外国人社員の海外出張では、渡航先の入国条件の確認に加えて、日本へ戻るための再入国手続の確認が必要です。この点が、日本人社員の出張と大きく異なります。
具体的には「日本を出国する際の再入国に関する手続き」と「出張先の国への入国手続き」の2つを、出張前に確認しておく必要があります。出張期間や在留期間の満了日によって、取るべき手続きが変わります。
この記事でわかること:
- みなし再入国許可制度と通常の再入国許可申請の違い
- 手続きが不要なケース・必要なケースの判断基準
- 外国人社員の国籍と渡航先ビザの関係
- Henley Passport Indexの使い方と注意点
- 出張前に確認すべきパスポートの残存有効期間
なお、kedomoは外国人専門の人材紹介・登録支援機関です。特定技能・エンジニア採用を検討中の企業様はご相談ください。
執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)
目次
1.離日前に確認すべき「再入国許可」の手続き
日本で就労ビザを持つ外国人が出国する際は、在留資格を維持するための手続きが必要です。手続きなしで出国すると、在留資格と在留期間が消滅し、再入国には新たなビザ取得が必要になります。手続きは状況に応じて、下記の2パターンに分かれます。
① みなし再入国許可制度を利用する
在留期間が3カ月を超える場合(「短期滞在」を除く)で、出国から1年以内に再入国する予定であれば、みなし再入国許可制度を利用できます。事前に入管局へ行く必要はなく、手数料も無料です。参考:「みなし再入国許可(入管法第26条の2)」(出入国在留管理庁)
出国時の手順は以下のとおりです。
- 空港で「再入国出国用EDカード」を受け取る
- 「一時的な出国であり、再入国する予定です」欄にチェックを入れる
- 出国審査時にパスポートと在留カードとともに提示し、みなし再入国許可による出国を希望する旨を伝える
注意点が2つあります。
1つ目は、在留期間の満了日です。みなし再入国許可の有効期間は出国日から1年ですが、在留期間の満了日が先に来る場合はその日が上限となります。満了日が近い場合は、出国前に更新手続きを済ませてください。在留期間の更新は、満了日の概ね3カ月前から管轄の地方出入国在留管理局で申請できます。
2つ目は、出国期間の上限です。みなし再入国許可の有効期間は最長1年のため、1年を超える出張が見込まれる場合は次の「再入国許可申請」が必要です。
なお、在留資格取消手続中の方など一部の方はみなし再入国許可の対象外となります。詳細は「みなし再入国許可(入管法第26条の2)」(出入国在留管理庁)でご確認ください。
② 再入国許可申請
出国から1年以上経過してから再入国する予定の場合、または在留期間が3カ月以下で在留カードがない場合は、出国前に地方出入国在留管理局で再入国許可申請を行う必要があります。処理日数は窓口の状況や事案によって異なるため、余裕を持って管轄の官署に事前確認のうえ申請してください。参考:「再入国許可申請」(出入国在留管理庁)
手数料は以下のとおりです(2025年4月1日改定後の金額)。
| 種類 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 1回限り | 4,000円 | 3,500円 |
| 数次(複数回) | 7,000円 | 6,500円 |
※収入印紙で納付。オンライン申請は、在留資格変更・在留期間更新・在留資格取得の各許可申請と同時に行う場合に限られます。単独でのオンライン申請はできません。
申請に必要な書類:パスポート、在留カード、再入国許可申請書
2.出張先のビザが必要になる場合がある
日本での手続きが済んだら、次は出張先の国への入国に何が必要かを確認します。ビザ免除の対象国の数は、社員本人のパスポート(国籍)によって大きく異なります。日本のパスポートでは不要な手続きが、ベトナムやミャンマーのパスポートでは必要になる、というケースは珍しくありません。
また、短期滞在ビザは一般的に業務連絡・商談・会議への出席などを目的とする場合に利用できます。現地での報酬を伴う就労はこれに該当しない場合があるため、出張の内容によっては別の手続きが必要になることがあります。
出国前には、在留期間の確認に加えて、社員本人のパスポートの残存有効期間も確認してください。渡航先によっては3〜6カ月以上の残存有効期間を求める場合があります。
3.Henley Passport Indexはビザ免除国の確認に使える
国籍ごとのビザ免除国の概況を調べるには、Henley Passport Index(Henley & Partners)が参考になります。IATAのデータをもとにした指標で、世界各国のパスポートが何カ国にビザなしで渡航できるかを一覧で確認できます。英語サイトですが操作は簡単で、ブラウザの翻訳機能でも確認できます。
ただし、Henley Passport Indexはvisa on arrival(到着ビザ)やETA(電子渡航認証)も「事前ビザ不要」として同等に扱っているため、実際の出張に必要な手続きをそのまま判断する用途には向きません。最終確認は、渡航先の大使館・総領事館または公式の入国管理サイトで行ってください。
4.ビザ申請先・期間・費用の確認方法
社員の国籍と渡航先の組み合わせによって、必要な手続きと申請方法は異なります。大使館・総領事館への申請のほか、ビザセンター経由・オンライン申請・ETA(電子渡航認証)など、国ごとに形式が分かれています。
必要な手続き・費用・処理期間は、渡航先国の公式案内で確認してください。処理期間は国ごとに大きく異なるため、出張日程が決まったら早めに確認・申請することをお勧めします。
5.まとめ
外国人社員の海外出張を準備する際は、以下の手順で確認してください。
- 出国期間を確認する(1年以内か、1年超か)
- 1年以内の出張は「みなし再入国許可」を利用(手数料不要・空港で手続き)
- 1年を超える場合は、出国前に地方出入国在留管理局で再入国許可申請(窓口4,000円または7,000円)
- 在留期間の満了日を確認し、出国中に満了日が来る場合は更新を先に済ませる
- 社員本人のパスポートの残存有効期間を確認する
- 渡航先の国への入国にビザや事前認証が必要かを、大使館・総領事館の公式案内で確認する
- ビザ申請が必要な場合は、処理期間を確認のうえ早めに手続きを進める
kedomoでは、特定技能・エンジニア採用から入社後の登録支援機関としてのサポートまで一貫して対応しています。外国人社員の在留手続きでお困りの際はお気軽にご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 外国人社員の海外出張における再入国許可とは何ですか?
A. 在留資格を維持したまま一時出国・再入国するための手続きです。 出国から1年以内かつ在留期間が3カ月超であれば、事前申請不要の「みなし再入国許可」が使えます。
Q2. みなし再入国許可の手続きを忘れて出国してしまった場合はどうなりますか?
A. 在留資格と在留期間が消滅し、再入国には新たなビザ取得が必要になります。 空港でEDカードにチェックするだけの手続きなので、必ず出国前に済ませてください。
Q3. 出張中に在留期間の満了日が来そうです。どうすればよいですか?
A. 出国前に更新申請を済ませてください。 みなし再入国許可の有効期間は在留期間の満了日が上限になります。
Q4. 再入国許可申請の手数料はいくらですか?
A. 2025年4月以降、窓口で1回限り4,000円・数次7,000円です。 オンライン申請(在留資格変更・更新・取得と同時の場合のみ)は各500円安くなります。
Q5. 外国人社員の国籍によってビザが必要な国はどこで調べられますか?
A. Henley Passport Index(Henley & Partners)で概況を確認できます。 ただし実際の手続き要否は渡航先の大使館・総領事館で最終確認してください。
Q6. 出張先のビザ申請はどこで行いますか?
A. 国によって大使館・総領事館・ビザセンター・オンラインなど形式が異なります。 処理期間も国ごとに違うため、早めに渡航先国の公式案内を確認してください。



