養豚業やさつまいも、茶などの農業などが盛んな鹿児島県。豊かな自然の恵みを活かした農林水産業が発達しているほか、漁業、食品関連業などで強みを発揮しています。そんな鹿児島県でも近年、多数の外国人労働者が活躍しています。
企業が外国人を雇用・離職した際には、ハローワークに対して氏名・在留資格・在留期間の届出が必要となっており、その情報は「外国人雇用状況」として毎年労働局より発表されています。今回はその情報をもとに、鹿児島県の外国人雇用状況のポイントを解説します。
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目次
1.鹿児島県の外国人労働者数と雇用事業所数
鹿児島県は現在全国で第33位、6,862人の外国人労働者数を抱えています。雇用事業所数では全国で第30位の1,393事業所です。全国的な流れとして、毎年外国人労働者数は伸びていますが、鹿児島県でも前年同期比23.8%増加しています。事業所数で見ても、前年同期比19.3%増となり、過去最高を更新しています。
鹿児島県の外国人労働者:在留資格別
ビザの種類別(在留資格別)で見てみましょう。在留資格別にみると、「技能実習」が外国人労働者全体の 63.3%を占め、ついで、「身分に基づく在留資格」(※1)が17.9%、「専門的・技術的分野の在留資格(※2)」が 11.6%となっています。
※1 身分に基づく在留資格
「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」が該当します
※2 専門的・技術的分野
「技術・人文知識・国際業務」および「教育」などを指します
コラム:『外国人が日本で働くためのビザ(在留資格)とは』も併せてご覧ください。
鹿児島県の外国人労働者:国籍別
鹿児島県内の外国人労働者数を国籍別でみると、1位はベトナム人(2,996人)、2位は中国人(1,367人)、3位はフィリピン人(1,264人)の順位となっています。ベトナム人は『技能実習』の割合が90.1%と多く、ついで「身分に基づく在留資格」となっています。中国人は「技能実習」が54.6%、続いて「身分に基づく在留資格」の順となっており、フィリピン人は「身分に基づく在留資格」50.5%、「技能実習」が45.7%と圧倒的に高くなっています。
コラム:『日本で働く外国人の出身国別賃金・物価・食文化まとめ』も併せてご覧ください。
2.鹿児島県の業種別外国人労働者数
外国人労働者を雇用する事業所を産業別でみると、「製造業」が 約半数を占め、次いで「農業、林業」、「卸売業、小売業」となっています。全国平均と比べてみても、鹿児島県は「製造業」の割合が多い結果となっています。これは、霧島市や薩摩川内市に大企業の工場や事業所が立地していることが関係していると考えられます。
3.鹿児島県内のハローワーク管轄別データ
鹿児島公共職業安定所
鹿児島市、東諸県郡を管轄するハローワークです。2,116名の外国人労働者が届出をしており、県内全体の30.8%を占め、最大規模を誇ります。「技能実習」による割合は42.6%と最も高く、ついで「身分に基づく在留資格」が21.2%となっています。また産業別でみると、「製造業」の割合が一番高くなっていますが、割合に偏りがなく産業がバランスよく成り立っていることがうかがえます。
川内公共職業安定所
薩摩川内市を管轄し、510名の外国人労働者がいます。薩摩川内市は、鹿児島県内で最大の面積を有する市であり、薩摩川内市の陸の玄関でもある川内駅周辺は九州新幹線開通の影響もあり、高層マンションが建てられたり、全国チェーンの店の出店が相次いでいる。産業別では、「製造業」の割合が7割と高いですが、「建設業」での従事者の割合は県内トップです。
鹿屋公共職業安定所
鹿屋市、垂水市、肝属郡を管轄し、642名の外国人労働者がいます。鹿屋市は人口10万人を擁する、大隅半島の行政・経済・産業の中核となる都市です。年間の平均気温17℃という温暖な気候と豊かな自然を活かした農業・畜産が盛んであり、黒豚やブロイラー、落花生、サツマイモなどが特産品です。また、国立大学の鹿屋体育大学や海上自衛隊鹿屋航空基地があることでも全国的にその名が知られています。産業別では「農業、林業」の割合が最も高く、従事者数は県内で1番多いです。
