kedomoでは、富山で養鶏場を運営されている企業様にインドネシア出身の2名を国内転職でご紹介し、登録支援機関として生活面のサポートも行っています。畜産・耕種を問わず、農業分野で外国人を採用したいというご相談が増えてきました。
この記事では、特定技能「農業」で外国人を採用する方法について、対象になる仕事の範囲から、募集・入社の流れ、費用、技能実習との違いまでまとめています。
この記事でわかること
- 特定技能「農業」で任せられる仕事と、雇用主側の条件
- 募集から入社までにやることと、かかる費用の目安
- 技能実習や育成就労との違い、特定技能2号への移行
執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)
目次
1.特定技能「農業」とは
特定技能は、人手不足が深刻な分野で即戦力の外国人を雇用できる制度です。農業は就業人口の減少と高齢化が続いており、外国人労働者の受入れが年々増えている分野でもあります。2019年にスタートし、農業を含む16の分野が対象になっています。
農業分野の受入れ見込み数は、2024年4月からの5年間で最大78,000人です。参考:「特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について」(出入国在留管理庁)
特定技能には1号と2号があります。1号は在留期間が通算5年までで、家族の帯同はできません。ただし農業は季節による繁閑があるので、農閑期に帰国すればその期間はカウントされません。たとえば半年ごとの契約なら、10年にわたって来てもらうこともできます。
2号は、2023年6月から農業分野でも取得できるようになりました。2号に移行すると在留期間の上限がなくなり、家族を日本に呼ぶこともできます。長く働いてもらいたい場合、2号への移行は大きな選択肢です(詳しくは後述します)。
2.受入れできる雇用主の条件
農業分野で特定技能の外国人を受け入れるには、次の2つを満たす必要があります。
- 過去5年以内に、労働者を6か月以上雇用した経験があること
- 外国人が来日してから4か月以内に「農業特定技能協議会」に加入すること
協議会への加入は、農林水産省のサイトからオンラインで申請できます。法人用と個人用でフォームが分かれているので、該当するほうから手続きしてください。
なお、農業分野では派遣形態での受入れも認められています。自社で直接雇用するほか、農業専門の派遣会社を通して繁忙期だけ人材を確保する方法もあります。派遣の場合は、派遣先が上記1の条件を満たすか、派遣先責任者講習を受講した者を選任していることが必要です。
3.特定技能「農業」で任せられる仕事
任せられる仕事は、大きく分けて2つです。
耕種農業:栽培管理、農産物の集出荷、選別など
畜産農業:飼養管理、畜産物の集出荷、選別など
ポイントは、栽培管理または飼養管理が必ず仕事に含まれている必要があるということです。選別だけ、集出荷だけといった働き方はできません。
一方で、同じ職場の日本人スタッフが日頃からやっている関連業務(加工、運搬、販売、冬場の除雪など)は、あわせて任せることができます。農業の現場では本業以外の作業も多いので、この柔軟さは使いやすい点です。
4.募集から入社までの流れ
特定技能「農業」の外国人を採用するステップを順番に説明します。
ステップ1:人材を募集する
kedomoのような外国人材紹介会社や、SNS、ハローワークなどで人材を探します。技能実習からの切替を希望している人、海外から来日を希望している人など、状況はさまざまです。kedomoでは国内在住者・海外在住者の両方をご紹介できます。
ステップ2:面接して採用を決める
面接はオンラインでも対面でも可能です。採用が決まったら、特定技能外国人への支援体制を整えます。支援は自社で行うこともできますが、様々な要件があるため雇用人数が多くなるまでは登録支援機関に委託することが多いです。kedomoのように人材紹介と登録支援機関を兼ねている会社なら、採用から支援までまとめて依頼できます。
ステップ3:事前ガイダンスと雇用契約を結ぶ
採用が決まったら、労働条件や日本での生活について、外国人が理解できる言語で説明します(事前ガイダンス)。初めての受入れの場合は3時間以上、技能実習からの切替など引き続きの雇用でも1時間以上が必要です。その後、雇用契約を結び、健康診断も実施します。
ステップ4:在留資格を申請する
外国人が海外にいる場合は、雇用主が地方出入国在留管理局に「在留資格認定証明書交付申請」を行います。審査には通常1〜3か月かかります。
国内にいる場合は、本人が「在留資格変更許可申請」を行います。こちらは2週間〜1か月程度です。
いずれも取次資格を持った行政書士や登録支援機関が申請を取り次ぐことができます。必要書類が多いので、初めての場合は依頼するのがおすすめです。書類の全体像はコラム「特定技能の受入れ申請に必要な書類まとめ」にまとめています。
ステップ5:査証を取得して来日する(海外から来る場合)
在留資格認定証明書が交付されたら、それを海外にいる外国人に送ります。本人が母国の日本大使館で査証(ビザ)を申請し、発給されたら来日です。在留カードは、主要な空港であれば到着時にその場で交付されます。国内で在留資格を変更する場合は、このステップは不要です。
ステップ6:入社後の手続きをする
