新型コロナウイルス感染症の現場で身を挺し、闘っておられる医療関係者の方々、そして日々の生活を支えるために勤務を続けておられる皆様方に、敬意を表し御礼を申し上げます。
この記事では、コロナによる外国人在留資格に関する特例をまとめております。出入国在留管理庁では、ビザ延長や各種届出において、様々な猶予や緩和措置が取られています。
目次
1.就労に問題が生じた外国人向け特例
技能実習を除く就労ビザ(在留資格)をお持ちの外国人に適用されます。
①内定取り消しや解雇でも、現在の在留資格のまま在留可能
下記の4つの場合、在留資格を変更する必要はありません。
- 雇用先から解雇又は雇止めの通知を受けた方で就職活動を希望する方
- 雇用先から待機を命じられた方で復職を希望する方
- 雇用先から勤務日数・勤務時間の短縮を命じられた方で、引き続き稼働を希望する方
- その他上記(1)ないし(3)に準ずる方
新たな転職先が見つかった際には、出入国在留管理庁への届出(所属機関等に関する届出手続き)を忘れないようにしましょう。転職時の入管手続きはコラム『転職した外国人に必要な入管手続きと就労ビザ更新で気を付けるポイント』をご覧ください
②生活維持のために週28時間以内の資格外活動許可が認められる
上記(1)から(4)に該当する状況であることを雇用先が証する文書、そして待機期間中又は勤務短縮期間中の場合は雇用先の同意を得ていることで、週28時間以内の資格外活動許可が認められます。資格外活動期間は6ヶ月(先に在留期限が到来する方は、在留期間満了日)です。
③在留期限が切れる場合は、『特定活動(就職活動)』へ移行ができる
現在の在留期限の満了日が到来する際には、上記(1)から(4)の状態であることを証明する雇用先作成の文書を提出することで、特定活動(就職活動)を取得できます。資格外活動の許可も可能です。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う雇用悪化の影響が継続している場合は、特定活動(就職活動)の更新(6か月)を行うことができます。
在留期限が到来する時点で、下記に該当する場合は、現に有する在留資格のまま在留期間の更新が可能です。
- 残りの待機期間が1か月を超えない
- 勤務時間短縮により稼働している方について、勤務時間が待機時間を上回っている なお、原則として在留期間は「1年」が決定されます。
2.帰国が困難な外国人向け特例
①短期滞在を30日から90日に、また特定活動3ヶ月から6ヶ月に延長可能
「帰国便がない」「母国へ上陸ができない」等の理由により、在留期限が到来していまう場合は、短期滞在の場合は90日に、また特定活動6ヶ月(就労可)へ延長・変更することができます。なお、帰国困難の状況が継続している際には、更新を受けることもできます。
②卒業済みの留学生も特定活動6ヶ月に延長可能
令和2年1月1日以降に卒業の留学生は、就労を希望する場合「特定活動(6ヶ月・週28時間以内のアルバイト可)」 へ、就労を希望しない場合「特定活動(6ヶ月。就労不可)」への在留資格変更が許可されます。
3.(海外にいる外国人向け)在留資格認定証明書関係の特例
①在留資格認定証明書の期限を3ヶ月から6ヶ月に延長
日本への入国が可能・不可能を問わず、当面の間、在留資格認定証明書の期限が6ヶ月となります。2020年1月1日から2021年1月30日までに作成された在留資格認定証明書については、2021年7月31日まで有効なものとして取り扱われます。
②活動開始時期の変更希望は受入機関の理由書のみで可能
活動開始時期の変更については、受入機関作成の理由書のみをもって審査されます。
③予定変更などにより、改めて在留資格認定証明書交付申請が行われる際は、申請書と理由書のみで審査可能
5.(海外にいる外国人向け)在留カードの代理受領の特例
再入国許可(みなし再入国許可を含む)により出国中である方が、出国前に在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、永住許可申請を行っている場合、日本にいる親族や受入れ機関の職員等による在留カードの代理受領が認められます。また出国中の方が再入国許可による上陸申請を行うことも可能です。
6.最後に
新型コロナウイルス感染症による外国人在留資格の特例をまとめました。法務省のホームページには新型コロナウイルス感染症に関する情報一覧が掲載されているので、ご参考にしてください。