国分公共職業安定所
霧島市、姶良市を管轄しています。707名の外国人労働者が届出をしており、「技能実習」が53.7%と最も高くなっています。霧島市には京セラやトヨタ車体などの大企業の拠点があり、それらに関連する産業において技能実習生のニーズが高まっていると考えられます。 産業別でも「製造業」の割合が最も高く製造業が盛んな地区ということがうかがえます。
加世田公共職業安定所
南さつま市、枕崎市、南九州市のうち知覧町及び川辺町を管轄し、715名の外国人労働者がいます。南さつま市は、鹿児島県の薩摩半島西岸に位置し、太平洋戦争末期には最後の特攻隊の出撃地、万世飛行場が吹上浜にありました。現在では砂丘を利用した砂の祭典や、自転車によるさまざまな大会が開かれるなど砂丘と自転車を活かした特色あるまちづくりでも知られています。「技能実習」が85.5%を占めており、産業別では「製造業」の割合が6割以上を占めています。
伊集院公共職業安定所
日置市、いちき串木野市を管轄しており、282名の外国人労働者数が届出をしています。日置市は、南九州西回り自動車道やJR鹿児島本線で隣接する鹿児島市と結ばれ、鹿児島市のベッドタウンとしても発展しています。また、薩摩焼の歴史とも深い関わりがある地域で、現在でも旧東市来町美山地区などに窯元が開かれ、焼物(陶器)の街としても知られています。産業別では「製造業」が半数を占めていますが、「宿泊業、飲食サービス業」の割合が鹿児島管轄に次いで高い割合となっています。
大隅公共職業安定所
曽於市、志布志市、曽於郡を管轄しており、570名の外国人労働者数が届出をしています。 曽於市は、畜産や畑作を中心とした農業が盛んな地域であり、産業別に見ても「農業、林業」の割合が「製造業」に次いで高い割合を示しています。
出水公共職業安定所
出水市、阿久根市、出水郡を管轄しており、662名の外国人労働者数が届出をしています。「技能実習」の割合が75.4%と高く、このエリアで盛んな農業や製造業に従事する技能実習生の受け入れが進んでいることを示しています。 産業別で見ても「製造業」の割合は県内でトップの高さです。
名瀬公共職業安定所
奄美市、大島郡のうち瀬戸内町、大和村、宇検村、龍郷町、喜界町、和泊町、知名町、与論町を管轄しており、286名の外国人労働者数が届出をしています。奄美市は、鹿児島県南部、奄美群島最大の島である奄美大島に所在した市で、名瀬市・笠利町・住用村が合併したことで奄美市に名称が変更されました。豊かな自然に囲まれ、「農業、林業」で従事する方の割合は半数を占めています。また、他の地域では比較的高い割合の「製造業」が1割にも満たないことも特徴の一つです。
指宿公共職業安定所
指宿市、南九州市のうち頴娃町を管轄しており、372名の外国人労働者数が届出をしています。指宿市は、鹿児島県薩摩半島の南端に位置し、指宿温泉で知られる鹿児島県の有名な温泉地があります。産業別では「農業、林業」の割合が県内で最も高く約半数を占めており、「製造業」と合わせると9割以上の方がこのどちらかの産業で働いています。
上記の情報は、平成30年10月末現在における『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ』に基づいてに作成しています。
<参考ページ>
鹿児島労働局「外国人雇用状況」の届出状況集計結果(平成30年10月末現在)PDF
4.鹿児島県での外国人採用はkedomoへ
鹿児島県でも職場の活性化や人手不足の解消を目的に、外国人を採用されている企業は増加しています。そのため、鹿児島県や市町村などの行政も外国語が通じる窓口を設けて、生活サポートに対応しています。詳しくはこちらのコラム『鹿児島県内の外国人への支援窓口(行政・団体)まとめ』をご覧ください。
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