kedomoが支援しているエンジニアの中途採用で、ときどき出会うのが「企業内転勤」ビザを持って来日している方の転職です。技人国(技術・人文知識・国際業務)の方と違って、入管に変更申請をしないと次の職場で働けないため、内定から入社までのスケジュールが組みづらいことがあります。
企業内転勤ビザは、海外の本社・支社などから、日本の関連事業所に期間を定めて転勤してきた外国人が持つ在留資格です。この資格は所属している会社でしか有効ではないため、転職するときは「技術・人文知識・国際業務(技人国)」などへの変更手続きが必要です。
この記事では、企業内転勤ビザの外国人を中途採用するとき、担当者が知っておきたい注意点をまとめます。
この記事でわかること
- 企業内転勤から技人国への変更にどれくらい時間がかかるか
- 退職と変更申請の進め方
- 2026年4月から変わった提出書類の内容
執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)
目次
1.ビザ変更に時間がかかる
企業内転勤から技人国への在留資格変更は、許可が下りるまで次の会社で働くことができません。内定が出てから退職・入社のスケジュールを決めるときは、変更申請にかかる期間を前もって見込んでおくとよいです。
処理にかかる期間は、申請先の地方出入国在留管理局や申請時期によって大きく変わります。出入国在留管理庁のウェブサイトで、最新の平均処理期間が月次で公表されているので、スケジュールを組む前に確認するとよいです。参考:「在留審査処理期間」(出入国在留管理庁)
申請時期や管轄によっては1か月以上かかることもあります。繁忙期(1〜3月など)はさらに長引くことがあるので、退職時期を考えて早めに動くのが無難です。
2.在籍している会社に退職の合意を得る
転職先から内定を得ても、現職の退職がスムーズに進まないことがあります。これは日本人・外国人を問わず起きることですが、企業内転勤ビザの場合は特に注意が要ります。
本国と日本支社が関係するため、外国人本人が最終的な退職承認をもらえる担当者と話して、退職が認められた書類などがもらえるとよいです。退職日が確定していないと、入管への変更申請時に提出する書類(雇用契約書や労働条件通知書など)が整わず、申請が遅れる原因になります。
また、外国人エンジニアが派遣会社に在籍しているケースでは、派遣先との契約や人員調整で会社側の都合がつかず、希望時期に退職できないことがあります。時間に余裕を持って準備を進めるのがよいです。
3.退職後の仕事探しは3か月が目安
企業内転勤ビザは、元の会社に所属している間だけ有効な資格です。退職したあと、在留資格に応じた活動を継続して3か月以上行わない場合は、在留資格の取消対象になり得ます(正当な理由がある場合を除く)。参考:「在留資格の取消し(入管法第22条の4)」(出入国在留管理庁)
「正当な理由」には、転職活動中で再就職先を探している場合も含まれます。ただし活動の実態が求められるため、退職後に何もしないまま3か月が経つと取消のリスクが高まります。在職中に転職先を見つけて、変更申請を済ませてから退職するのが一番安全です。
kedomoでも企業内転勤ビザの方の転職を支援した事例があります。参考:「ITエンジニアSさんの転職を支援しました!」
4.2026年4月から提出書類が増えた
2026年4月から、企業内転勤の在留資格認定証明書交付申請と在留資格変更許可申請で、カテゴリー3・4の企業が提出する書類の内容が変わりました(2026年4月時点)。採用担当者が受け入れ側として把握しておくべき主な変更点は次の4つです。
- 転勤前に勤務していた事業所の存在を証明する資料(法人登記・納税状況・取引実績など)
- 経歴を証明する文書に、社会保険加入証明や戸口簿などの例示が追加
- 登記事項証明書(商業・法人登記)
- 申請人が活動する事業所の存在を明らかにする資料(不動産登記簿、事務所の写真・平面図等)
全体として、転勤元の事業所が実在していることと、転勤後の事業所で本当に勤務することを、より具体的な資料で確認する方向の見直しです。新たに海外から企業内転勤で呼び寄せるとき(認定申請)だけでなく、すでに企業内転勤ビザで来日している方を別会社に雇い入れるとき(変更申請)にも同じ書類追加が適用されます。中途採用でも影響する変更なので、受け入れ側で必要な書類を早めに準備するのが安心です。
カテゴリー1・2に該当する大企業では影響が小さいですが、カテゴリー3・4の企業では準備する資料が増えるため、早めに社内で体制を整えておくのが安心です。詳しくは公式資料でご確認ください。参考:「在留資格『企業内転勤』」(出入国在留管理庁)、「提出書類の変更について(令和8年4月1日運用開始)(PDF)」(出入国在留管理庁)
5.まとめ
- 企業内転勤から技人国への変更申請は、許可まで1か月以上かかることがある
- 退職前から変更申請の準備を進め、退職日を文書で確定させる
- 退職後3か月以上、在留資格の活動をしないと取消対象になり得る
- 2026年4月からカテゴリー3・4の提出書類が増えたため、前職の事業所証明が重要になった
kedomoでは、企業内転勤で来日している外国人を企業へ紹介することもできます。お気軽にお問い合わせください。
6.Q&A
Q.企業内転勤ビザとは何ですか?
A.海外の本社や関連会社などから、日本の事業所に期間を定めて転勤してきた外国人が持つ在留資格です。所属する会社でのみ有効です。
Q.企業内転勤から技人国への変更は誰でもできますか?
A.転勤後の業務が技人国の基準(学歴または実務経験など)を満たす必要があります。事前に技人国の審査ポイントを確認するか、専門家への相談をおすすめします。
Q.変更申請中は働けますか?
A.許可が下りるまで、次の会社で働くことはできません。退職前から変更申請を進めておくと、空白期間を短くできます。
Q.退職後すぐに新しい仕事が見つからない場合はどうなりますか?
A.在留資格の活動を継続して3か月以上行わないと、取消対象になり得ます。求職活動の記録を残しておくと、正当な理由として考慮される可能性があります。
Q.2026年4月の変更は既に働いている社員にも影響しますか?
A.在留期間更新の場合、カテゴリー1・2・3・4共通の更新書類の大枠は変わっていません。新規の認定申請・変更申請で書類が増えた形です。





