外国人留学生の採用とは、在留資格「留学」で日本の大学・短大・専門学校・日本語学校に在籍する外国人学生を、卒業後に就労ビザへ切り替えて雇用することです。
執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)
この記事でわかること:
- 外国人留学生の在籍数・就職状況(最新データ)
- 留学生採用を取り巻く課題
- 活用できる就職支援のしくみ
- 採用で失敗しないための3つのポイント
- ビザ切替えと社内体制の整え方
目次
1. 外国人留学生の現状と課題
外国人留学生の就職の現状
在籍数の推移と出身国
2024年5月1日時点の外国人留学生数は336,708人で、前年度より57,434人(20.6%)増加し、調査開始以来の過去最多となりました。出身国別では、中国が123,485人、ネパールが64,816人(前年度比71.1%増)、ベトナムが40,323人と続き、アジア地域が大半を占めています(2025年4月、「2024(令和6)年度外国人留学生在籍状況調査結果」(日本学生支援機構)より)。
コロナ禍で一時的に落ち込んだ留学生数は完全に回復し、特にネパールからの増加が顕著です。採用候補となり得る母数が大幅に広がっています。
就職の現状
留学生就職支援ネットワークが文科省データをもとに集計した数値によると、国内就職者数は2006年度の5,705人から2022年度には約4.7倍の26,795人に増加し、卒業者に対する就職率も22.9%から44.3%まで伸びています。一方で、約6割の学生が日本での就職を希望しているにもかかわらず、2022年度は希望しながら就職できなかった学生が約3割存在します(「留学生の日本での就職状況・傾向」(留学生就職支援ネットワーク)より)。
就職を希望する留学生がこれだけいる一方で、採用側との接点がうまく作れていないケースが少なくありません。この点は、企業側にとっての採用機会として捉えることができます。
外国人留学生の就職における課題
就職活動のしくみに慣れていない
日本の就職活動は、合同説明会・エントリーシート・適性試験・複数回の面接という独自の流れがあります。この流れに不慣れな留学生にとって、就活は難しいと感じることが多いです。
企業側が指摘する課題としても、「ビジネス日本語の習熟度」と「日本の働き方への理解」が上位に挙がることが多く、双方のギャップが早期離職につながるケースもあります。採用前の丁寧なすり合わせが、定着につながります。
2. 外国人留学生に向けた就職支援
民間団体による外国人留学生の就職支援
留学生就職支援ネットワーク
外国人留学生の就活を支援しているのが一般社団法人留学生就職支援ネットワークです。加盟大学の学生であれば、就職活動の知識・情報やビジネス日本語、企業採用情報などを24時間利用できます。
企業がこのサイトに情報を登録することで、留学生からの応募を受け取ることができます。留学生がどのように就活に取り組んでいるかを知る参考にもなります。
「留学生向け就職情報」(留学生就職支援ネットワーク)
国際留学生協会の就職活動情報
国際留学生協会も、留学生の就職に役立つ情報を提供しています。就活の進め方や企業の選び方、就職相談会の案内などが掲載されています。
「留学生のための就職活動特集」(国際留学生協会)
3. 外国人留学生の採用で成功する3つのポイント
ポイント1:条件を明確にする
日本語能力とスキルの基準を決める
外国から直接採用する場合と異なり、留学生はある程度の日本語を習得していることが多いです。ただし、業務上で必要なのはビジネス日本語であり、日常会話とは求められるレベルが異なります。
採用前に「最低限必要な日本語レベル」と「業務上必要なスキル」を決めておくことで、面接のミスマッチを減らせます。日本語能力の目安については「外国人材の日本語力」も参考にしてください。
また、日本語にやや不安があっても業務スキルが高い場合は、採用後に地域の日本語教室(自治体やボランティア団体が運営するもの)を活用してもらう選択肢もあります。
ポイント2:社内体制を整える
必要な手続きを事前に確認する
留学ビザから就労ビザへの切替えと、ハローワークへの外国人雇用状況の届出が必要です。届出の期限は雇用形態によって異なり、雇用保険の被保険者になる場合は「雇入れた翌月10日まで」、被保険者にならない場合は「翌月末日まで」です(「外国人雇用状況の届出について」(厚生労働省))。内定後は早めに確認を始めることをお勧めします。
