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外国人が介護職に就くためのビザ(在留資格)とその特徴

2020/06/09

ビザ(在留資格) 介護

介護分野における人材不足は、近年ますます深刻化しつつあります。
政府はこの問題に対応するために、2019年4月より特定技能制度をスタートさせました。現在では4種類のビザ(在留資格)により、外国人を採用して介護職に従事することができます。

この記事では、外国人介護職員の採用を検討されている方に、介護分野におけるビザ(在留資格)の種類とその特徴をわかりやすく解説いたします。なお、介護職で外国人採用をご検討中の企業様は下記よりご相談いただけます。

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1.介護職に就くためのビザ:①特定技能「介護」

これまで日本で働く外国人には「専門的・技術的」な知識やスキルが必要でしたが、深刻化する労働力不足を解決するために、「相当程度の知識又は経験」へとハードルを下げて創られた在留資格が特定技能です。労働力不足が顕著な分野を「特定産業分野」として指定し、受入れの上限数を定めた上で、外国人の受入れを行います。介護分野もこの「特定産業分野」に指定され、制度開始から5年間で最大6万人の受入れを想定しています。

なお、特定技能「介護」の詳しい採用方法と注意点は以下のコラムをご覧ください。

特定技能「介護」で外国人を採用する方法
介護施設が特定技能外国人採用を行う場合の注意点

仕事内容・就労先について

分野別運用要領において下記のように規定されています。

身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)とし、訪問介護等の訪問系サービスにおける業務は対象としない。

厚労省:介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針

雑務についても、日本人従業員と同程度従事することを認められています。就労先として、訪問系サービスは除外されているので注意が必要です。

特定技能「介護」ビザ取得のための要件

特定技能「介護」ビザを取得する方法は、大きく4つの方法があります。

技能実習2号を良好に修了すること

技能実習「介護」を技能実習2号まで良好に修了することにより、特定技能「介護」へ、試験を受けることなく移行することができます。

しかし技能実習制度に介護職種が追加されたのは2017年のため、移行者は多くありません。また技能実習制度において、介護職種は独自の基準を設けており、入国時に日本語能力N4程度が必要であり、外国人にとってハードルの高いものとなっています。

特定活動「EPA介護福祉士候補者」にて4年間、就労・研修すること

特定活動「EPA介護福祉士候補者」は、4年間で国家資格である介護福祉士の合格を目指します。しかし試験の難易度は難しく、合格できない外国人も多くいます。救済措置の意味合いもあり、不合格者は特定技能への移行が認められています。

介護福祉士養成施設を修了すること

在留資格「介護」の取得を目指して、介護福祉士養成施設を修了した外国人も特定技能への移行が可能です。

しかし、2022年3月末まで経過措置として、介護福祉士養成施設の修了者は、不合格でも介護福祉士の資格が与えられるため、この方法が活用されることはないでしょう。

技能水準、日本語能力水準を満たすこと

両方の水準を満たすことで、特定技能ビザの要件をクリアすることが可能です。日本語能力水準は、下記の2つの試験に合格しなければなりません。

  • 日本語能力試験N4以上合格、又は、日本語基礎テストにおいてA2以上の成績
  • 「介護日本語評価試験」に合格

利用者とのコミュニケーションが必須となる介護の性質上、他の分野より要求される日本語レベルは高くなっています。技能水準は、介護技能評価試験に合格することが必要です。この試験はプロメトリック株式会社が実施主体として、日本国内、国外で実施しています。日本においては全国150箇所以上、都心部では平日ほぼ毎日行われている大規模なものです。

※介護日本語評価試験・介護技能評価試験の内容
いずれの試験もコンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式で行い、それぞれ60%の得点率で合格です。学習用テキストがそれぞれの言語で無料で公開されています。介護日本語評価試験は、試験時間30分、全15問からなります。介護のことば、介護の会話・声かけ、介護の文書に分かれています。介護技能評価試験は、試験時間60分、全45問、うち学科40問、実技5問からなります。実技試験はイラストや写真から状況を判断する状況判断試験です。

