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自動車整備業で外国人を採用する方法|特定技能・技人国・育成就労の比較

2026/04/15

業種別その他

自動車整備業界では、専門学校への入学者数の減少や有資格者の他業種への流出が続いており、人材不足が長年の課題となっています。「どの在留資格で採用すればいいか」「バイク整備士でも外国人を受け入れられるか」という疑問を持つ採用担当者も多いのではないでしょうか。

この記事では、自動車整備業で使える在留資格(特定技能・技術・人文知識・国際業務・育成就労)について、要件・採用方法・メリットの違いをまとめて解説します。2023年に解禁された特定技能2号や、海外採用時に見落とされがちな運転免許の問題も含めて解説します。

この記事でわかること

  • 自動車整備業で使える在留資格の種類と違い
  • 特定技能1号・2号の要件と採用ルート(バイク整備士向けの情報を含む)
  • 技術・人文知識・国際業務(技人国)で整備士を採用する方法
  • 採用前に確認しておきたい運転免許の問題

執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)

1.自動車整備業で使える在留資格の種類と比較

自動車整備業で外国人を雇用する場合、主に以下の3種類の在留資格が使われます。

在留資格在留期間家族帯同技能水準の目安主な採用ルート
特定技能1号最長5年(通算)不可整備士3級相当評価試験合格・技能実習修了
特定技能2号上限なし(更新制)整備士2級相当評価試験合格+実務3年など
技術・人文知識・国際業務上限なし(更新制)専門学校卒・2級整備士専門学校新卒・人材紹介
育成就労最長3年不可不問(育成が目的)監理支援機関を通じた受入れ

人手不足をすぐ補いたい場合は特定技能1号が最も現実的な選択肢です。整備士を長期的に育てて定着させたいなら、特定技能2号や技人国を視野に入れる必要があります。

2.特定技能(自動車整備分野)

特定技能は、人手不足が深刻な分野で即戦力となる外国人を受け入れるための制度です。2019年4月に開始され、自動車整備分野でも当初から対象となっています。2024年6月末時点で自動車整備分野の特定技能在留外国人は2,858人に達しており、ベトナム籍が約半数、フィリピン籍がそれに続きます。参考:「第1表 主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数」(出入国在留管理庁)

特定技能1号の要件と採用ルート

特定技能1号(自動車整備)を取得するには、技能水準と日本語能力の2つの要件を満たす必要があります。

技能水準は、次のいずれかで証明します。

  • 「自動車整備分野特定技能評価試験」の合格(学科・実技)
  • 「自動車整備士技能検定試験3級」の合格
  • 自動車整備分野の育成就労(旧技能実習)2号の修了(この場合、評価試験が免除されます)

日本語能力は、国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)またはJLPT N4以上への合格で証明します。

参考:「自動車整備分野における特定技能の受入れ」(国土交通省)

特定技能2号:長期雇用を目指すルート

2023年6月から、自動車整備分野でも特定技能2号の取得が認められるようになりました。「自動車整備分野特定技能2号評価試験」(日本自動車整備振興会連合会)は2024年7月から開始されています。

特定技能2号では在留期間の上限がなく(更新を続ける限り長期在留可能)、配偶者や子の帯同も認められます。長期的に定着させたい人材のキャリアパスとして、今後活用が進む見込みです。

取得要件は次の2ルートのいずれかです。

  • 「自動車整備分野特定技能2号評価試験」(学科・実技)の合格 + 認証工場での実務3年以上
  • 「自動車整備士技能検定試験2級」の合格(この場合、実務3年の要件は不要)

2号評価試験は自動車整備士2級と同等水準の内容です。特定技能1号として実務経験を積みながら2号を目指すルートが現実的で、特定技能2号では受入機関による日常的な支援義務がなくなるため、登録支援機関への委託コストが不要になるという企業側のメリットもあります。

受入工場の要件(バイク整備士・二輪整備を含む)

特定技能1号の受入工場は、地方運輸局長から認証を受けた自動車分解整備事業場である必要があります。育成就労(旧技能実習)では「二輪自動車のみを扱う事業場は対象外」とされていましたが、特定技能1号では二輪専門の認証工場も受入対象に含まれます。バイク整備専門の工場でも特定技能を活用できる点は重要なポイントです。

特定技能の支援を登録支援機関に委託する場合、その機関に自動車整備士1級・2級の有資格者か、養成施設で5年以上の指導経験がある人が在籍していることが必要です。委託先を選ぶ際はこの点も確認してください。

採用方法と注意点(運転免許について)

特定技能(自動車整備)を持つ人材を採用する主なルートは次の通りです。

  • 国内在住者(技能実習修了者・在日留学生・他分野からの試験合格者)
  • 海外からの新規入国(評価試験合格者)
  • 人材紹介会社を通じた紹介

国内在住者はすでに日本語や生活環境に慣れているため、入社後のサポートコストを抑えやすい傾向があります。

海外から採用する場合は、入国後すぐに日本の運転免許を持っていないため、車両の移動や納車作業など免許が必要な業務に就かせることができません。採用前に、担当させる業務内容を整理しておく必要があります。

