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転職してきた外国人に必要な入管手続きとビザ更新

2026/04/14

入管手続き・転職

「日本にいる外国人を中途採用することになったが、入管にどんな手続きをすればいいのか」。国内在住の外国人材を初めて雇う企業様から、よく受ける質問です。新卒採用や海外からの呼び寄せとは必要な手続きの種類が異なり、本人と会社がやることが分かれている点がポイントになります。

この記事では、現在持っている就労ビザの範囲内で転職してきた外国人を採用するケースを前提に、入管手続きとビザ更新で企業担当者が押さえておきたいポイントを解説します。技人国(技術・人文知識・国際業務)と特定技能では手続きが大きく異なるので、それぞれの違いも説明します。

この記事でわかること

  • 転職時に本人・会社のそれぞれが行う入管手続きと期限
  • 就労資格証明書交付申請を検討したほうがよいケース
  • 技人国と特定技能で異なる、転職時の入管手続き

執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)

1.転職時に外国人社員が行う手続き【所属機関等に関する届出】

最初に押さえたいのは、外国人社員本人が行う「所属機関等に関する届出」です。勤務先が変わったことを出入国在留管理庁に知らせる法律上の義務で、届出先は本人の住所地を管轄する地方出入国在留管理局です。オンライン・郵送・窓口のいずれでも受け付けています。

提出書類は届出書と在留カードのコピーで、本人の署名があれば会社が代理で提出することも可能です。届出書は「所属(契約)機関に関する届出」(出入国在留管理庁)からダウンロードできます。

ポイント:退職時と就職時の両方に必要、14日以内

この届出は退職時と就職時の両方で必要で、いずれも事由が生じた日から14日以内に提出しなければなりません。退職後すぐに次の会社へ就職するときは、退職と就職の届出を1枚にまとめて出すこともできます。

届出を怠った場合は20万円以下の罰金、虚偽の届出には1年以下の懲役または20万円以下の罰金が定められており、次回の在留期間更新で不利な材料にもなり得ます。採用が決まったら早めに案内してください。

なお、特定技能の外国人が転職する場合は、この所属機関届出では足りず「在留資格変更許可申請」が必要です。詳しくは本記事「5.特定技能の外国人を中途採用する場合」で解説します。

2.転職先の会社が行う手続き【外国人雇用状況の届出】

会社側が行うのは、ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」です。外国人を雇い入れたとき・離職したときに、事業所単位で提出します。提出を怠ると30万円以下の罰金の対象になります。参考:「外国人雇用状況の届出について」(厚生労働省)

ポイント:雇用保険の被保険者か否かで届出期限が変わる

届出期限は、対象の外国人が雇用保険の被保険者になるかどうかで異なります。

  • 雇用保険の被保険者になる場合:雇入れは翌月10日まで、離職は翌日から起算して10日以内
  • 雇用保険の被保険者にならない場合:雇入れ・離職ともに翌月末日まで

被保険者になる場合は、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出すれば外国人雇用状況の届出を兼ねることができます。在留資格・在留期間・在留カード番号・国籍・地域などを所定欄に記載してください。記載例は厚生労働省の「雇用保険の被保険者である外国人に係る届出様式について」で確認できます。

被保険者にならない場合(週20時間未満の短時間勤務など)は、別様式の「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」をハローワークに提出します。

3.就労資格証明書交付申請は行ったほうがよい?

ここまでの2つは必ず行う手続きですが、次の「就労資格証明書交付申請」は任意です。手間は増えますが、転職者を採用する企業には検討をおすすめできる手続きです。

就労資格証明書とは

就労資格証明書は、在留する外国人が行える就労活動を出入国在留管理庁長官が証明する文書です。具体的には「A株式会社に雇用され、同社でのBという業務は、在留資格『技術・人文知識・国際業務』の範囲に該当する」といった内容が記載され、転職先の業務が現在の就労ビザの範囲に収まっていることを公的に確認できます。

