多くの良港に恵まれ、造船業が盛んな長崎県。同県でも近年、多数の外国人労働者が活躍しています。
外国人を雇用・離職した際には、ハローワークに対して氏名・在留資格・在留期間の届出が必要となっており、その情報は「外国人雇用状況」として毎年労働局より発表されています。今回はその情報をもとに、長崎県の外国人雇用状況のポイントを解説します。
なお、長崎県で高度人材・特定技能採用、登録支援機関の依頼を検討中の企業様は下記よりご相談ください。
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目次
1.長崎県の外国人労働者数と雇用事業所数
長崎県は現在全国で第35位、5,433人の外国人労働者数を抱えています。雇用事業所数では全国で第34位の1,174事業所です。全国的な流れとしては、毎年外国人労働者数は伸びていますが、長崎県では前年同期比2.2%の減少となっています。ただし、事業所数で見ると、1,174事業所で前年同期比13.6%増となり、過去最高を更新しました。
長崎県の外国人労働者:在留資格別
ビザの種類別(在留資格別)で見てみましょう。在留資格別にみると、「技能実習」が外国人労働者全体の 45.3%を占め、ついで、「資格外活動」(※1)が 21.2%、「専門的・技術的分野」(※2)が 17.6%となっています。
※1 資格外活動
本来ならば就労できない文化活動、留学、家族滞在のビザ(在留資格)も 、入管で許可を得られれば1週間で最大28時間のアルバイトをすることが認められます
※2 専門的・技術的分野
「技術・人文知識・国際業務」および「教育」などを指します
コラム『外国人が日本で働くためのビザ(在留資格)とは』も併せてご覧ください。
長崎県の外国人労働者:国籍別
長崎県内の外国人労働者数を国籍別でみると、1位はベトナム人(1,764人)、2位は中国人(1,054人)、3位はフィリピン人(748人)の順位となっています。ベトナム人は『技能実習』の割合が多く、ついで「資格外活動」となっています。中国人は「資格外活動」、「技能実習」、「身分に基づく在留資格」の順となっており、フィリピン人は「技能実習」、ついで「身分に基づく在留資格」の割合が多くなっています。
コラム:『日本で働く外国人の出身国別賃金・物価・食文化まとめ』も併せてご覧ください。
2.長崎県の業種別外国人労働者数
外国人労働者を雇用する事業所を産業別でみると、「製造業」が 4割を占め、次いで「卸売業、小売業」、「農業、林業」となっています。全国平均と比べてみても、長崎県は「製造業」の割合が多い結果となっています。これは、長崎市や佐世保市において盛んな造船業において、技能実習生の受け入れが進んでいることが影響していると考えられます。
3.長崎県内のハローワーク管轄別データ
長崎公共職業安定所
長崎市、西彼杵郡(時津町、長与町)を管轄するハローワークです。2,306名の外国人労働者が届出をしており、県内全体の42.4%を占め、最大規模を誇ります。「技能実習」による割合が31.0%と最も高く、ついで資格外活動が27.3%となっています。また産業別でみると、「製造業」の割合が最も高くなっています。
佐世保公共職業安定所
佐世保市(江迎町、鹿町町を除く)、北松浦郡を管轄しています。946名の外国人労働者が届出をしており、「技能実習」が25.4%と最も高くなっています。ついで、「専門的・技術的分野の在留資格」が20.4%となっており、造船のまち「佐世保」の技術力を支える外国人人材が集まっていることを示していると考えられます。産業別でも「製造業」の割合が最も高いのですが、この地区の特徴は「生活関連サービス業、娯楽業」の割合が高いことです。長崎県内でこの産業の外国人従事者は1番多く、この地域の支えとなっている産業だということがわかります。
諫早公共職業安定所
諫早市、雲仙市を管轄し、1,029名の外国人労働者がいます。産業別で見ると「製造業」に次いで「農業、林業」とそれぞれ約3割の方が従事しています。諫早市東部は干拓による県下最大の穀倉地帯であることに加え、諫早市西部には工業団地が数多く立地することから、製造業と農業の2つで外国人労働者の必要性が高まっているといえます。
大村公共職業安定所
大村市、東彼杵郡を管轄しており、201名の外国人労働者数が届出をしています。産業別では「製造業」が約半数を占め、次いで「卸売業、小売業」の割合が高くなっています。
島原公共職業安定所
島原市、南島原市を管轄しており、542名の外国人労働者数が届出をしています。「技能実習」の割合が85.1%と県内で最も高いのが特徴で、これはこのエリアで盛んな漁業や農業に従事する技能実習生の受け入れが進んでいることを示しています。それを象徴するように産業別では「農業、林業」での従事者が最も高く約半数を占めています。これは長崎県内で1番高い割合となっています。
江迎公共職業安定所
佐世保市のうち江迎町、鹿町町、平戸市、松浦市を管轄しており、240名の外国人労働者数が届出をしています。約8割の方が「製造業」で従事しており、長崎県内では最も高い割合を占めています。製造業が盛んな地区であることがうかがえます。
五島公共職業安定所
五島市、南松浦郡を管轄しており、65名の外国人労働者数が届出をしています。周りを海で囲まれており、自然が豊かなため、観光客も多く訪れます。外国人労働者は主に「製造業」に従事しています。
対馬公共職業安定所
対馬市、壱岐市を管轄しており、104名の外国人労働者数が届出をしています。
この地区の特徴は他とは異なり「卸売業、小売業」「医療、福祉」「教育、学習支援業」の3つの産業に主に就職者が集中していることです。それぞれ海に囲まれた島で、少子高齢化により外国人労働者に頼っている実情もあります。
<参考ページ>
長崎労働局「外国人雇用状況」の届出状況集計結果(平成30年10月末現在)PDF
4.長崎県での外国人採用はkedomoへ
長崎県でも職場の活性化や人手不足の解消を目的に、外国人を採用されている企業は増加しています。そのため、長崎県や市町村などの行政も外国語が通じる窓口を設けて、生活サポートに対応しています。詳しくはこちらのコラム『長崎県内の外国人への支援窓口(行政・団体)まとめ』をご覧ください。
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