また、国内在住者であっても、特定技能評価試験に合格済みで日本語能力も問題ないにもかかわらず、日本の普通自動車免許をまだ取得していないケースがあります。整備業では車両の移動が伴う業務が多いため、採用面接の段階で免許の取得状況・取得意思を確認し、必要に応じて免許取得のサポートを採用計画に含めておくことをお勧めします。

特定技能の採用にかかる費用については、別のコラムで詳しくまとめています。

3.技術・人文知識・国際業務(技人国)

技術・人文知識・国際業務(技人国)は、専門的な知識や技能を持つ外国人が就労するための在留資格です。在留期間の上限がなく家族の帯同も認められるため、特定技能に比べて長期的な就労を前提にした採用に向いています。

必要資格と採用方法

整備分野での技人国取得には、一般的に次の2つを満たしていることが必要です。

  • 国内の整備専門学校(留学生向け3年コース)の卒業
  • 自動車整備士2級以上の取得

「一般的に」と書いたのは、技人国の学歴・技能要件は明示的な一覧で規定されているわけではなく、出入国在留管理庁が申請内容を個別に審査するためです。専攻内容と担当業務の関連性なども含めて総合的に判断されます。

留学生向けの3年コースを設置している整備専門学校の多くは、一種養成施設として認定されており、卒業後に実技試験なしで2級の学科試験を受験できます。採用を検討する場合、留学生コースを持つ専門学校に直接求人を出す方法と、人材紹介会社を通じて転職希望者を探す方法があります。

メリットと注意点

技人国のメリットは、在留期間の制限がなく配偶者・子を日本に呼べる点です。本人が希望し要件を満たせば、将来的に永住申請もできます。企業にとっては、特定技能1号の5年制限を気にせず長期的な育成計画を立てられます。

一方で、整備士資格と専門学校卒業が必要なため、採用できる人材の母数は限られます。自動車整備士を目指す留学生の数は多くなく、採用難易度は特定技能より高いと考えておく方がよいでしょう。

4.育成就労(旧技能実習に代わる新制度)

技能実習制度は2024年に廃止の法律が成立し、2027年を目標に「育成就労」制度へ移行します。育成就労は特定技能1号水準の人材を育てることを目的とした制度で、修了後は特定技能1号への移行が前提となっています。

2026年4月現在、技能実習制度はまだ運用中で、育成就労への完全移行時期や運用の詳細は確定していない部分もあります。自動車整備分野での受入を検討する場合は、管轄の監理支援機関や運輸局への確認が必要です。参考:「育成就労制度の概要」(出入国在留管理庁)

まとめ

  • 即戦力採用には特定技能1号が現実的。
  • 特定技能2号は2023年に解禁され、在留期間の上限がなく家族帯同も認められる。
  • 特定技能1号はバイク専門の認証工場でも受入可能で、育成就労とは異なる点。
  • 技人国は専門学校卒業と2級整備士資格が必要で、採用母数は少ないが長期雇用に向いている。
  • 海外・国内を問わず、採用前に日本の運転免許の取得状況を必ず確認する。

自動車整備業での外国人採用について個別にご相談されたい企業様は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。特定技能の支援から人材紹介まで対応しています。

Q&A

Q.自動車整備業で外国人を採用できる在留資格は何がありますか?
A.特定技能1号・2号、技術・人文知識・国際業務(技人国)、育成就労の4種類があります。 即戦力を求めるなら特定技能1号、長期定着を重視するなら特定技能2号や技人国が向いています。

Q.バイク整備専門の工場でも特定技能外国人を受け入れられますか?
A.受け入れられます。 特定技能1号では二輪専門の認証工場も対象で、育成就労(旧技能実習)から除外されていた点と異なります。

Q.特定技能2号とはどのような制度ですか?
A.自動車整備分野では2023年6月に解禁された在留資格で、在留期間の上限がなく家族帯同も認められます。 2024年7月から自動車整備分野特定技能2号評価試験が開始されています。

Q.海外から採用した整備士はすぐに車両の移動作業ができますか?
A.できません。日本の運転免許がないため入国直後は車両移動に就かせられず、国内在住の合格者でも未取得のケースがあるため採用前に必ず確認してください。

Q.特定技能(自動車整備)の採用費用はどれくらいですか?
A.人材紹介を利用する場合、定額制を設けている会社では30万円前後が目安です。 国内在住か海外在住か、経験の有無によって変わります。

この記事の監修者

  • 役職:(株)kedomo 代表取締役
    資格等:中小企業診断士、職業紹介責任者、登録支援機関支援責任者、福岡商工会議所登録専門家、福岡商工会連合会登録エキスパート
    経験:外国人求職者の就職支援、企業様の採用支援に日々奔走しています。中小企業診断士としての経営支援経験を活かして、事業の成長につながる外国人採用をお手伝いします。滋賀県出身。

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