就労ビザの審査は、業務内容だけでなく雇用先の会社の規模・業績・安定性も見られます。同じ業務内容でも会社が変われば次回の更新が通らないこともあるため、早い段階で入管の判断を確認できるのが大きなメリットです。

通訳・翻訳から社内エンジニアに業務が変わるような、同じ技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザの中で業務内容が大きく動くケースでも有効です。技人国は幅広い職種をカバーしますが、本人の学歴・実務経験との関連性が新しい業務と合っていないと、更新時に不許可になるリスクがあります。

申請を行うメリットと処理期間

就労資格証明書が交付されていれば、次回の在留期間更新時に、転職先に関する審査部分は大きく省略されます。会社と本人の双方にとって、更新の見通しが立ちやすくなる点が最大のメリットです。

手数料は2025年4月以降、窓口申請で2,000円、オンライン申請で1,600円です。処理期間は、勤務先や業務内容に変更があるケースで1〜3か月が目安と案内されています(出入国在留管理庁「就労資格証明書交付申請」)。そのため、現在の在留期限まで3か月を切っている場合は、就労資格証明書ではなく在留期間更新許可申請を直接進めたほうが安全です。具体的な条件は個別のケースで変わるため、管轄の地方出入国在留管理局で確認してください。

4.在留期間更新許可申請で気をつけたいポイント

就労資格証明書を経由せず、そのまま次回の在留期間更新許可申請に進む場合に、企業側で準備しておきたい点を2つ紹介します。在留期間更新許可申請は、在留期間満了日の3か月前から提出が可能です。申請手数料は2025年4月以降、窓口6,000円・オンライン5,500円となっています。

①業務内容を説明する書類を用意する

転職先での業務内容を具体的に説明する書類を添付します。前職と比較してどう変わるのか、1日・1週間のスケジュール、業務ごとの時間比率まで書き込むと、審査官の理解が進みやすくなります。実際にkedomoの支援先でも、一度否認された申請が、業務内容を写真やスケジュール付きで詳しく書くことで許可されたケースもあります。

②雇用理由書・経緯書を用意する

なぜこの外国人を採用したのか、採用に至る経緯と理由を会社名義の文書で作成します。転職後の在留期間更新審査は、初めて就労ビザを取った時と同等の厳しさで行われるため、あらかじめ書類を整えておくと安心です。

ビザ更新ができなかった事例

ケース1:転職先の経営状態で不許可になった事例

技人国ビザを取得し、ホテルで通訳・マーケティング業務に就いていたネパール人のAさんは、更新前にレストランに通訳として転職しました。就労資格証明書は申請せずに更新に臨みましたが、転職先のレストランが開業から日が浅く売上も十分ではなく、雇用の安定性に欠けるという理由で不許可になりました。業務内容そのものは従来と同じでも、会社側の要因で不許可になり得ることを示す例です。

ケース2:学歴要件で不許可になった事例

技人国ビザをITエンジニアとして取得していたベトナム人のBさんは、ホテル向けの派遣会社に通訳・翻訳として転職しました。日本語学校とITビジネスの専門学校を卒業しており「同じ技人国だから大丈夫」と考えたそうですが、翻訳・通訳業務との関連性の観点から学歴要件を満たさないと判断され、不許可となりました。事前に就労資格証明書の交付申請をしていれば、早い段階で別の選択肢を検討する時間を確保できたはずのケースです。

5.特定技能の外国人を中途採用する場合

ここまでの手続きは、技人国など就労ビザ内での転職を前提にしたものです。特定技能で働く外国人を中途採用する場合は、手続きが大きく異なります。企業担当者がもっとも混同しやすいポイントです。

所属機関届出ではなく、在留資格変更許可申請が必要

特定技能の在留カードには「指定書」という紙がパスポートに貼付されており、指定書に記載された受入れ機関・分野・業務区分でしか就労できません。そのため、転職で受入れ機関が変わる場合は、前述の「所属機関等に関する届出」では足りず、新しい受入れ機関として改めて在留資格変更許可申請を行う必要があります。(参考:「在留資格『特定技能』」出入国在留管理庁)。

