人手不足を補うために増加し続ける外国人労働者のなかでも、中国の方は全体の4分の1を占め、国籍別の割合では最も多いです。皆さんの周りにも中国や台湾など中国語圏から来て、働いている方が増えているのではないでしょうか。今回は中国や台湾の労働者と、その受け入れを検討している企業の方向けに中国語で解説された日本の税金・保険・行政の手続きに関する資料をまとめました。
目次
1.中国語で読める日本の税金
日本の税金
東京税理士会が作成する多言語の税金ガイドブックです。所得税をはじめとする国税と、住民税などの地方税の説明が網羅されています。各種税金の解説の他にも、申告から税額決定の仕組みや租税法律主義についてなども載っているので、日本の税金制度について詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
「外国人のためのやさしい日本の税金と税理士制度」(東京税理士会webサイト)
住民税
豊島区が作成する外国人向けの住民税のガイドブックがあります。前年の所得に基づき税額が決定され、多くの場合勤め先の企業が毎月の給与から天引きして納めている旨が説明されています。従業員の数が少なく企業側で徴収しない場合や、アルバイトなどの非正規の場合は個人で納める必要があるため、ご自身の住民税が給与から徴収されているかどうか確認してみてください。また企業の方は、従業員が個人で納める必要のある場合の納期や納付方法などを本人に伝えてあげるといいかと思います。
住民税の案内(豊島区webサイト)
源泉徴収
国税庁のホームページでは、源泉徴収について多言語で解説された冊子が公開されています。給与からあらかじめ税金が差し引かれ、扶養控除などの適用がある場合は年末調整において申告し、最終的な税額が確定します。原則として控除の申告は雇用主を介して行うため、どの控除が適用できるか確認をした上で申告書を提出します。この冊子では、具体的な申告書の内容などが紹介されています。日本における給与に係る源泉徴収制度の概要(国税庁webサイト
コラム:『外国人社員の所得税と年末調整』も併せてご覧ください。
2.中国語で読める日本の保険
労災保険
外国人労働者向けに労災について解説されているガイドブックを、厚生労働省が作成しています。どういった場合に労災にあたるのか、実際の給付はどのような手続きが必要なのか詳しく記載されています。具体的な給付の金額や時効に関する注意事項なども併せて書かれています。
外国人労働者向け労災保険給付パンフレット(厚生労働省webサイト)
社会保険
医療保険・年金保険
・日本年金機構が医療保険や年金保険といった社会保険についてのパンフレットを作成しています。日本に在住していれば、原則として国籍に関係なく誰もが加入するようになっているため、そもそも社会保険とは何かということが多言語で説明されています。
Social Insurance for Everyone(みんなのための「社会保険」)(日本年金機構webサイト)
・実際に社会保険への加入手続きを自分で行う必要があるかどうかをわかりやすくまとめたパンフレットが日本年金機構のホームページにあります。基本的には勤め先で加入手続きをしますが、アルバイトなどの場合は自分で手続きする必要があります。また、健康保険や厚生年金などの説明もされています。
Enrollment in Social Insurance System(社会保険制度加入のご案内)(日本年金機構webサイト)
コラム:『外国人を採用した時の保険手続き(厚生年金・健康保険・介護保険・労働保険)』も併せてご覧ください。
国民年金制度の仕組み
日本年金機構が作成するパンフレットでは、外国人の方も国民年金保険に加入することが義務付けられ、保険料を納付しなければならないという説明がされています。さらに受給資格期間を満たさないまま帰国した場合に受けとれる脱退一時金の手続き方法についても記載されています。請求期限があるため、注意が必要です。
Japanese National Pension System(国民年金制度の仕組み)(日本年金機構webサイト)※年金制度の説明
日本から出国される外国人のみなさまへ(日本年金機構)※脱退一時金の請求方法(委任状付き)
コラム:『外国人社員が受け取れる脱退一時金(国民年金・厚生年金)』も併せてご覧ください。
3.中国語で読める日本の行政手続き
マイナンバー
マイナンバーの概要
マイナンバーの利用場面や取り扱いについて、中国語で案内されているサイトを内閣府が公開してます。中国語は簡体字と繁体字の2言語があります。マイナンバー制度の目的や将来的な効果についての解説や、カードの見方、マイナポータルへのリンクなど、マイナンバーについての総合的な情報が載っています。中国語で話せる、電話での問い合わせも受け付けています。
マイナンバーについて(内閣府webサイト)
マイナンバー制度