将来的なキャリアパス【在留資格「介護」への可能性あり】

特定技能1号は、最長5年と在留期間が決まっており、特定技能2号への移行ができない場合、帰国しなければなりません。しかし、介護分野は3年以上の実務経験に加え、介護福祉士実務者養成研修を受講すれば、介護福祉士の受験資格が与えられます。現状では、省令を改正しなければ、特定技能から在留資格「介護」の取得はできません。現在、改正に向けて動き出しており、将来的には在留資格「介護」への変更が認められる可能性が高いです。

2.介護職に就くためのビザ:②在留資格「介護」

介護分野のビザの最上位に位置づけられるのが、在留資格「介護」です。特徴として、家族の帯同も可能であり、在留期間に制限がない(更新あり)ことが挙げられます。

仕事内容・就労先について

入管法別表第 1の2の表の「介護」の在貿資格の項の下欄において、仕事内容について下記のように規定されています。

本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動

引用:出入国管理及び難民認定法

つまり、入浴や食事の介助等の介護業務全般を行う活動が該当し、ケアプランの作成等も含まれると解されます。介護対象者の範囲も老人介護に限定されません。就労先は、必ずしも介護施設等だけでなく、訪問介護も可能であり、病院等も含まれます。特定技能とは異なり、就労先も幅広く選択可能なのが魅力です。

ビザ取得のための要件

在留資格「介護」の取得要件は、介護福祉士養成施設を修了し、国家資格「介護福祉士」に合格することです。実務経験3年以上、かつ介護福祉士実務者養成研修を受講することで「介護福祉士」への受験資格を得ることができますが、介護福祉士養成施設を修了していなければ、在留資格「介護」に変更することはできません。省令の改正が期待されています。

2022年3月末までの介護福祉士養成施設の修了者には経過措置あり

2022年3月までに介護福祉士養成施設を修了された方は、試験に不合格だったとしても、5年間の有効期限を持つ介護福祉士の資格を取得可能です。しかし、5年間の実務経験を経なければ、その後の更新はできません。

3.介護職に就くためのビザ:③特定活動「EPA介護福祉士候補者」

2国間の経済連携強化の為に設けられた在留資格です。平成20年からスタートし、現在は、フィリピン、インドネシア、ベトナムの3ヶ国から受け入れています。4年の在留期間のうちに、国家資格である介護福祉士の合格を目指します。公益社団国際厚生事業団が中心となって受入れ事業を行っています。

介護福祉士取得までのスケジュール

それぞれの国により、研修期間や必要とされる日本語レベルが異なります。

【インドネシア・フィリピン】

  1. 1 国ごとの候補者要件をクリア
  2. 現地にて日本語研修(6ヶ月)
  3. 日本語能力試験N5程度以上の取得
  4. 日本にて日本語等研修(6ヶ月)
  5. 受け入れ施設(病院、介護施設)での業務及び研修

【ベトナム】

  1. 候補者要件をクリア
  2. ベトナムにて日本語研修(12ヶ月)
  3. 日本語能力試験N3以上の取得
  4. 日本にて日本語等研修(2ヶ月半)
  5. 受け入れ施設(病院、介護施設)での業務及び研修

将来的なキャリアパス【特定活動「EPA介護福祉士」を目指す】

国家資格「介護福祉士」に合格することにより、特定活動「EPA介護福祉士」へと変更することができます。2020年の合格率は44.5%、758名中、237名の合格にとどまっており、簡単な試験ではありません。特定活動「EPA介護福祉士」は在留資格「介護」と似ており、家族帯同も可能となり、在留期間の制限もなくなるのが特徴です。

