養豚やウナギの養殖、さつまいもや茶など、豊かな自然を活かした農林水産業が発達している鹿児島県。これと連携して食品関連業なども盛んです。そんな鹿児島県でも近年、多数の外国人労働者が活躍しています。
企業が外国人を雇用・離職した際には、ハローワークに対して氏名・在留資格・在留期間の届出が必要となっており、その情報は「外国人雇用状況」として毎年労働局より発表されています。今回はその情報をもとに、鹿児島県の外国人雇用状況のポイントを解説します。
なお、鹿児島県で外国人採用、登録支援機関への依頼をご検討中の企業様は気軽にkedomoにご相談ください。
目次
1.鹿児島県の外国人労働者数と雇用事業所数
鹿児島県は現在全国で第32位、9,900人の外国人労働者数が届け出をしています。雇用事業所数では全国で第27位の2,048事業所です。全国的な流れとして毎年外国人労働者数は伸びており、鹿児島県でも前年同期比11.5%増加しています。事業所数も前年同期比10.0%増となり、過去最高を更新しています。
新型コロナ感染症が拡大していた2020年10月末からの1年間、外国人労働者の増加人数は119人、増加率は1.4%に留まりましたが、感染症が落ち着いた今、大幅な増加となっています。
鹿児島県の外国人労働者:在留資格別
ビザの種類別(在留資格別)で見てみると、「技能実習」が最も多く5,220人(構成比52.7%)、次いで「専門的・技術的分野の在留資格」2,584人(同26.1%)、「身分に基づく在留資格」1,401人(同14.2%)の順となっています。
対前年増加数および増加率は、「専門的・技術的分野の在留資格」は1,200人(86.7%)の増加、「資格外活動(留学を含む)」は100人(25.9%)の増加を示した一方で、「技能実習」は274人(5.0%)の減少となっています。
コラム:『外国人が日本で働くためのビザ(在留資格)とは』も併せてご覧ください。
鹿児島県の外国人労働者:国籍別
鹿児島県内の外国人労働者数を国籍別でみると、ベトナムが最も多く4,601人(構成比46.5%)、次いでフィリピン1,526人(同15.4%)、インドネシア1,250人(同12.6%)、中国857人(同8.7%)の順となっていて、この4カ国で外国人労働者全体の83.2%を占めています。
ベトナムは「技能実習」が3,227人(構成比70.1%)で最も多く、次いで「専門的・技術的分野の在留資格」が1,104人(同24.0%)の順となっています。フィリピンは「身分に基づく在留資格」が709人(同46.5%)、「技能実習」が489人(同32.0%)の順、インドネシアは「技能実習」が906人(同72.5%)、「専門的・技術的分野の在留資格」が267人(同21.4%)の順となっています。
コラム:『日本で働く外国人の出身国別賃金・物価・食文化まとめ』も併せてご覧ください。
2.鹿児島県の業種別外国人労働者数
外国人労働者を雇用する事業所を産業別でみると、「製造業」が最も多く4,027人で、外国人労働者全体の40.7%を占めています。次いで「農業・林業」1,419人(構成比14.3%)、「建設業」932人(同9.4%)、「卸売業、小売業」914人(同9.2%)の順となっています。
鹿児島県は「製造業」に従事する外国人労働者の割合が、全国平均(26.6%)より多いことが分かります。霧島市や薩摩川内市に大企業の工場が多く立地しているためと考えられます。また「製造業」の中でも「食料品製造業」の就労者が最も多く2,828人で、「製造業」全体の70.2%を占めているのも特徴です。
3.鹿児島県内のハローワーク管轄別データ
鹿児島公共職業安定所
鹿児島市、東諸県郡を管轄するハローワークです。2,967名の外国人労働者が従事しており、県内全体の30.0%を占めて最大です。在留資格別では「技能実習」による割合が40.7%と最も高くなっています。産業別では「農業、林業」以外の多くの産業で県下最多の外国人労働者が就労しています。構成比としては「製造業」「卸売業、小売業」「建設業」の割合がやや高いですが、その他の産業もバランスよく従事していることが分かります。
川内公共職業安定所