空港への送迎、住居の確保、役所への届出、銀行口座の開設、携帯電話の契約など、生活基盤を整えるサポートが必要です。これらは登録支援機関に委託している場合、支援の一部として対応してもらえます。
採用後に必要な届出や報告については、コラム「特定技能で外国人採用後に必要な報告・届出」で詳しく解説しています。
ステップ7:農業特定技能協議会に加入する
初めて農業分野で特定技能外国人を雇用する場合、受入れから4か月以内に協議会への加入が必要です。加入は農林水産省のサイトからオンラインで申請できます(手順は2章で紹介した協議会のページから)。
5.特定技能「農業」の採用費用
採用にかかる費用は主に3つです。
人材紹介の費用:特定技能の人材紹介料は、定額制(30万円程度)を設けている会社もあります。国内在住か海外在住か、本人の経験によっても変わります。
在留資格申請の費用:行政書士に依頼する場合、10〜15万円程度が相場です。自社で申請することもできますが、書類が多いため慣れていない場合は依頼したほうがスムーズです。
登録支援機関への委託費用:特定技能1号の外国人を雇用する場合、企業には支援の義務があります。自社で支援を行うこともできますが、手が回らない場合は登録支援機関に委託します。委託費用は月額2〜5万円/人程度です。コラム「登録支援機関を利用せず自社で採用する方法」もあわせてご覧ください。
6.特定技能2号への移行
2023年6月より、農業分野でも特定技能2号が取得できるようになりました。
2号に移行すると、在留期間の上限がなくなり(更新は必要)、家族の帯同もできるようになります。1号の5年間では短いと感じている雇用主にとって、長期雇用の道が開けたことは大きな変化です。
2号に移行するには、2号農業技能測定試験(耕種または畜産)に合格することと、農業の現場で2年以上の管理経験、または3年以上の実務経験が必要です。農業分野は現場での実務経験だけでも要件を満たせるため、他の分野より移行しやすいと言えます。
試験は全国農業会議所が実施しています。参考:「2号農業技能測定試験」(全国農業会議所)
7.技能実習・育成就労との比較
農業分野では技能実習で外国人を受け入れるケースも多くあります。それぞれの違いを採用する側の視点で整理します。
採用コストと手間:技能実習は入国前の講習や監理団体の関与があり、初期費用と手間が多くかかります。特定技能は監理団体を通す必要がなく、試験に合格した即戦力を雇用できます。
雇用期間:技能実習は最長5年(1号〜3号)、特定技能1号も通算5年です。ただし特定技能は2号に移行すれば上限がなくなります。技能実習から特定技能に切り替えれば、合計で10年以上の雇用も可能です。
転職の可否:特定技能では転職ができます。技能実習では原則できませんが、実習中に特定技能の試験に合格して在留資格を変更すれば、事実上転職は可能です。
育成就労への移行:技能実習制度は2027年から「育成就労」という新しい制度に移行する予定です。育成就労では一定の条件のもとで転職が認められるなど、特定技能に近い仕組みになります。
8.技能実習からの切替・転職で農業人材を採用する
技能実習で以下の職種・作業を2号まで修了した人は、試験免除で特定技能1号に切り替えることができます。それ以外の作業の修了者は、日本語試験のみ免除になります。
| 職種 | 作業 | 特定技能の区分 |
|---|---|---|
| 耕種農業 | 施設園芸 | 耕種農業全般 |
| 畑作野菜 | ||
| 果樹 | ||
| 畜産農業 | 養豚 | 畜産農業全般 |
| 養鶏 | ||
| 酪農 |
kedomoでも、技能実習を修了した方が特定技能に切り替えて別の企業に転職するケースをご紹介しています。切替の際には書類の準備に時間がかかるため、早めにご相談いただくのがスムーズです。
まとめ
- 特定技能「農業」は、即戦力の外国人を直接雇用または派遣で受け入れられる制度です
- 任せられる仕事は耕種農業全般と畜産農業全般の2区分で、関連業務にも従事できます
- 2023年から2号も取得できるようになり、長期雇用の道が開けました
- 技能実習からの切替で試験免除になる職種があり、採用しやすいルートです
- 雇用主の支援義務は登録支援機関に委託できるため、初めてでも始めやすい仕組みです
kedomoでは、特定技能「農業」の人材紹介と登録支援機関としての支援を行っています。お気軽にご相談ください。
Q.特定技能「農業」とは何ですか?
A.人手不足の農業分野で、即戦力の外国人を雇用できる在留資格です。 耕種農業と畜産農業の2区分があり、1号は通算5年、2号は上限なしで働けます。
Q.農業分野で派遣形態は使えますか?
A.はい、農業分野では特定技能外国人を派遣形態で受け入れることも認められています。 繁忙期だけ人材を確保したい場合に活用できます。
Q.技能実習から特定技能への切替に試験は必要ですか?
A.耕種農業・畜産農業の対象作業を2号まで修了していれば、技能試験と日本語試験の両方が免除されます。 それ以外の作業の場合は日本語試験のみ免除です。
Q.特定技能2号は農業でも取れますか?
A.はい、2023年6月から農業分野でも取得可能になりました。 2号農業技能測定試験に合格し、一定の実務経験があれば移行できます。
Q.登録支援機関への委託は必須ですか?
A.必須ではありません。自社で支援体制の要件を満たせば、委託なしでも受入れできます。 ただし初めての場合は委託するほうが手続きの負担を減らせます。





