技能実習で外国人材を受入れられている企業様から「事務の負担が多いけれど、特定技能も同じですか」というご質問をよくいただきます。また、特定技能で外国人採用を検討されている企業様にとっても、採用後にどれくらいの事務負担が発生するのかはとても気になるポイントです。
2024年に技能実習制度に代わる「育成就労制度」の創設が可決され、今後数年かけて制度は移行していきますが、当面の間は現行制度での運用が続きます。そこで今回は、最新の状況に基づき「特定技能」と「技能実習」の会社側の事務処理負担を比較してみました。どちらの在留資格で外国人社員を採用しようか迷っている会社様はぜひ参考にしてください。
※技能実習は監理団体型のケースを想定しています
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目次
1.毎日の事務処理
技能実習
技能実習日誌の記入が求められています。これには従事した業務内容、指導内容、指導者氏名を記載しますが、技能実習生一人ひとり準備する必要はなく、同じ内容の場合はまとめることができます。※各様式は「技能実習制度 運用要領・各種様式等(入管庁公式サイト)」から最新版をダウンロードできます。
特定技能
毎日行うべき事務処理はありません。
2.定期的な事務処理
技能実習
監理団体へ毎月が毎月チェックする書類、外国人技能実習機構へ1年に一度提出する書類があります。そして事務処理ではないですが、監理団体からの巡回が定期的に行われます。
毎月、監理団体がチェックする書類
- 技能実習日誌
- 認定計画の履行状況に係る管理簿
- 技能実習生一覧表 ※技能実習日誌に添付あり
- 賃金台帳
- タイムカード(出勤簿)
毎日の事務処理の項目で挙げた技能実習日誌は、一か月分まとめて監理団体がチェックを行います。認定計画の履行状況に係わる管理簿は、レ点を記していくタイプのものであり、事務処理量は多くはありません。
1年に一度、外国人技能実習機構へ提出する書類
- 実施状況報告書(省令様式第10号)
実労働時間や給与額、食費、居住費にいたるまで詳細な数字の報告を行います。集計をした上でまとめなければならないため、ある程度の時間が必要となります。
監理団体からの定期的な巡回
技能実習1号では1ヶ月に一度、監理団体の訪問指導を受けなければなりません。 それに加え、3ヶ月に一度、定期監査が行われます。
監理団体の役職員が実習実施者に赴いて技能実習の実施状況を実地に確認するとともに、認定された技能実習計画に基づいて技能実習を適正に行わせるよう必要な指導を行います。
- 監理団体の訪問指導 ※技能実習1号のみ
監理団体の役職員が実習実施者に赴いて技能実習の実施状況を実地に確認するとともに、認定された技能実習計画に基づいて技能実習を適正に行わせるよう必要な指導を行います。
- 監理団体による定期監査
チェックされるポイントは、下記の5項目になります。
- 技能実習の実施状況を実地に確認すること
- 技能実習責任者及び技能実習指導員から報告を受けること
- 技能実習生の4分の1以上と面談すること(2人以上4人以下の場合にあっては2人以上)
- 実習実施者の事業所の設備、帳簿書類等を閲覧すること
- 技能実習生の宿泊施設等の生活環境を確認すること
特定技能
特定技能では3ヶ月に一度、つまり四半期毎の届出が必要となる書類があるのみで、1ヶ月や1年ごとに提出する書類はありません。また、現在では「出入国在留管理庁電子届出システム」を利用したオンラインでの提出が普及しており、ペーパーレスでスムーズに手続きができるようになっています。
さらに、登録支援機関に支援業務を全部委託している場合は、支援実施状況に係る届出書を省略できます。(登録支援機関側が作成し提出します)
四半期ごとの報告が義務付けられている書類
受入れ状況に係わる届出書
就労場所、業務内容に変更があるか、届出期間の就労日数などを報告します。
- 活動状況に係わる届出書
別紙:特定技能外国人に対する報酬の支払状況
税金や社会保険・労働保険などに加入しているか、報酬の支払い状況、新規雇用者数などの雇用状況を記載します。給与が銀行振込以外の場合、報酬支払証明書を添付する必要があります。
- 支援実施状況に係る届出書
別紙:1号特定技能外国人支援対象者名簿
添付:定期面談報告書(1号特定技能外国人用)
添付:定期面談報告書(監督者用)
支援計画が適切に実施されているかを報告します。同じように支援を受けている特定技能外国人については、別紙に名前を記載することで一つにまとめることが可能です。定期面談報告は3ヶ月に1度は行うので、届出書に毎回添付することになります。苦情などの相談を受けた場合は、相談記録書を添付してください。
