから到着!」にまとめています。

海外から呼び寄せる場合、面接から入社まで6か月前後かかることが一般的です。試験未合格の内定者には、来日前に日本語レッスンと試験対策を受けてもらいます。

国内在住者(転職組)の採用

すでに日本で養殖や水産の仕事をしている特定技能外国人を転職で採用する方法もあります。すぐに戦力になる一方、他社からも求められる人材のため、給与条件は高めに設定する必要があります。

愛知県の養鰻業者様には、広島県で牡蠣の養殖を経験していたインドネシア出身の方をご紹介し、登録支援機関として引き続き支援しています。牡蠣と養鰻は養殖対象こそ違いますが、水質管理や給餌、収獲作業といった基礎技能が共通するため、国内での経験を活かしやすい組み合わせです。

愛媛のうなぎ養殖業者へは国内転職の2名を、天草の養殖業者へは合計5名(インドネシアから2名、国内転職3名)をご紹介しました。国内転職組の採用事例は「インドネシア人5名が養殖業者様に就職(熊本県天草市)」でも紹介しています。

漁協・人材紹介会社・登録支援機関の使い分け

水産庁が挙げる募集相談先は、漁業協同組合、ハローワーク・民間の職業紹介事業者、海外にネットワークを持つ民間団体や現地コーディネーターの3つです。

漁協に採用ノウハウが蓄積されている地域であれば、まず漁協に相談するのが近道です。漁業・養殖業に特化した実績のある人材紹介会社が少ない地域では、kedomoのように人材紹介と登録支援機関を兼ねた会社にまとめて依頼すると、募集・ビザ申請・入社後の支援を一つの窓口で進められます。漁業・水産分野の外国人紹介では、インドネシアなど出身国の現地事情を把握しているか、養殖業種別の採用実績があるかが会社選びの目安になります。

5.採用後の支援と登録支援機関の役割

特定技能1号で外国人を採用した場合、受入れ機関(雇用する会社)には10項目の義務的支援を行う責任があります。事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保、生活オリエンテーション、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、日本人との交流促進、転職支援、定期面談、公的手続きの同行の10項目です。

自社で支援する場合の条件

受入れ機関がこれらを自社で行うには、過去2年以内に外国人の受入れ・生活相談業務の実績がある職員を選任するなどの条件があります。小規模な養殖業者では条件を満たすのが難しい場面もあるため、採用前に確認が必要です。自社支援の詳しい条件は「【特定技能】登録支援機関を利用せず、自社で採用をする方法」にまとめています。

登録支援機関に委託する場合の相場

条件を満たせないときは、登録支援機関への委託が選択肢になります。業界平均の月額委託料はおよそ2〜5万円が相場です。kedomoの料金や支援内容は「登録支援機関ならkedomo」で確認できます。

6.まとめ

  • 特定技能「養殖」はすべての養殖業種で外国人をフルタイム雇用できる在留資格
  • 応募者側は試験ルートか技能実習修了ルートのどちらかを満たす必要がある
  • 受入れ機関には10項目の支援義務があり、自社で難しければ登録支援機関に委託できる
  • 漁業・水産分野の採用は、漁協・人材紹介会社・登録支援機関を業種と地域に合わせて使い分ける

kedomoでは対馬・天草・愛媛・愛知などで漁業・養殖業の特定技能人材をご紹介してきました。募集から登録支援機関としての受入支援まで一貫してサポートできます。海外からの応募者にはインドネシアの提携日本語学校で来日前レッスンも行っています。漁業・養殖業で外国人採用をお考えの際は、kedomoのお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

7.Q&A

Q.特定技能「養殖」はどんな養殖業でも使えますか?
A.はい、うなぎ、真珠、ぶり、かんぱち、マダイ、のり、わかめ、かき、ほたてがいなど、給餌・無給餌の区別なく全ての養殖業種で使えます。

Q.初めて外国人を受け入れるとき、協議会加入はいつ必要ですか?
A.在留資格認定証明書交付申請の前までに加入が必要です。加入申請は所属する漁協など「漁業特定技能協議会」(水産庁)の2号構成員を通じて行います。

Q.海外からの採用と国内転職者の採用、どちらが早いですか?
A.国内転職のほうが早く、1〜2か月で入社に至ることが多いです。海外からの呼び寄せは試験・ビザ手続きを含めて6か月前後かかります。

Q.養殖業で派遣形態の受入れはできますか?
A.できます。特定技能のなかでは珍しく、漁業分野は直接雇用と派遣の両方が認められています。繁忙期と閑散期の差に対応できるようにするためです。

Q.自社で支援をすれば登録支援機関は不要ですか?
A.不要です。ただし過去2年以内の外国人受入れ・生活相談業務の実績がある職員の選任など、いくつかの要件を満たす必要があります。満たせない場合は登録支援機関に委託します。

Q.漁業・養殖業の外国人紹介会社はどう選べばよいですか?
A.養殖業種別の紹介実績と、人材紹介と登録支援機関を兼ねているかを目安にしてください。 対応地域、出身国の現地事情への理解、面接セッティングの体制も確認するとミスマッチを減らせます。

この記事の監修者

  • 役職:(株)kedomo マネージャー
    資格等:キャリアコンサルタント(国家資格)、職業紹介責任者、外国人入国・在留手続申請等取次研修修了
    経験:求人企業様を担当。機電系やIT系の外国人エンジニアや造船・溶接・介護など特定技能人材の就職支援実績があります。韓国、ミャンマー、インドネシア、ベトナムなど幅広い国籍の方々を対象にした面接練習・履歴書添削も日々行っています。佐賀県出身。

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