薩摩川内市を管轄し、621名の外国人労働者が就労しています。薩摩川内市は、九州新幹線開通以後、全国チェーンの出店が相次ぐなど商業活動が活発化しています。産業別にみると「製造業」の割合が71.8%と圧倒的に高くなっています。
鹿屋公共職業安定所
鹿屋市、垂水市、肝属郡を管轄し、1,038名の外国人労働者が就労しています。鹿屋市は大隅半島に位置する行政・経済・産業の中核都市です。黒豚やサツマイモなど農業が盛んで、産業別でみると「農業、林業」に従事するの割合が31.1%と最も高くなっています。
国分公共職業安定所
霧島市、姶良市を管轄し、1,156名の外国人労働者が就業しています。霧島市に自動車メーカーなどが立地するため、在留資格別では「技能実習」が47.8%と最も高くなっていて、また産業別でも「製造業」の割合が45.8%と最も高くなっています。
加世田公共職業安定所
南さつま市、枕崎市、南九州市のうち知覧町及び川辺町を管轄し、882名の外国人労働者が就労しています。在留資格別で「技能実習」が68.8%を占めていて、これは県下最大の割合となっています。産業別では「製造業」の割合が58.6%と多くを占めています。また「建設業」の割合は1.8%で、これは県下でも最も少なくなっています。
伊集院公共職業安定所
日置市、いちき串木野市を管轄しており、457名の外国人労働者数が就労しています。産業別では「製造業」が42.2%を占めて最多となっています。以前は「宿泊業、飲食サービス業」の割合が県下でも高かったのですが、現在は3.5%と低くなっています。
大隅公共職業安定所
曽於市、志布志市、曽於郡を管轄しています。1,158名の外国人労働者数が届出をしていて、これは鹿児島管轄に次いで県下2位の数となっています。 産業別には「農業、林業」の割合が34.5%と高いのが特徴で、「製造業」の49.1%に次ぐ高い割合となっています。
出水公共職業安定所
出水市、阿久根市、出水郡を管轄しており、914名の外国人労働者数が就労しています。産業別では「製造業」の割合が68.6%を占め、これは県内最大です。また在留資格別では「技能実習」の割合が65.5%と高いことから、農業や製造業に従事する技能実習生が多いことが分かります。
名瀬公共職業安定所
奄美市、大島郡のうち瀬戸内町、大和村、宇検村、龍郷町、喜界町、和泊町、知名町、与論町を管轄しており、250名の外国人労働者数が就労しています。豊かな自然環境のなか農業の盛んなエリアであり、産業別に見るとやはり「農業、林業」に従事する割合は30.0%と高くなっています。このほか「医療、福祉」の割合が15.2%と県下で最も高く、逆に「製造業」がわずか1.6%と最も少ないことも特徴です。
指宿公共職業安定所
指宿市、南九州市のうち頴娃町を管轄しており、457名の外国人労働者数が就労しています。産業別では「農業、林業」の割合が43.3%を占め、県内で最も高くなっています。また全国的に知名度の高い温泉地でもあることから、「宿泊業、飲食サービス業」の割合が8.8%でこれも県内最大です。
<参考資料>
鹿児島労働局「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(別添1) (令和4年10月末現在)
鹿児島労働局「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(別添2) (令和4年10月末現在)
4.鹿児島県の外国人採用はkedomo
ここまでご説明したように、鹿児島県でも外国人材は職場の貴重な戦力として欠かせない存在になっています。最近の報道では特定技能2号移行業種が緩和され長く外国人が日本で働けることになると伝えられており、さらにその数は増えると予想されます。
「初めて外国人採用をする」「すでに外国人雇用をしているがさらに優秀な人材を採用したい」とお考えの採用担当者様はぜひkedomoにご相談ください。kedomoは外国人材専門の紹介事業者であり、特定技能外国人の登録支援機関です。国内外の様々なネットワークを使って外国人材を募集できます。日本語チェックや住所探しなど採用前後のサポートもしっかり行っています。詳しくはkedomoの強みをご覧ください。