佐賀県内の外国人材雇用状況

玄界灘と有明海の2つの海に接し、板海苔生産などの水産業が盛んな佐賀県。佐賀牛やハウスみかんなどの農林・畜産業も高いウエイトを占めるほか、有田焼や唐津焼、伊万里焼などの陶磁器製造業も有名です。佐賀県でも近年は外国人労働者が多数活躍しています。

企業が外国人を雇用・離職した際には、ハローワークに対して氏名・在留資格・在留期間の届出が必要となっており、その情報は「外国人雇用状況」として毎年労働局より発表されています。今回はその情報をもとに、佐賀県の外国人雇用状況のポイントを解説します。

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1．佐賀県の外国人労働者数と雇用事業所数

佐賀県は現在全国で第36位、5,258人の外国人労働者数を抱えています。雇用事業所数では全国で第41位の746事業所です。全国的な流れとして、毎年外国人労働者数は伸びていますが、佐賀県でも前年同期比12.3％増加しています。事業所数で見ても、前年同期比12.4％増となっています。

佐賀県の外国人労働者：在留資格別

ビザの種類別(在留資格別)で見てみましょう。在留資格別にみると、「技能実習」が外国人労働者全体の 45.0％を占め、ついで、「資格外活動」（※1）が 32.9％、「身分に基づく在留資格」（※2）が 13.4％となっています。

コラム：『外国人が日本で働くためのビザ（在留資格）とは』も併せてご覧ください。

佐賀県の外国人労働者：国籍別

佐賀県内の外国人労働者数を国籍別でみると、1位はベトナム人(1,664人)、2位は中国人(982人)、3位はネパール人(968人)の順位となっています。ベトナム人は『技能実習』の割合が多く、ついで「資格外活動」となっています。中国人は「技能実習」、「身分に基づく在留資格」の順となっており、ネパール人は「資格外活動」が93.6％と圧倒的に高くなっています。

コラム：『日本で働く外国人の出身国別賃金・物価・食文化まとめ』も併せてご覧ください。

2．佐賀県の業種別外国人労働者数

外国人労働者を雇用する事業所を産業別でみると、「製造業」が半数を占め、次いで「運輸業、郵便業」、「宿泊業、飲食サービス業」となっています。
全国平均と比べてみても、佐賀県は「製造業」の割合が多い結果となっており、これは、近年、九州への半導体や自動車関連産業の集積が進んでおり、佐賀県にも多くの出先工場が進出していることが影響していると考えられます。その結果、これらの産業に携わる技能実習生の受け入れが進んでいるのです。

3．佐賀県内のハローワーク管轄別データ

佐賀公共職業安定所

佐賀市、多久市、小城市、神埼市を管轄するハローワークです。1,638名の外国人労働者が届出をしており、県内全体の31.2％を占めています。「技能実習」による割合が52.3％と最も高く、ついで資格外活動が20.9％となっています。また産業別でみると、「製造業」の割合が最も高くなっていますが、特徴的なのは「教育、学習支援業」で働く人の内、9割以上の方が佐賀管轄に集まっていることです。

唐津公共職業安定所

唐津市、東松浦郡を管轄しており、427名の外国人労働者数が届出をしています。唐津市は佐賀県の北西に位置し、唐津神社の秋季例大祭である唐津くんちや特別名勝の虹の松原、呼子朝市などで有名で、広大な面積に多数の観光資源を有します。7割以上が「製造業」に従事し、次いで「農業、林業」が高い割合となっています。

武雄公共職業安定所

武雄市、杵島郡(鹿島公共職業安定所の管轄区域を除く)を管轄しており、263名の外国人労働者数が届出をしています。武雄市は、佐賀県の西部に位置する市で、中心には開湯以来1300年経つ武雄温泉があり、この温泉には日本銀行や東京駅の設計を行った辰野金吾設計の楼門があり、国の重要文化財に指定されています。産業別に見ると「製造業」の割合が最も高いですが、次いで割合の高い「卸売業、小売業」は県内で最も高い割合となります。

伊万里公共職業安定所

伊万里市、西松浦郡を管轄しており、391名の外国人労働者数が届出をしています。「技能実習」の割合が81.8％と高いのが特徴で、このエリアで盛んな伊万里焼の製造に従事する技能実習生の受け入れが進んでいることを示しています。産業別に見ても「製造業」が圧倒的に高く、県内で最も高い割合となっています。

鳥栖公共職業安定所

鳥栖市、神埼郡、三養基郡を管轄し、2,286名の外国人労働者がおり県下で最大規模となっています。「資格外活動」が60.2％を占めており、産業別では「製造業」の割合が42.5％を占めています。鳥栖市には大学や専門学校などが多く、留学生が集まりやすいことが影響していると考えられます。産業別では「製造業」の割合が高いですが、特徴は「運輸業、郵便業」での従事者が鳥栖管轄にほとんど集中していることです。また、鳥栖アウトレットやカフェなど飲食店も多いため、「宿泊業、飲食サービス業」での従事者の割合も高いです。

鹿島公共職業安定所

鹿島市、嬉野市、藤津郡、杵島郡白石町のうち新開、牛屋、坂田、新明、田野上、戸ヶ里、深浦、辺田を管轄しており、253名の外国人労働者数が届出をしています。産業別では「製造業」が高い割合となっていますが、佐賀県で有名な温泉地である嬉野温泉もあり、「宿泊業、飲食サービス業」の割合も高くなっています。

＜参考資料＞
厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ（平成30年10月末現在）
佐賀労働局「外国人雇用状況」の届出状況まとめ（平成 30 年 10 月末現在）PDF

4．佐賀県での外国人採用はkedomoへ

佐賀県でも職場の活性化や人手不足の解消を目的に、外国人を採用されている企業は増加しています。そのため、佐賀県や市町村などの行政も外国語が通じる窓口を設けて、生活サポートに対応しています。詳しくはこちらのコラム『佐賀県内の外国人への支援窓口（行政・団体）まとめ』をご覧ください。

実際に佐賀県の企業様にご紹介した例（『新卒エンジニアのフンさんが来日（電気設計職・佐賀県）』）もあります。

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