外国人採用の相談を受けていると、「うちの業種だとどの国の人が多いのか」「食品工場で雇うならベトナムとインドネシアどっちが採りやすいのか」といった質問をよくいただきます。自分の業種でどの国籍が集まりやすいかが先に見えると、募集国の選び方や受け入れ準備が具体的になります。
この記事では、出入国在留管理庁が公表した2025年12月末時点のデータをもとに、特定技能外国人の業種別・国籍別の分布をまとめます。業種と国籍のクロス表も入れましたので、自社で採用を進めるときの参考にしてください。
この記事でわかること
- 業種ごとに多い国籍(クロス表で比較可能)
- 国籍ごとの分布と近年の変化
- 都道府県別の分布(九州・福岡の位置づけ)
執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)
目次
1.業種別に見る特定技能外国人の国籍
特定技能1号は16分野で受け入れが可能です。分野の正式名称と現場の呼び方が違うため、以下の表では併記しました。2025年12月末時点の在留者数は382,341人で、そのうち上位6分野だけで約9割を占めます。参考:「特定技能在留外国人数のポイント(令和7年12月末)」(出入国在留管理庁)
業種×主要国クロス表(1号・2025年12月末)
| 分野(通称) | 総数 | ベトナム | インドネシア | ミャンマー | フィリピン | 中国 | ネパール |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 飲食料品製造業(食品工場) | 93,393 | 55,372 | 19,593 | 4,739 | 3,769 | 5,614 | 212 |
| 介護 | 67,871 | 10,401 | 21,139 | 19,803 | 5,704 | 1,340 | 6,013 |
| 工業製品製造業(製造業) | 56,736 | 32,445 | 10,910 | 650 | 5,615 | 4,161 | 40 |
| 建設 | 49,323 | 30,159 | 6,638 | 1,012 | 5,635 | 2,598 | 259 |
| 外食業(飲食店) | 43,869 | 13,623 | 3,521 | 14,966 | 2,279 | 2,683 | 4,135 |
| 農業 | 37,952 | 9,789 | 14,089 | 1,010 | 3,496 | 2,744 | 787 |
| 造船・舶用工業 | 11,204 | 1,688 | 2,452 | 30 | 6,028 | 847 | 0 |
| ビルクリーニング | 8,395 | 2,276 | 2,705 | 940 | 562 | 1,179 | 265 |
| 漁業 | 4,590 | 572 | 3,879 | 1 | 17 | 120 | 0 |
| 自動車整備 | 4,560 | 1,661 | 832 | 310 | 1,302 | 31 | 7 |
出典:「主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数(令和7年12月末現在)」(出入国在留管理庁)
業種ごとの特徴
食品工場(飲食料品製造業)はベトナムが約6割、インドネシアが2割の構成です。惣菜・水産加工・菓子製造などで広く使われており、主要国からまんべんなく応募が集まります。
介護はインドネシア・ミャンマーが上位で、この2か国だけで6割を超えます。ベトナムは全体では41.5%を占めますが、介護では15%にとどまり、他分野と国籍の並びが違います。日本語要件(N4+介護日本語)の受験状況の違いが背景にあります。ネパールが約9%入っているのも介護の特徴です。詳しい採用方法は特定技能「介護」で外国人を採用する方法をご覧ください。
製造業(工業製品製造業)はベトナムが6割弱で最多、インドネシア・フィリピン・中国が続きます。金属加工・電子部品・機械組立など、技能実習からの移行が多い分野です。
建設もベトナム6割強。ついでインドネシア・フィリピンの順。工種が多岐にわたるため、海外からの新規採用より、国内の技能実習経験者の採用が多くなっています。
飲食店(外食業)は特殊な構成です。ミャンマーが34%でベトナム31%を上回り、ネパール9%も入ります。外食業は海外技能試験の実施国が8か国と多く、特定国に偏りにくい分野です。
農業はインドネシアが37%で最多、ベトナム26%、フィリピン9%。耕種農業(野菜・果樹など)と畜産農業で採用できる構成になっています。
造船・舶用工業はフィリピンが54%と突出。長崎・広島・愛媛・香川の造船集積地が中心です。
漁業はインドネシアが85%を占めます。養殖業を中心に、他分野にはない国籍偏りが出ています。
2.国籍別に見る特定技能外国人の分布
国籍別の上位5か国は以下のとおりです(1号のみ・2025年12月末)。
| 順位 | 国籍 | 人数 | 構成比 | 前期(6月末)からの増加率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ベトナム | 158,497人 | 41.5% | +8.4% |
| 2 | インドネシア | 86,523人 | 22.6% | +24.7% |