許可が下りるまで新しい会社で働けない

もうひとつ重要なのは、在留資格変更許可申請の許可が下りるまで、新しい会社で就労を開始できないことです。申請中のアルバイトも指定書の範囲外となるため認められません。標準処理期間は2週間〜1か月程度ですが、管轄の入管や時期によっては1〜3か月かかることもあります。

この空白期間は本人の生活に直接影響するため、前職の退職日と新しい会社の入社日をどう設定するかは、受入れ機関側でも配慮が必要です。

同じ分野でも試験合格が必要なケースがある

同じ分野内での転職(例:外食業→外食業)は技能評価試験の再受験は不要ですが、分野をまたぐ転職(例:外食業→介護)は、新しい分野の試験と日本語試験の合格が前提になります。同じ分野でも業務区分が異なる場合(例:建設分野の土工→建築)も、該当区分の試験合格が必要です。

会社側に求められる準備

新しい受入れ機関となる会社は、特定技能雇用契約の締結に加えて、1号特定技能外国人支援計画の作成・分野別協議会への加入など、新規に特定技能外国人を受け入れる場合と同じ準備が必要になります。自社で支援体制を整えるのが難しい場合は、登録支援機関への委託を検討してください。

6.日本在住外国人の転職時の入管手続きのまとめ

  1. 転職が決まったら、本人に「所属機関等に関する届出」を14日以内に出してもらう(会社の代理提出も可)
  2. 会社は雇入れ時に「外国人雇用状況の届出」を提出。雇用保険の被保険者になる場合は取得届と一体で提出できる
  3. 技人国などの転職では、在留期限まで時間があるうちに就労資格証明書交付申請を検討する
  4. 特定技能の外国人を採用する場合は、在留資格変更許可申請を経てからでないと就労開始できない

7.Q&A:転職してきた外国人の入管手続き

Q.所属機関等に関する届出とは何ですか?
A.外国人が勤務先を辞めた・新しい勤務先に就いたときに、出入国在留管理庁へ報告する法律上の義務です。 退職時・就職時それぞれ14日以内の提出が必要です。

Q.外国人雇用状況の届出は採用後14日以内ですか?
A.いいえ。雇用保険の被保険者になる場合は雇入れの翌月10日まで、被保険者にならない場合は雇入れの翌月末日までです。

Q.就労資格証明書の手数料はいくらですか?
A.2025年4月以降、窓口申請で2,000円、オンライン申請で1,600円です。勤務先変更がある場合の処理期間は1〜3か月が目安です。

Q.特定技能の外国人を中途採用するときも、所属機関届出だけで大丈夫ですか?
A.いいえ。特定技能は指定書で受入れ機関が指定されているため、転職時は在留資格変更許可申請が必要です。 許可が下りるまで新しい会社で就労を開始できない点にも注意してください。

Q.在留期間更新許可申請はいつから出せますか?
A.在留期間満了日の3か月前から提出できます。転職後は審査が厳しくなるため、業務内容説明書と雇用理由書を揃えて早めに準備してください。

8.外国人の採用はkedomoへ

kedomoは、外国人に特化した人材紹介会社であり、特定技能をサポートする登録支援機関です。初めて外国人採用をされる企業を中心に、書類選考から面接・入社までを担当制でサポートしています。技人国ビザでの外国人エンジニア採用サービスのほか、人手不足分野の特定技能「介護」「製造」「外食」などの紹介・支援実績もあります。

転職者を採用された企業には、ご紹介後に必要となる本記事のような入管手続きについても、可能な範囲でサポートしています。外国人採用を検討中の方はお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちらのお問い合わせフォームから。

この記事の監修者

  • 役職:(株)kedomo 代表取締役
    資格等:中小企業診断士、職業紹介責任者、登録支援機関支援責任者、福岡商工会議所登録専門家、福岡商工会連合会登録エキスパート
    経験:外国人求職者の就職支援、企業様の採用支援に日々奔走しています。中小企業診断士としての経営支援経験を活かして、事業の成長につながる外国人採用をお手伝いします。滋賀県出身。

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