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外国人採用の注意点【外国人活用の課題と改善案】

2020/05/30

外国人と働こう 職場環境

現在、日本国内の少子高齢化や人口減少により人手不足が深刻化しており、外国人の雇用を考えている企業の方も増えてきていると思います。初めて外国人材を雇用する方は不安が多いと思いますが、実際に外国人を採用すると日本の企業が得られるメリットは多くあります。(メリットの紹介はコラム『外国人採用のメリット【外国人活用の成功事例より】』)

この記事ではこれから外国人を採用したい、採用を検討しているという事業者の方に向けて、実際に外国人採用を行った企業の事例を引用し、その注意点や課題、改善策を紹介します。採用時や採用後の参考にぜひご一読ください。

なお、人材募集、登録支援機関のご依頼は下記より気軽にご相談ください。

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1.採用に関する注意点

柔軟な採用選考

一律の日本語能力を採用条件に含めた場合、外国人の持つ専門的な知識や技術を評価しないまま不採用にしてしまう可能性があります。企業によって何を重視するかは異なりますが、業務内容に応じた日本語能力のレベルを設ける、入社後の日本語学習支援などの工夫も効果的です。

技術重視の採用面接例

日本語能力の要件を設定して、有能な人材を逃さないための工夫。

❝同社の事業内容を支えるために必要な専門性や技術力を明確化するとともに、採用選考時点での日本語能力は要件としないことを明示。❞(IT・ソフトウェア開発業)

出典:外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブックp10「柔軟な採用選考」

職種別採用の実施例

キャリア目標が明確な外国人の方が多いため、入社後の担当業務を指定して募集をかける方法もあります。

❝担当業務を特定して採用する「職種別採用」を導入しています。これにより、特定の分野に対して高い専門性や気概を持った優秀な学生を確保できることに加え、採用時に入社後のキャリアプランを明示することは、結果としてミスマッチによる入社後の早期離職やモチベーション低下の防止も期待できます。また、この採用方法は相対的にキャリアアップ志向の強い外国人を募集する際の、大きなPRポイントのひとつにもなっています。❞(製造業)

出典:外国人の活用好事例集p17「ミスマッチ防止」

2.評価・昇進に関する注意点

評価・昇進方法の工夫

キャリアを重視する外国人社員にとって、評価や昇進は会社選びの大きな判断材料となります。不透明な評価や、日本語が理由で昇進が非常に難しくなることは、外国人社員の不満、ひいては早期離職につながりかねないため、適切な評価や昇進の制度を設けることが大切です。

評価内容の理解例

どうしてその評価に至ったのかという理由や基準を本人が理解するために、評価シートを工夫している事業者もあります。

❝外国人社員は、人事評価内容について非常に関心が高い傾向にあることを踏まえ、評価内容を正確に伝えるため、英訳した評価シートを配付しています。結果として、日本語表現によって人事評価内容に誤解が生じることが無くなったので、外国人社員と良い関係が築けています。❞

出典:外国人の活用好事例集P9「知る機会」

英語による昇進試験の実施例

聞く・話すといった日本語能力を備えている外国人社員でも、昇進試験で日本語の論文を手書きで作成するのに苦労する方が多いようです。

そのため中国、韓国、アメリカ、ベトナム国籍の方が在籍する会社では、昇進試験の小論文を英語でも受けられるようにしています。

ただ課題として、英語が母語ではない外国人社員にも多言語で昇進試験を受けられるようにするなど配慮が必要になってくるかと思います。

評価結果を昇進に即反映した例

年功序列ではなく、評価結果を昇進に直結させる方法で社内のモチベーションアップにつなげた企業もあります。

❝相対的にキャリアアップ志向の強い外国人社員に配慮するため、日本人社員も含めて、人事考課の結果を昇進に即反映する方法に変更しました。結果として、入社3年目の外国人社員が管理職に抜擢されたり、日本人社員に対しても良い刺激になったりと、社内の活性化につながっています。❞

出典:外国人の活用好事例集p9「モチベーションの向上」

3.職場環境に関する注意点

交流機会の創出

環境や文化の異なる日本で暮らしていくうえで、外国人社員やその家族が不安に思うことは多々あると思います。地域や自治体で行う支援を受けるほかに、社内でサポートする取り組みを行っている企業もあります。

各都道府県の相談窓口や支援一覧は、コラム『全国の外国人相談窓口』からご覧ください。

企画:オープンファミリーデー

❝会社を開放する「オープンファミリーデー」で、社員の家族や友人を会社に呼び、社員が働いている環境を見学してもらい、理解を深めてもらうという取組を実施。❞

❝魅力的な環境で仕事をしているということが社員自身の自慢になり、社員の仕事のモチベーション向上にもつながっている❞(サービス業)

出典:高度外国人材にとって魅力ある就労環境を整備するために雇用管理改善に役立つ好事例集p16「雇用管理改善>定着に関する取組」

企画:子育て中の社員のネットワーク

❝子供をもつ社員であれば誰でも参加できる、有志社員が中心となって運営している社内コミュニティ。定期的なメールマガジンの配信、各種セミナーやランチ会などを開催している。そこでは、育児休暇や産前産後休暇の後、職場復帰した経験のある社員、あるいはこれから休暇を予定している社員同士が職場復帰する際の準備や、休職する前の手順等の情報等が共有される。❞(サービス業)

