新たに外国人材を受け入れようと検討しても、最適な在留資格の選定に悩まれる方も多いのではないでしょうか。
製造業で外国人材を雇用することができるビザは現在全部で6種類あります。(2019年11月現在)2019年に新たに2つの在留資格が加わり、製造業で外国人材の採用を考えられている企業には追い風となっています。従事できる業務内容や、ビザを取得するための条件がそれぞれ異なります。ビザ(在留資格)別に詳しくみていきましょう。
なお、kedomoは外国人専門の人材紹介会社です。高度人材・特定技能採用、登録支援機関の依頼を検討中の企業様はぜひご相談ください。

目次
1.製造業で雇用可能な6つのビザの位置づけと比較
「就労ビザ(在留資格)」は、取得時にどのような仕事内容に従事できるか制限されています。一方で「身分に基づく在留資格」は、日本人と同じように好きな仕事内容に従事することができます。「資格外活動」は、就労時間に制限がありますが、それ以外は身分に基づく在留資格に近いと言えるでしょう。
就労ビザは専門性が高い順に、技術・人文知識・国際業務>特定技能1号>技能実習となっていますが、技能実習が劣るわけでは決してありません。また特定活動(本邦大学卒業者)は日本の大学を卒業した学生向けの新しいビザであり、仕事内容に一定の自由が認められています。
2.外国人材を「技能実習」で雇用
技能実習制度は開発途上国向けに、日本の技術や知識を習得してもらい、経済発展に役立ててもらう制度です。技能実習生として受け入れるため、最初の2ヵ月は座学で研修を受けなければなりません。また技能実習2号、3号に進むためには、技能評価試験に合格する必要があります。
従事できる仕事内容
対象となる職種名・作業名が決められています。
現在、81職種145作業(令和1年11月8日現在)で、製造業で対象となるのは、食品製造関係(11職種16作業)、繊維・衣服関係(13職種22作業)、機械・金属関係(15職種29作業)その他(15職種27作業)となっています。
詳しくは当サイト技能実習制度のご案内ページ「就業可能職種」よりご確認いただけます。
雇用期間
最長で5年間、技能実習2号修了者は特定技能への在留資格の変更が可能となっています。
試験などの有無
技能実習1号として入国する際に試験はありませんが、技能実習2号、3号に進むためには技能評価試験に合格しなければなりません。
なお、技能実習についての詳しい説明は「外国人技能実習制度のご案内」ページをご覧ください。
3.外国人材を「特定技能1号」で雇用
深刻な人手不足の状況に対応するため、一定の専門性・技能を有し、即戦力となるような外国人材を受入れるために2019年4月に新設された在留資格です。
①技能実習2号からの移行、②特定技能評価試験・日本語試験に合格、①②の取得パターンがあり、国は今後5年間で最大34万人の外国人を受け入れを予定しています。
従事できる仕事内容
対象となる分野が14分野ときまっており、製造業は素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、飲食料品製造業の4分野が該当します。くわしくは当サイトの特定技能資格取得者の紹介ページ「働ける業種・業務」よりご確認ください。
雇用期間
最長5年間となっています。
試験などの有無
特定技能評価試験、日本語試験に合格する必要があります。
なお、特定技能についての詳しい説明は「「特定技能」資格取得者のご紹介」ページをご覧ください。
4.外国人材を「技術・人文知識・国際業務」で雇用
エンジニアやホワイトカラーの職種をカバーしている在留資格です。日本に留学している外国人の多くが、この在留資格を取得することを目標にしています。
従事できる仕事内容
・技術
製品の開発、品質管理や技術の指導など
・人文知識
総務、経理、マーケティング、企画など
・国際業務
翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務
いずれの場合も、単純作業に従事することは認められていないので注意して下さい。
雇用期間
制限なし。何度でも更新可能です。
試験などの有無
試験はありませんが、①日本又は海外の大学、短期大学を卒業、②日本の専門学校を卒業、③本国における実務経験が10年以上(国際業務は3年以上)のいずれかが必要となります。詳しくは「就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」の審査ポイントと必要書類」をご確認ください。
5.外国人材を「特定活動(本邦大学卒業者)」で雇用
本邦大学を卒業した外国人の就職率を、3割から5割に向上させるために、2019年5月に新設されました。必要となる語学レベルが高い一方で、技術・人文知識・国際業務の在留資格より、対象業種・業務領域が広いのが特徴です。一部制約はありますが、製造業での現場スタッフとしても雇用が可能となります。
従事できる仕事内容
「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」かつ「本邦の大学又は大学院において修得した広い知識及び応用的能力等を活用するものと認められること」である必要があります。
例としては、工場のラインにおいて、技能実習生や他の外国人従業員に対し外国語で伝達・指導しつつ、自らもライン入って業務を行うものが挙げられています。
雇用期間
制限なし。何度でも更新可能です。
試験などの有無
下記①②の両方を満たしていることが必要です。 ①日本の大学、大学院を卒業、②日本語能力試験N1合格、又はBJT480点以上、又は大学、大学院にて「日本語」を専攻(母国、日本の大学、大学院を問わない)
参考資料
出入国在留管理庁 留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン
6.外国人材を「身分に基づく在留資格」で雇用
「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」の4種類の在留資格をもつ外国人は、職種・分野等で制限なく製造業で従事することができます。
従事できる仕事内容
制限なし
雇用期間
制限なし
試験などの有無
なし
7.外国人材を「資格外活動(留学生・家族滞在・文化活動)」で雇用
留学生や家族滞在等のビザを取得した外国人が、アルバイトをするために受ける許可が資格外活動です。1週間に28時間以内との制限はありますが、従事する仕事内容に制限はありません。
従事できる仕事内容
制限なし
雇用期間
週28時間以内 他のアルバイトと掛け持ちをしていた場合、合計で週28時間以内でなければならないため注意をしなければなりません。
試験などの有無
なし
8.製造業での外国人雇用はkedomo
ここまでの説明の通り、製造業で外国人を雇用するためには、ビザ(在留資格)が関わってくるため、担当業務、雇用期間などをあらかじめ決定してからでないと採用活動に移れず、日本人の雇用より少し複雑といえます。
そのため、kedomoでは、まずていねいにお客様のご希望をヒアリングしたのちに、最適な人材採用をご提案しています。ビザの問題も行政書士ら専門家と提携してサポートいたします。特に製造系エンジニアのご紹介は実績もあり、kedomoが得意にしているところでもあります。
また、人手不足業界を助ける「介護」「養殖業」「造船」「製造」「外食」「宿泊」などの特定技能業種の採用も登録支援機関として力を入れて支援しています。外国人採用をご検討の際は気軽に声をお掛けください。
<参考ページ>
『外国人エンジニア採用』
外国人エンジニアの採用方法、流れ、料金等をわかりやすく解説しています。
『外国人社員が永住権を取得するには』
外国人が在留期間や在留資格の制限なく永住できる権利「永住権」の解説です。
『登録支援機関の業務』
kedomoの支援の特徴、費用、そして基本的な登録支援機関の役割を説明しています。