特定技能の届出・報告に関する各種様式は、入管庁の『特定技能関係の申請・届出様式一覧』に一括でまとめられています。具体的な書き方のポイントや説明は、コラム『「特定技能」で外国人採用後、会社が必要な報告・届出』を参照してください。
3.ビザ更新手続き
技能実習においては、技能実習1号から技能実習2号への在留資格変更許可申請時の必要書類、特定技能においては、在留期間更新許可申請時の必要書類で比較を行います。
技能実習
技能実習の場合は、地方出入国在留管理局に在留資格変更許可申請を行う前に、外国人技能実習機構に対して、技能実習計画認定を受けなければならないため、あらかじめスケジュールに余裕を持たなければなりません。技能実習計画認定申請の際に、添付書類として技能検定や技能実習評価試験の合格証の写しも含まれており、これらの書類はそのままビザ更新に活用することができます。
- 在留資格変更許可申請書
- 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
- 申請人のパスポート及び在留カードコピー
- 技能実習計画認定通知書の写し
- 住民税の課税証明書及び納税証明書
- 技能実習計画認定通知書の写し
- 技能実習計画認定申請書(上記④に添付された副本全てを含む)の写し
特定技能
特定技能1号の場合は最長5年まで日本で就労することが可能ですが、在留カードは1年、6ヶ月、4ヶ月の3種類のため、最低4回は更新を行う必要があります(※特定技能2号へ移行した場合は更新回数の上限がなくなります)。技能実習とは異なり、直接、地方出入国在留管理局に対して申請を行います。
表紙 特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧表(第1表)
- 在留期間更新許可申請書(別記第30号の2様式)
- 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
- 申請人のパスポート及び在留カードコピー
- 特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)
- 特定技能雇用契約書の写し(参考様式第1-5号)
- 雇用条件書の写し(参考様式第1-6号)
- 賃金の支払(参考様式第1-6号別紙)
- 通算在留期間に係る誓約書(参考様式第1-24号)
- 住民税の課税証明書及び納税証明書、対応する源泉徴収票
- 所属機関(法人)に関する必要書類【第2表】
- 該当する分野における協議会の構成員であることの証明書 ※現在、すべての特定技能の分野において、外国人材を受け入れる「前」に各分野の協議会へ加入していることが厳格に義務付けられています。
4.試験
技能実習
技能実習は、入国の際に試験はありませんが、技能実習1号から2号へ、技能実習2号から3号へ上がる際には、対応する試験(技能検定など)に合格しなければなりません。そのため、会社規模などによっては、業務時間外などでの試験対策指導が負担となる場合もあります。
特定技能
一方、特定技能はビザを取得する要件として、日本語能力試験と希望する分野の特定技能評価試験に合格する必要がありますが、それらの試験は採用前に外国人がクリアしているため、企業の負担とはなりません。また、特定技能1号のビザ取得後、その期間中(最長5年)の在留更新において新たな試験はありません(※特定技能2号への移行を目指す場合のみ、より高度な試験の合格が必要になります)。
申請に必要な最新の様式一式は、下記の公式サイトよりご確認いただけます。
特定技能:届出・申請書類の様式一覧(入管庁)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/specifiedskilledworker.html (※「在留諸申請」や「届出」の様式がページ中ほどに整理されています)
技能実習:運用要領・各種様式一覧(入管庁・OTIT)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/titp/titp_index.html (※技能実習日誌などの日常様式、実施状況報告書などがまとまっています)
5.まとめ(特定技能採用はkedomo)
特定技能と技能実習の事務処理負担を項目ごとに比較しました。監理団体による定期巡回など事務処理以外で時間をとられる技能実習の方が、負担は大きいと考えられます。また、現在はオンライン申請システムも整備されたため、特定技能の事務負担は以前よりさらに軽減されています。
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【参考ページ】
『「特定技能」受入れ申請に必要な書類まとめ【難易度付き】』
『【特定技能】登録支援機関を利用せず、自社で採用をする方法』







