企業の方より、優秀であった技能実習生を、実習修了後も引き続き雇用したいとご相談を受けることがあります。また、特定技能ビザができたことで、元実習生の外国人の方より、再び日本で働きたいがどうすればよいのかとご質問をいただくことも多くなってきました。そこで今回は、技能実習を修了した外国人を再雇用する方法をご紹介します。
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目次
1.技能実習の基本的なルール
あらためてここで、技能実習の基本的なルール①~④を確認していきましょう。
①開発途上国の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としており、労働力の確保が目的ではない。 ②職種・作業内容は計画認定される内容ならば制限はない。しかし技能実習2号、3号に進むためには、決められた移行職種でなければならない。 ③期間は技能実習1号は1年間、2号は2年間、3号も2年間の計5年間。1号から2号、2号から3号に進む際には、技能検定試験に合格する必要がある。 ④学歴要件はないが、外国政府機関などの推薦状が必要。 |
②の移行職種は、技能実習2号については82職種146作業、技能実習3号は74職種130作業が認められています。③については、技能実習2号の修了後、1ヶ月以上の一時帰国をしなければなりません。2019年9月より条件が緩和され、この一時帰国は技能実習3号の実習途中でも良いこととされています。
技能実習制度についての総合的な説明は当サイトの『技能実習制度とは』をご覧ください。
2.技能実習後に再雇用する方法【1】特定技能1号
技能実習後に再雇用する方法として、最もポピュラーな方法が特定技能1号です。いくつかの条件を満たせば、比較的容易に再雇用することができます。
特定技能の概要
特定技能1号は、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人労働者のための就労ビザです。在留期間は通算で5年まで、家族の帯同は認められていません。就労可能な業種は、現在のところ14業種です。(介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業)
特定技能1号外国人は、日本で生活する上で様々な支援を受けることができます。
条件・手続きについて
技能実習から特定技能1号に移行する条件は下記の2つです。
・技能実習2号を良好に修了していること
・技能実習の職種・作業内容と、特定技能1号の職種が合致していること
この条件を満たし必要書類を揃えれば、特定技能1号へ移行することが可能です。業種や出身国により、必要書類が異なります。※詳しくはコラム『特定技能受入れ申請にかかる必要書類』をご覧ください。
技能実習の在留期限までに、管轄の地方出入国在留管理局にて在留資格変更許可申請を行うと、帰国せずにスムーズに移行することができます。もちろん帰国後でも移行は可能ですが、その際は在留資格認定証明書交付申請となり審査期間が長くなります。
技能実習と特定技能1号で雇用先が異なる場合も、上記の2つの条件を満たせば転職も可能です。しかし技能実習の際の書類が必要となるので、早めに準備を行うようにしましょう。また技能実習中の給与は最低賃金以上でしたが、特定技能1号では日本人と同等以上の賃金が求められます。移行することで、給与を上げなければなりません。
特定技能についての総合的な解説は当サイトの『特定技能とは』をご覧ください。
3.技能実習後に再雇用する方法【2】技術・人文知識・国際業務
技術・人文知識・国際業務の就労ビザは、取得するための要件のハードルが高く職務内容も限られています。しかし、在留期間に制限がなく永住権まで目指せる点が魅力です。
技術・人文知識・国際業務の概要
エンジニアやホワイトカラーの職種をカバーしている就労ビザです。具体的には、エンジニア、プログラマー、設計者、総務、経理、企画、翻訳・通訳、デザイナーなどが該当します。技能実習の職種・作業内容では、この就労ビザは取得できません。
在留期間は更新可能で制限はなく、就労後3か月以降であれば家族ビザの申請も可能です。
技術・人文知識・国際業務の取得要件
取得するための要件はいくつかありますが、重要なのは下記の点です。
一定の学歴要件、又は一定年数以上の実務経験を有していることにより、従事しようとする業務に必要な技術又は知識を修得していること
学歴要件、実務経験のどちらかが求められています。学歴要件では、業務内容と関連した内容を専攻して大学、又は短期大学を卒業していることです。実務経験では、母国において業務内容と関連した業務に3年(国際業務)または10年(技術・人文知識)以上就いていることが必要です。
技術・人文知識・国際業務の詳細はコラム『就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」の審査ポイントと必要書類』をご覧ください。
技術・人文知識・国際業務の取得手続き
技能実習の制度の目的から、技能実習の修了後、一定期間は技能実習で得た技術・知識を用いて働かなければなりません。この期間は1年程度と言われています。一定期間後、要件を満たしていれば必要書類を揃え、会社の住所を管轄する出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請を行います。
4.技能実習後に再雇用する方法【3】再び技能実習
技能実習後に再雇用する方法は、2つのパターンが考えられます。
①技能実習終了後、母国にて就労し、他の作業内容で技能実習を申請
②技能実習1号を終了後帰国し、再度、同業種で技能実習を申請(作業内容は移行職種ではないこと)
しかしながら、①②どちらの場合でも、技能実習での再度の就業は原則できないことになっています。
5.技能実習生を再雇用する方法のまとめ
技能実習を修了した外国人を再雇用する方法を3つご紹介しました。これらの就労ビザの比較は表のようになります。
就労ビザ名 | 在留期間 | 家族の帯同 | 転職 | 申請難易度 |
特定技能1号 | 5年 | × | 〇 | 易しい |
技術・人文知識・国際業務 | 制限なし | 〇 | 〇 | 難しい |
技能実習 | 5年 | × | × | 難しい |
6.外国人採用はkedomoへ
kedomoでは技能実習生の取次ぎや、特定技能・エンジニアなど海外人材の紹介を行っています。 外国人の採用は、日本人の採用と異なり、書類申請などが必要で、初めての企業様にとっては難しい面がありますが、行政書士などの専門家と連携してサポートします。
特定技能「介護」「養殖業」「造船」「製造」「外食」「宿泊」は登録支援機関として人材と企業様のサポートに力を入れております。また、大学で専門知識を身につけ、経験を積んだ『外国人エンジニア』の人材紹介も可能です。外国人採用をご検討の際は、気軽に声をお掛けください。
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<参考ページ>
『外国人技能実習制度のご案内』
技能実習制度の解説や成功のポイントをまとめています。
『登録支援機関の業務』
kedomoの支援の特徴、費用、そして基本的な登録支援機関の役割を説明しています。