外国人社員の採用を検討している企業にとって、ビザ(在留資格)の取得は避けて通ることのできない問題です。行政書士などの専門家に依頼すると、ビザが許可される可能性が高まるほか、書類準備などの手間を省くことができます。この記事では、行政書士事務所のビザ取得費用の平均を、検索結果上位30社で実際に調査しました。どのくらいの金額が相場であるか、依頼する際の参考にしてください。
目次
1.最低限必要なビザ取得の費用について
在留資格認定証交付申請の手数料は無料である一方、在留資格変更許可申請では、許可されると4,000円、永住許可申請では8,000円の手数料がかかります。全てに共通して、返信用封筒と404円分の切手が必要です。(定型郵便物25g以内84円と簡易書留代金320円)
2.ビザ取得費用の相場(30社平均)
実際にどのくらいの費用がかかるのか、日本行政書士連合会の報酬額の統計と、検索結果上位30社の平均をそれぞれ見ていきましょう。日本行政書士連合会とは、行政書士が必ず登録しなければならない団体であり、5年に1度、報酬額の調査を行っています。(現在の最新版は平成27年度)
検索結果上位30社のホームページ内で、報酬額の記載がないものについては除外し、プラン選択制の場合はスタンダードな数値を採用しております。
在留資格認定証交付申請
在留資格認定証交付申請とは、海外から外国人社員を日本へ招へいする際に行う手続きです。一般的な在留資格である「技術・人文知識・国際業務」と、その家族を呼ぶために必要な「家族滞在」の2つの報酬額を調査しました。
平均額がそれぞれ約10万円となっており、最頻値も10万円という結果になりました。
最小値では8000円という結果もありましたが、手続きにかかる業務量を勘案すると、通常では実現することが難しいでしょう。
また報酬額表で規定している事務所が少ないため、具体的な料金を示すことができませんが、特定技能の在留資格認定証交付申請は、これらの平均額より高額になることが多いです。理由としては、受入れ分野により追加の手続きが必要であり、準備しなければならない書類の量も多いことが挙げられます。
①技術・人文知識・国際業務
平均額 | 最小 | 最大 | 最頻 | |
日本行政書士連合会 報酬額の統計 | 119,642円 | 8,000円 | 300,000円 | 100,000円 |
検索結果上位30社平均 | 105,683円 | 50,000円 | 157,500円 | 100,000円 |
※日本行政書士連合会の報酬額の統計においては在留資格認定証交付申請(就労資格)を参照
②家族滞在
平均額 | 最小 | 最大 | 最頻 | |
日本行政書士連合会報酬額の統計 | 93,883円 | 8,000円 | 200,000円 | 50,000円 |
検索結果上位30社平均 | 101,650円 | 25,000円 | 157,500円 | 100,000円 |
※日本行政書士連合会の報酬額の統計においては在留資格認定証交付申請(非就労資格)を参照
在留資格変更許可申請
在留資格変更許可申請は、先の在留資格認定証交付申請と比較して平均額が1万円程低い結果となりました。これは一般的に在留資格認定証交付申請より許可率が高いこと、必要書類が少ないケースが多いことが理由として考えられます。
相場として、在留資格認定証交付申請の場合は10万円を目安に、在留資格変更許可申請の場合は9万円を目安に考えると良いでしょう。
①技術・人文知識・国際業務
平均額 | 最小 | 最大 | 最頻 | |
日本行政書士連合会報酬額の統計 | 87,566円 | 10,000円 | 200,000円 | 100,000円 |
検索結果上位30社平均 | 92,350円 | 40,000円 | 157,500円 | 100,000円 |
※日本行政書士連合会の報酬額の統計においては在留資格認定証交付申請(非就労資格)を参照
②永住許可申請
永住許可申請は、在留資格の中で最高峰に位置する自由度の高いビザ(在留資格)となるため、必要書類も多く、身元保証人なども準備しなければなりません。準備に多くの手間がかかるので、報酬額も高く設定されています。平均値として約12万、最頻値も12万円という結果になりました。
平均額 | 最小 | 最大 | 最頻 | |
日本行政書士連合会報酬額の統計 | 122,924円 | 25,000円 | 400,000円 | 100,000円 |
検索結果上位30社平均 | 122,540円 | 40,000円 | 200,000円 | 120,000円 |
※日本行政書士連合会の報酬額の統計においては在留資格認定証交付申請(非就労資格)を参照
3.専門家に依頼する場合の3つのメリット
行政書士などの入管業務をメインとしている専門家に依頼するメリットとして、下記の3つを挙げることができます。
地方出入国在留管理局まで出向く必要がない
在留資格認定証交付申請では、会社の担当者が地方出入国在留管理局へ赴く必要があります。品川や名古屋などは、申請する外国人の数がとても多く、申請が受理されるまで1日かかることも多いです。入管業務を専門とされている行政書士は、申請取次行政書士の資格を保有していることも多く、会社の担当者に代わって地方出入国在留管理局で申請を行うことができます。
「申請取次行政書士」と行政書士の違い
行政書士の中で、法務大臣が認定する講習と効果測定を終了し、かつ地方出入国在留管理局に届出を行ったものを「申請取次行政書士」といい、本人または親族等からの依頼を受けて在留資格の申請を行うときは、原則として本人の出頭が免除されます。
申請に関する書類準備を任せることができる
在留資格認定証交付申請では、海外にいる外国人と卒業証明書や職務経歴書などのやり取りを行わなければならず、そのやりとりだけで時間と労力が奪われます。入管業務に精通した行政書士に依頼すると、外国人とのコミュニケーションにも慣れており、ポイントを抑えた準備を行うことができます。
申請が許可される可能性が高まる
法務省のホームページを調べれば、申請に必要な書類を把握でき、フォーマットも入手することができるため、誰でも簡単に申請が可能です。しかし、ホームページに記載がなくとも添付が必要な書類も数多くあります。スペシャリストである行政書士は、審査基準を把握した上で書類作成を行うため、結果として申請が許可される可能性が高まります。
4.まとめ(外国人採用を検討中の企業様へ)
行政書士など専門家に依頼した場合の、外国人のビザ取得費用の相場を解説しました。kedomoでは外国人材の紹介から入社まで、ワンストップでサービスを提供しています。提携している専門家をご紹介することもできますので、お気軽にご相談ください。
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〈参考ページ〉
『初めての外国人採用』
国内外からの採用スケジュールや費用、日本語力などを解説しています。
『外国人が日本で働くためのビザ(在留資格)とは』
ビザの種類や取得方法などをまとめています。