4.介護職に就くためのビザ:④技能実習「介護」

開発途上国の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的とした制度が、技能実習です。2017年に、介護職種が追加されました。介護職種は、他の職種より厳しく、いくつかの要件を満たす必要があります。

在留期間は技能実習1号は1年間、2号は2年間、3号も2年間の計5年間です。1号から2号、2号から3号に進む際には、技能検定試験に合格する必要があります。

ビザ取得のための要件

介護職種のみ、日本語能力試験N4以上と同程度の日本語能力が求められています。2年目においては、日本語能力試験N3以上のレベルが必要となります。

将来的なキャリアパス【特定技能「介護」へ移行可能、在留資格「介護」への可能性もあり】

技能実習2号まで良好に修了した外国人については、特定技能「介護」への移行が認められています。省令の改正が待たれていますが、介護福祉士の試験に合格することで、将来的に在留資格「介護」へ変更も実現する可能性が高いと言えます。

5.4つのビザ(在留資格)の比較について

4つのビザの違いがわかりやすいように、下記の2つの表にまとめました。

①在留期間・試験・受入国数の違いに関する表
ビザ(在留資格) 在留期間 試験 受入国数
特定技能「介護」 最長5年 日本語試験(2種類)
+介護技能評価試験
2国間協定の
締結国優先
(12ヵ国)
在留資格「介護」 無制限

介護福祉士

合格

制限なし
特定活動
「EPA介護福祉候補者」

4年間
合格後は無制限

特になし
(四大卒業+
母国での介護士資格)
フィリピン、インドネシア、ベトナム
技能実習「介護」 最長5年 日本語試験 15ヵ国
②家族の帯同・雇用条件の違いに関する表
ビザ(在留資格) 家族の帯同 待遇(給与等)
特定技能「介護」 不可 日本人と同等以上
在留資格「介護」 可能 日本人と同等以上

特定活動
「EPA介護福祉候補者」

不可

合格後は可

日本人と同等以上
技能実習「介護」 不可 最低時給以上

現状では、長く日本で働いてもらうためには、在留資格「介護」又は、特定活動「EPA介護福祉士候補者」の2つの選択肢しかありません。またいずれのビザにおいても、高い日本語能力を必要としています。

6.特定技能「介護」がおすすめできる理由

4つのビザ(在留資格)とその特徴を、解説しました。
介護分野で外国人材の採用を検討されている場合、最もおすすめできるのは特定技能「介護」です。理由としては下記の3つが挙げられます。

介護分野で6万人規模の受入れを想定。地方でも外国人材を見つけやすい

在留資格「介護」保持者は1000人以下とパイが圧倒的に不足している中、特定技能「介護」は分野別でトップとなる6万人を上限として運用を行います。

外国人、施設側の双方に負担が少ない

技能実習「介護」や特定活動「EPA介護福祉士候補者」は施設側の金銭負担や労力がかかり、在留資格「介護」は介護福祉士養成施設の学費が、外国人に重くのしかかります。

ビザ取得の要件が比較的低い

介護技能評価試験と日本語能力試験N4以上、そして介護日本語評価試験と3つの試験をクリアする必要がありますが、いずれも基礎的な内容のため、ビザ取得のハードルが比較的低くなっています。

7.介護施設で外国人材の採用を検討される担当者様へ

介護現場の人手不足を解消するために法律が改正され、外国人の職員を採用する介護施設が少しずつ増えています。 ご紹介したように、特定技能やEPA、技能実習など外国人の在留資格によって、勤務可能年数が変わるなど、日本人の採用と異なる面があるので、介護施設の採用を担当されている方は、どの資格を持つ外国人を採用するのが良いのか慎重に考える必要があります。

kedomoは、外国人に特化して人材をご紹介している会社です。募集から採用、生活支援まで、介護施設様の負担がないようにサポートしています。介護施設様のご要望をお聞きした上で、ご提案しますので、ご検討の際はお問い合わせより、気軽にお声をおかけください。

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