通知カードが届いてから個人番号カードを申請するまでの流れが、総務省のホームページに写真付きで解説されています。通知カードは日本語で書かれているので、わからなくてもこの資料ではどこを見れば個人番号がわかるのか、目で見て確認できます。また、他人にみだりに見せてはいけないなど取り扱い上の注意点についても記載されています。
関係資料・広報リーフレット等(総務省webサイト)
住民登録(転出・転入)
総務省のホームページでは日本に入国し、市区町村に転入する際の注意点がまとめられています。日本国内で引っ越しをする場合は自治体に転出届けを出さなければならないなど、必要な手続きについて解説されています。リンク先の左のメニューで中国語を選択できます。
転入・転出(総務省webサイト)
出入国・在留資格
出入国や在留手続きに関する情報が中国語で読めるのが、出入国在留管理庁のホームページです。来日前の手続きもあるため、事前に目を通すことをおすすめします。右上の言語選択で中国語を選び、上部のメニューから各種手続き案内を開くと手続きについてまとめられたページを閲覧できます。
各種手続き案内(出入国在留管理庁webサイト)
コラム:『外国人が日本で働くためのビザ(在留資格)とは』も併せてご覧ください。
裁判
神戸国際コミュニティセンターが作成するホームページでは、日本の裁判について中国語でわかりやすくまとめられています。裁判制度の説明の他にも、労働審判の制度や法廷での通訳についてなど、実用的な内容が多く解説されています。リンク先は日本語を表示しています。右上のLanguageで中国語を選択してご覧ください。
日本の裁判(神戸国際コミュニティセンターwebサイト)
4.中国語で読めるその他の手続き
運転免許
自治体国際化協会のホームページでは、多言語で日本の生活情報を発信しています。交通についても、免許の取得方法や日本の免許への切り替え方法、交通ルールや自動車の保有に関する情報などが幅広く掲載されています。中国語でご覧になる際はリンク先の上部メニューから中文を選択してください。
多言語生活情報【交通】(一般財団法人自治体国際化協会ウェブサイト)
コラム:『外国人が日本で運転免許を取得する方法』も併せてご覧ください。
住まい
国土交通省が配布しているガイドブックに、外国人の方が日本で部屋探しをするときの案内があります。日本の独特の賃貸契約や物件探しの条件などが、中国人の方でもわかりやすいように段階的に解説されています。また入居後の生活ルールについても書かれているので、近隣トラブルや退去時の思わぬトラブルを未然に防ぐのに役立ちそうです。
「部屋探しのガイドブック」(日本で部屋探しをする外国人の方へ)(国土交通省webサイト)
コラム:『外国人にとって難しい部屋探し』も併せてご覧ください。
生活・就労
法務省の出入国在留管理庁では、日本で生活し、働いている外国人の方向けにガイドブックを作成しています。外国人が日本で安心して生活し、働くために知っておく必要のある情報や日本のルール、習慣が分かりやすく解説されています。
生活・就労ガイドブック 中国語版(法務省webサイト)
学校
子どもを学校に行かせるための手続きや日本の学校制度についてまとめられたガイドブックを文部科学省が作成しています。就学手続きの他にも、学校でどのようなことを学ぶか、一日の流れはどのようなものかということが書かれています。就学手続きは基本的に各自治体で行っているので、詳しくはお住いの自治体にお問い合わせください。中国語版のガイドブックに日本語も併記されています。
外国人児童生徒のための就学ガイドブック(文部科学省webサイト)
出産
海外での出産を不安に思われる方も多いと思いますが、多文化医療サービス研究会では日本で出産する外国人とその家族の向けの冊子を作っています。病院での問診で聞かれることや入院時の持ち物、出産後の生活や予防接種など、出産前からその後までの流れをわかりやすく解説しています。
ママとあかちゃんのサポート(多文化医療サービス研究会-RASC(ラスク)-webサイト)
5.外国人採用はkedomoへ
ご覧のように日本で暮らす中国や台湾出身者向けに、分かりやすいガイドブックなどを制作している行政機関や団体が数多くあります。
日本に来たばかりの外国人が日本の制度を正しく理解するためには、やはり母国語で読むことが最もよい方法ですので、友人や同僚に外国の方がおられましたら、ぜひこちらのページを参考にしてもらってください。
kedomoは、外国人に特化した人材紹介をしており、ご紹介先の企業様がスムーズに外国人の方を受け入れられるよう情報提供に努めています。特定技能「介護」「養殖業」「造船」「製造」「外食」「宿泊」は登録支援機関として人材と企業様のサポートに力を入れております。また、大学で専門知識を身につけ、経験を積んだ『外国人エンジニア』の人材紹介も可能です。外国人採用をご検討の際は、気軽に声をお掛けください。
<参考ページ>
『初めての外国人採用』
外国人採用をする際の流れ・料金・面接方法などを説明しています
『登録支援機関の業務』
kedomoの支援の特徴、費用、そして基本的な登録支援機関の役割を説明しています。