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外国人社員の所得税と年末調整

所得税とは、働いて得た給与などの収入全体にかかる税金の一つです。会社は毎月の給与ごとに所得税を天引き(源泉徴収)して、労働者に代わり納付しています。給与を支払う源である会社が税金を徴収することから、このような仕組みを「源泉徴収制度」といいます。毎月少額ずつ所得税を支払うので、労働者は年末にまとめて高額の所得税を支払う必要がありません。

そして年末になると毎月差し引いた源泉所得税と、計算し直した実際の所得税額を清算します。これが年末調整です。外国人社員の源泉所得税や年末調整はほとんど日本人社員と同じです。しかしながら注意すべき点もあります。

所得税法上の外国人社員の考え方を知って、給与の支払いや年末調整をスムーズに行えるよう下記に詳細をまとめました。

1.外国人社員も給与から源泉所得税を徴収する必要がある

所得税法上、会社が人を雇って給与を支払う場合、源泉所得税を給与から差し引かなければなりません。そこに働く人の国籍は関係しません。
そのため、外国人社員も日本人社員と同じように、毎月の給与から源泉所得税を差し引いて国に納付する義務があります。それに伴い年末調整も必要です(非居住者を除く) 。

2.外国人社員の区分と源泉所得税率

外国人社員の場合、その「区分」によって源泉所得税率が異なっています。御社の外国人社員の「区分」を確認し、正しい源泉所得税率を当てはめてください。

外国人社員の区分

外国人社員は大きく3つに区分されます。「永住者」「非永住者」「非居住者」です。これは留学生も労働者も変わりなくこの3つに区分されます。

居住者

永住者
日本国籍がある、または過去10 年以内に日本に住所・居住していた期間が5年以上ある外国人
非永住者
日本国籍がなく、または過去10年以内に日本に住所・居住していた期間が5年未満でかつ非居住者(下記参照)でない外国人

非居住者

日本に住所がなく、日本に1年以上住んでいない外国人

源泉所得税率

上で見た外国人社員の区分に基づき、源泉所得税率を確認してください。

外国人社員の区分 源泉所得税率 年末調整
永住者・非永住者 日本人社員と同じ 必須
非居住者 一律20.42% しなくて良い

上記のように、外国人社員は区分によって差し引く源泉所得税率が異なります。給与額が同じでも非永住者のAさん(例えば就労ビザで来日した外国人社員)と非居住者のBさん(例えば短期留学生のアルバイト)は、源泉所得税率が異なるので本人たちへの支払額に差がでます。
また非居住者のBさんは周囲の日本人社員とも支払額が異なるので疑問に思うこともあるでしょう。

例:給与が20万円で扶養家族0人の場合の源泉所得税

◎Aさん(非永住者)
源泉所得税額 4,770円(令和2年源泉所得税額表より)

◎ Bさん(非居住者)
200,000円×20.42%=40,840円
源泉所得税額 40,840円

上記の計算のように、同じ給与額でも区分の違いで源泉所得税額は大きく差が出てきます。なぜ支払額が異なるのか問われた時に、こちらを参考に説明してください。

3.外国人社員の年末調整の注意点

外国人社員も日本人社員と同様に年末調整を行います(非居住者を除く)。ほとんどが日本人社員と同じ作業になりますが、外国人社員の年末調整を行う際には、ある点において注意が必要です。

それは「扶養家族のカウントの仕方」です。家族が日本国内に居住している場合 、配偶者のパート収入が扶養範囲内であったり、お子さんがいたりすると扶養家族としてカウントされ所得税が減税されます(扶養控除といいます)。
扶養家族が日本国内にいる場合、配偶者の収入額が扶養控除の範囲内なのか、お子さんが本当に存在するかなどを確認するのは簡単なことですので、扶養控除等申告書類に記名するだけで扶養家族として判定されます。

一方で日本国外に家族がいる場合は「自分には日本国外に家族がいる。自分は家族を養うために出稼ぎにきた」と言っても本当かどうか確認できません。
そこで平成27年より、日本国外の家族を扶養家族として申告する際に、2つの書類が必要となりました。

親族関係書類

日本国外に居住している親族が、本人の家族であることを証明する書類
*具体的な書類については国税庁の「国外居住親族に係る扶養控除等の適用について」から確認いただけます

送金関係書類

金融機関を通じて国外の親族に送金した証明や、本人名義のクレジットカードを親族が使用したことを証明する書類

親族関係書類があっても、送金関係書類がなければ扶養家族としてカウントすることができません。 例えば母親宛に送金しているけれど、銀行口座を持っていない弟妹宛には送金していない場合、母親だけが扶養家族としてみなされます。
*詳細は【コラム『外国人社員が海外の家族へ送金する方法と年末調整(扶養控除)』】をご覧ください。

4.まとめ(外国人採用を検討中の企業様へ)

外国人社員はその「区分」ごとに源泉所得税率が異なってきます。外国人社員の区分を把握して適切な源泉所得税率を使用してください。そして年末調整時には「親族関係書類」と「送金関係書類」を提出してもらってください。 そのほかは日本人社員と同じ扱いで問題ありません。

外国人社員は今後ますます増加していく傾向にありますので、それに伴い制度も変更されることが予想されます。税務署からのお知らせなどに目を通して最新情報をチェックしておくことをお勧めします。

処理に迷う点があるときには、顧問税理士や所轄の税務署職員にご確認ください。(この記事は2020年1月現在の法令に準拠しています)

参考サイト
国税庁『源泉徴収義務者・源泉徴収の税率』
国税庁『居住者・非居住者の判定(複数の滞在地がある人の場合)』

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