出典:高度外国人材にとって魅力ある就労環境を整備するために雇用管理改善に役立つ好事例集p16「雇用管理改善>定着に関する取組」

もちろん外国人社員も参加でき、日本での出産・子育てについて身近な人たちから情報を得ることができます。

柔軟な休暇制度

各国の祝日に相違があることも課題の一つです。母国の文化や宗教によってまとまった休暇が必要な場合もあるため、柔軟に休暇が取得できる制度があると外国人社員の満足度アップにつながります。また長期間の帰国で人手不足にならないよう、母国で仕事ができるように取り計らっている企業もあります。

例えば、ベトナムでは「テト」と呼ばれる旧正月が一年で最も大きな休暇です。毎年1月末から一週間程度で日本のお正月のように家族や友人と過ごし新年を祝います。ベトナム人を雇用している企業では、この時期に帰国できるよう配慮しているところが少なくありません。

母国での冠婚葬祭に対応した例

❝冠婚葬祭により帰国を希望する場合は、速やかに帰れるように長期休暇の取得を促している。ベトナムでは結婚式を2回挙げるとのことで長期間母国に戻る必要があり、その間はベトナムの現地法人で仕事ができるよう取り計らった。❞(専門・技術サービス業)

出典:外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブックp17「社内制度見直し」

4.社内教育に関する注意点

日本人社員の教育・育成

外国人社員に日本語を教えたり、メンターをつけて相談しやすい環境を作ったりといった方法の他に、外国人社員が働きやすいよう日本人社員への教育を行っている企業もあります。

外国人社員受け入れ部署へのガイダンス

❝外国人社員の配属部署を対象に、人事部が母国の文化や習慣、考え方の傾向や評価の伝え方などに関するガイダンスを実施。不安やとまどいの声は減り、ガイダンスの機会は説明の場からフィードバックや相談の場に徐々に変化している。❞(製造業)

出典:外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブックp12「日本人社員教育」

5.職場外の生活支援に関する注意点

日本での手続きや暮らしのサポート

在留手続きのサポート

雇用している外国人の在留資格更新も注意点の一つとして挙げられます。外国人材を適正に雇用するために、在留資格の取得や更新手続きなどサポートすることも必要です。

❝外国人社員の在留期間の更新時期が近づくと、本人に通知し、手続の漏れがないように注意喚起を行っています。また、人事担当者は日頃から入国管理局のホームページなどを確認して情報収集を行い、外国人社員の在留手続をサポートするよう努めています。

出典:外国人の活用好事例集p14「生活支援等について」

就労ビザの説明は、コラム『外国人が日本で働くためのビザ(在留資格)とは』をご覧ください。

地域社会との交流

日本に来たばかりで不安なことも多い外国人の方が暮らしやすいよう、地域社会との交流をサポートすることも大切です。

❝外国人社員が地域社会に早く溶け込めるよう、外国人社員を採用した際には、日本人社員が同行して近隣住民に挨拶に行くようにしています。最初に挨拶しておくことで、外国人社員が地域社会に受け入れられやすくなります。❞

出典:外国人の活用好事例集p15「生活のサポート」

kedomoでは初めて来日する外国人の方には、来日準備から来日直後の住民登録や生活必需品の買い出しまでサポートして、企業と外国人の方の負担を軽減するようお手伝いをしています。

外国人の方が実際に来日したときの様子は『エンジニアのヴーさんが来日(機械設計&品質管理・福岡県)』をご覧ください。

6.外国人の採用はkedomoへ

事例を交えて外国人採用の注意点をご紹介しました。日本人とは違った配慮や支援が必要な場面はありますが、実際に外国人採用をされている企業様は「会社の雰囲気が明るくなった」「人手不足が解消された」というプラスの効果を強く感じておられるように思います。

なお、このサイトを運営するkedomoは外国人に特化した人材紹介会社です。
私たちが人材をご紹介した際には、スムーズに受入れができるよう、これまでの経験を活かして企業様をサポートしています。また、人手不足業界を助ける特定技能「介護」「養殖業」「造船」「製造」「外食」「宿泊」の人材は登録支援機関として力を入れて支援しております。外国人採用を検討の際は気軽にご相談ください。全国対応が可能です。

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<参考・引用>
外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブック』※PDF(文部科学省/厚生労働省/経済産業省)
外国人採用で企業が直面する課題と押さえるべきポイントが整理された冊子で、具体的な事例と共に紹介されています。
外国人の活用好事例集』※PDF(厚生労働省)
上記と同様に外国人の採用事例が掲載されています。「職場環境の整備」「教育・育成」「配属・評価」など特に雇用管理の観点からも多くの有益な情報が掲載されています。
高度外国人材にとって魅力ある就労環境を整備するために雇用管理改善に役立つ好事例集』※PDF(厚生労働省)
外国人材を雇用する上で気を付けなければならないポイントがチャート式でわかるように掲載されています。

<参考ページ>
はじめての外国人採用
外国人採用の流れ、費用、就業可能職種、外国人材の日本語力など分かりやすく説明しています。
外国人採用のメリット【外国人活用の成功事例より】』          
外国人を雇用することで得られる社内へのメリットを、事例を交えて具体的に紹介しています。
登録支援機関の業務
kedomoの支援の特徴、費用、そして基本的な登録支援機関の役割を説明しています。

この記事の監修者

  • Takahiro Nishimura

    役職:(株)kedomo 代表取締役
    資格等:中小企業診断士、職業紹介責任者、登録支援機関支援責任者
    経験:外国人求職者の就職支援、人手不足でお困りの企業様の採用支援に日々奔走しています。中小企業診断士としての経営支援経験を活かして、事業の成長につながる外国人採用をお手伝いします。滋賀県出身。

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