| 3 | ミャンマー | 44,315人 | 11.6% | +24.6% |
| 4 | フィリピン | 35,521人 | 9.3% | +9.6% |
| 5 | 中国 | 21,418人 | 5.6% | +7.6% |
ベトナムは引き続き最多ですが、1号ベースの構成比は半年で43.9%から41.5%に下がりました。経済成長による日本との所得格差の縮小で、ベトナムからの応募は数年前から落ち着き傾向にあります。
存在感を増しているのはインドネシアです。半年で約1万7千人増え、国籍別の増加数でトップ。kedomoでも、ここ1〜2年はベトナム以外からの紹介が増えており、とくにインドネシア人材の問い合わせが多くなっています。ミャンマーは半年で+24.6%と高い伸びで、介護と飲食店での採用が多くなっています。
採用側でもベトナムだけを前提にせず、複数国籍を並行して受け入れる準備(多言語マニュアル、国籍ごとの生活支援)に切り替える動きが出ています。
3.都道府県別に見る特定技能外国人の分布
2025年12月末時点の上位10都道府県は以下のとおりです。
| 順位 | 都道府県 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 愛知県 | 29,854人 | 7.8% |
| 2 | 大阪府 | 25,471人 | 6.7% |
| 3 | 東京都 | 25,451人 | 6.7% |
| 4 | 埼玉県 | 24,518人 | 6.4% |
| 5 | 千葉県 | 23,560人 | 6.2% |
| 6 | 神奈川県 | 22,792人 | 6.0% |
| 7 | 茨城県 | 17,606人 | 4.6% |
| 8 | 北海道 | 16,379人 | 4.3% |
| 9 | 福岡県 | 13,943人 | 3.6% |
| 10 | 兵庫県 | 13,933人 | 3.6% |
自動車産業が集積する愛知県が全国トップ。関東6都県(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・群馬)を合わせると3割を超え、製造・物流・外食・介護など業種を横断して人数が多いのが特徴です。
九州では福岡県が9位に入りました。食品製造・介護・外食・農業のバランスが良く、九州ではもっとも多い県です。佐賀・長崎・熊本・大分でも製造・農業・造船を中心に増えています。
4.そのほか押さえておきたいポイント
総数と伸び率
2025年12月末の特定技能外国人は1号+2号で390,296人に達しました。半年前から16.1%の増加です。制度開始5年で受け入れ目標の345,150人を超えています。技能実習からの資格変更と、海外から直接来日するルートの両方で増えています。
登録支援機関
特定技能1号を雇う会社には生活・就労の支援義務があり、自社で行えない場合は登録支援機関に委託できます。機関数は10,305件(2025年6月末時点)で、株式会社・合同会社などが56%、中小企業事業協同組合が26%を占めます。kedomoは株式会社として登録しています。登録だけを済ませて実務をしていない機関も一定数あるため、委託先を選ぶときは実績や対応言語を確認することをおすすめします。
5.まとめ
- 特定技能外国人は2025年12月末で390,296人、前期比+16.1%の増加です。
- 業種ごとに多い国籍が違い、食品工場・製造業はベトナムが最多、介護はインドネシアとミャンマーが上位です。
- 国籍別首位はベトナムで41.5%、次いでインドネシア22.6%、ミャンマー11.6%です。
- 都道府県別は愛知県がトップ、福岡県は全国9位で九州では最多です。
- 複数国籍の受け入れを前提にした準備が必要になってきています。
kedomoでは特定技能の人材紹介と登録支援機関業務をワンストップで行っています。業種・地域・国籍の組み合わせに合わせたご提案ができますので、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
6.Q&A
Q.食品工場で特定技能を雇いたいのですが、どの国籍が多いですか?
A.食品工場(飲食料品製造業)はベトナムが約6割、インドネシアが約2割です。国籍のバランスは業種の中でも標準的で、主要国から応募を得やすい分野です。
Q.介護はどの国からの採用が現実的ですか?
A.介護はインドネシア31%・ミャンマー29%・ベトナム15%・ネパール9%の順で、他分野と国籍構成が大きく違います。採用可能性を広げるならこの4か国を並行して検討することをおすすめします。
Q.飲食店の採用ではどの国籍が多いですか?
A.飲食店(外食業)はミャンマー34%、ベトナム31%、ネパール9%の順です。海外での技能試験実施国が多く、特定国に偏りにくい分野です。
Q.ベトナムの比率が下がっているのはなぜですか?
A.ベトナムの経済成長で日本との所得格差が縮小し、応募が数年前から落ち着いてきたためです。ベトナムは依然として最多ですが、1号ベースの構成比は半年で43.9%から41.5%に下がりました。
Q.福岡県は全国で何位ですか?
A.9位です。2025年12月末時点で13,943人、構成比3.6%で、九州ではもっとも多い県です。食品製造・介護・外食・農業がバランスよく広がっています。





