熊本県は、全産業に占める一次産業(農業)の割合が高く、また農業産出の金額ベースで見ても全国有数の農業県といえます。また、輸送用機械、電子部品・デバイス、食料品を中心とした製造業も盛んで、近年これらの産業を中心に多くの外国人労働者が活躍しています。
企業が外国人を雇用・離職した際には、ハローワークに対して氏名・在留資格・在留期間の届出が必要となっており、その情報は「外国人雇用状況」として毎年労働局より発表されています。今回はその情報をもとに、熊本県の外国人雇用状況のポイントを解説します。
なお、熊本県で外国人採用、登録支援機関への依頼をご検討中の企業様は気軽にkedomoにご相談ください。
目次
1.熊本県の外国人労働者数と雇用事業所数
熊本県は全国で第22位、14,522人の外国人労働者数が就業しています。全国的傾向と同様、熊本県でも外国人労働者数は伸びており、前年比で1,509人増加して過去最多を記録しています。雇用事業所数では全国で第20位の3,189事業所で、これは前年比で125事業所の増加となっており、こちらも過去最多を記録していますが、増加率は前年比でやや低下しています。
熊本県の外国人労働者:在留資格別
ビザの種類別(在留資格別)で見てみると、「技能実習」が最も多く7,846人で、外国人労働者数全体の54.0%を占めています。次いで「専門的・技術的分野の在留資格」が3,335人(同23.0%)、「身分に基づく在留資格」が1,837人(同12.6%)の順となっています。
一方、前年比では、「専門的・技術的分野の在留資格」が55.9%、「特定活動」が21.2%などで高い増加率を示しており、「技能実習」は前年比1.4%増に留まります。
コラム『外国人が日本で働くためのビザ(在留資格)とは』も併せてご覧ください。
熊本県の外国人労働者:国籍別
国籍別でみると、最も多いのはベトナムで5,798人(外国人労働者数全体の39.9%)、次いでフィリピンが2,088人(同14.4%)、中国が2,039人 (同14.0%)の順となっています。
コラム:『日本で働く外国人の出身国別賃金・物価・食文化まとめ』も併せてご覧ください。
2.熊本県の業種別外国人労働者数
外国人労働者数を産業別にみると、「製造業」が27.9%を占めて最も多く、次いで「農業、林業」がほぼ同率の26.4%、「卸売業、小売業」が11.8%と続いています。
やはり農業が盛んであり、外国人がその農業を支えている構造が窺えます。
3.熊本県内のハローワーク管轄別データ
熊本公共職業安定所
熊本市(旧富合町、旧植木町、旧城南町を除く)、上益城郡、阿蘇郡のうち西原村を管轄するハローワークです。4,879名の外国人労働者が就業しており、県内全体の33.6%を占めて最大です。産業別でみると、「卸売業、小売業」で働く人が25.9%を占めて最大で、これは熊本県内でみても圧倒的に高い割合となっています。また「教育、学習支援業」が占める7.8%の割合も県内では群を抜いて高くなっています。
八代公共職業安定所
八代市、八代郡を管轄し、2,501名の外国人労働者が登録し、これは熊本管轄に次いで多い数字となっています。資格別でみると「技能実習」による割合が75.8%と高く、また産業別では「農業、林業」に従事する人の割合が全体の72.9%を占めているのが特徴で、これらはいずれも熊本県内では最も高い割合となっています。八代市はい草の全国有数の産地であり、米やトマトなどその他の作物も非常に盛んで、この農業を外国人労働者が支えていると考えられます。
菊池公共職業安定所
菊池市、山鹿市、合志市、菊池郡、熊本市のうち旧植木町を管轄しています。2,203名の外国人労働者が就業しており、産業別では「製造業」の割合が56.0%と圧倒的で、従事する人数では熊本県内では最も多くなっています。
玉名公共職業安定所
玉名市、荒尾市、玉名郡を管轄しており、1,853名の外国人労働者数が就業しています。産業別でみると「農業、林業」に従事する人の割合が43.3%で最も多く、当地で盛んなみかん栽培を技能実習生が支えていることが分かります。次いで多いのは「製造業」の37.2%で、これら2つの産業を合わせると実に80.5%にものぼります。
天草公共職業安定所
天草市、上天草市、天草郡を管轄しており、420名の外国人労働者数が届出をしています。産業別では「製造業」の割合が最も高く、全体の47.9%とほぼ半数を占めています。次いで「医療、福祉」が17.6%を占めるのが特徴で、この割合は熊本県内で最も高くなっています。
球磨公共職業安定所
人吉市、球磨郡を管轄しており、483名の外国人労働者数が就業しています。産業別でみると「製造業」の割合が71.6%を占めて圧倒的で、この割合は熊本県内で最も高くなっています。
宇城公共職業安定所
熊本市のうち城南町・富合町、宇土市、宇城市、下益城郡を管轄しており、1,272名の外国人労働者数が届出をしています。産業別では「製造業」が30.0%を占めて最大ですが、「農業、林業」が26.3%、「建設業」が17.4%と続き、3つの産業にバランスよく外国人が就労しています。
阿蘇公共職業安定所
阿蘇市、阿蘇郡(西原村を除く)を管轄しており、818名の外国人労働者数が就業しています。産業別では、「農業、林業」が34.8%を占めて最大です。「宿泊業、飲食サービス業」が22.9%と高いのが特徴で、これは県下で最も高い割合となっており、阿蘇の観光業を外国人が支えていることが読み取れます。
水俣公共職業安定所
水俣市、葦北郡を管轄しており、93名の外国人労働者数が届出をしています。産業別では「医療、福祉」に従事する外国人が30.1%を占め、この割合は熊本県内で最も高くなっています。
<参考資料>
熊本労働局「外国人雇用状況」の届出状況まとめ (令和4年10月末現在)
4.熊本県の外国人採用はkedomo
ここまでご説明したように、熊本県でも外国人材は職場の貴重な戦力として欠かせない存在になっています。最近の報道では特定技能2号移行業種が緩和され長く外国人が日本で働けることになると伝えられており、さらにその数は増えると予想されます。
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