採用手続きの全体像については「外国人材の受け入れ準備」もご覧ください。kedomoでは、採用決定後のビザ手続きの流れについても案内しています。不明な点があればご相談ください。
評価制度や社内制度を見直す
キャリアを重視する傾向のある外国人留学生にとって、昇進の仕組みや評価基準は就職先を選ぶ際の判断材料になります。昇進のタイミングや評価基準を明示しておくことが、長期的な定着につながります。
また、文化・宗教上の理由からまとまった休暇が必要な場合もあります。こうした事情に対応できる休暇制度があると、採用後のトラブルを避けやすくなります。「外国人採用の注意点」も合わせてご覧ください。
ポイント3:採用方法を選択する
大学や公的機関の求人を活用する
高度外国人材活躍推進ポータル(JETRO)では、留学生が多く在籍する大学の情報を出身国や専攻分野で調べることができます。ターゲットがある程度絞れている場合に向いています。
ハローワーク経由での採用も可能です。東京・大阪・名古屋の外国人雇用サービスセンターは外国人の就職支援に特化しており、外国人が応募しやすい求人票の書き方についてもアドバイスを受けられます。
人材紹介会社を活用する
kedomoは外国人採用に特化した人材紹介会社です。企業からの要件をヒアリングしたうえで、SNSや提携教育機関を通じて候補者を探します。面接前に日本語能力と業務スキルを確認したうえでご紹介するため、採用後のミスマッチを減らすことができます。採用決定後も入社までのサポートを行っています。利用するメリットの詳細は「kedomoで外国人の人材紹介を利用するメリット」もご覧ください。
4. 外国人留学生の採用はkedomoへ
日本国内で学ぶ外国人留学生は、日本の生活や言語にある程度慣れているため、海外から直接採用する場合と比べて受け入れ準備が少なく済むことが多いです。
一方で、採用方法・ビザ切替え・入社後のフォローなど、日本人採用とは異なる対応が必要な場面があります。この記事を参考に、準備を進めていただければ幸いです。
kedomoでは、特定技能での就労を目指す日本在住の留学生の紹介も対応しています。必要な専門分野・日本語レベルをお伝えいただければ、条件に合った候補者をご案内します。登録支援機関としての入社後サポートも対応可能です。
外国人採用のご相談はこちら:お問い合わせフォーム
よくある質問
Q1. 外国人留学生の採用とは何ですか?
A. 日本の大学・短大・専門学校・日本語学校に在籍する外国人(在留資格「留学」)を、卒業後に就労ビザへ切り替えて採用することです。採用内定後、本人が出入国在留管理庁へ在留資格変更許可申請を行う必要があります。
Q2. 留学生を採用するのに特別な許可は必要ですか?
A. 採用自体に特別な許可は不要ですが、採用後はハローワークへの外国人雇用状況の届出が義務付けられています。雇用保険の被保険者になる場合は翌月10日まで、被保険者にならない場合は翌月末日までに届け出が必要です。また、業務内容が就労ビザの活動範囲に合っていることが前提です(「外国人雇用状況の届出について」(厚生労働省))。
Q3. 留学生はどのようなビザで働けますか?
A. 主に以下の2種類が該当します。
- 技術・人文知識・国際業務(技人国):大学・短大・専門学校を卒業し、専攻と業務内容の関連性が必要です。事務・IT・語学を活かした業務などが対象です。詳しくは「エンジニア・専門職の外国人採用」をご覧ください。
- 特定技能:特定産業分野の技能試験に合格するか、技能実習2号を修了していることが条件です。学歴は問いません。詳しくは「特定技能とは」をご覧ください。
業務内容によってどちらが該当するか変わるため、不明な場合はkedomoにご相談ください。
Q4. 採用後に会社側でやることはありますか?
A. ハローワークへの外国人雇用状況の届出が必要です(期限はQ2のとおり)。特定技能で採用する場合は、受入れ機関として外国人支援計画の策定・実施義務が生じます。自社で支援の基準を満たせない場合は登録支援機関への委託が必要です。詳しくは「入社後の報告・届出」をご覧ください。
Q5. 留学生と日本人社員で待遇を変えてよいですか?
A. 国籍だけを理由に不合理に不利な条件にすることは認められません。特定技能で採用する場合は、法令上「日本人が従事する場合と同等以上の報酬」が明確に求められます。詳しくは「特定技能の給料・賃金」をご確認ください。
Q6. 採用にかかる費用はどのくらいですか?
A. ビザの種類や候補者の状況によって異なります。kedomoの料金については「人材紹介の料金について」をご覧いただくか、直接お問い合わせください。





