「技能実習」と比較して、事務負担が少ないと言われる外国人採用の新制度「特定技能」でも、採用時の申請書類作成のあとに、四半期ごとの報告等が義務付けられています。今回は、特定技能で外国人を採用した後に必要な届出について、書き方のポイントなどを分かりやすく解説します。
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目次
1.必要な提出書類一覧
提出が必要となる書類は大きく3つに分けることができます。リンク先よりダウンロードも可能ですので、ご活用ください。
四半期ごとの報告が義務付けられている書類
四半期つまり3ヶ月ごとに報告が義務付けられている書類は3種類です。「支援実施状況に係わる届出書」は、登録支援機関に支援を全部委託している場合、届出が不要となります。
就労場所、業務内容に変更があるか、届出期間の就労日数などを報告します。
②活動状況に係わる届出書【PDF・word】
別紙:特定技能外国人に対する報酬の支払状況【PDF・word】
報酬支払証明書を添付する場合あり【PDF・word】
税金や社会保険・労働保険などに加入しているか、報酬の支払い状況、新規雇用者数などの雇用状況を記載します。給与が銀行振込以外の場合、報酬支払証明書を添付する必要があります。
③支援実施状況に係る届出書【PDF・word】
別紙:1号特定技能外国人支援対象者名簿【PDF・word】
定期面談報告書(監督者用)【PDF・word】
相談記録書【PDF・word】
支援計画が適切に実施されているかを報告します。同じように支援を受けている特定技能外国人については、別紙に名前を記載することで一つにまとめることが可能です。
定期面談報告は3ヶ月に1度は行うので、届出書に毎回添付することになります。苦情などの相談を受けた場合は、相談記録書を添付してください。
事由発生後、随時報告が義務付けられている書類
変更や不当な行為などの事由が発生した場合に、報告が義務付けられている書類一覧です。
・特定技能雇用契約に係る届出書【PDF・excel】
※別紙【PDF・excel】
・支援計画変更に係る届出書【PDF・excel】
※別紙【PDF・excel】
・支援委託契約に係る届出書【PDF・excel】
※別紙【PDF・excel】
・受入れ困難に係る届出書【PDF・excel】
※別紙【PDF・excel】
・出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為(不正行為)に係る届出書【PDF・excel】
※別紙【PDF・excel】
登録支援機関に義務付けられている書類
参考に登録支援機関に義務付けられている書類一覧も掲載します。支援実施状況に係わる届出書以外は、事由発生後、随時報告が義務付けられている書類です。登録支援機関に依頼していない場合には、下記の書類を準備する必要はありません。
・支援業務の休止又は廃止に係わる届出書【PDF・excel】
・支援実施状況に係る届出書【PDF・word】
別紙:1号特定技能外国人支援対象者名簿【PDF・word】
添付:定期面談報告書(1号特定技能外国人用)【PDF・word】
定期面談報告書(監督者用)【PDF・word】
登録支援機関が支援について全部委託を受けている場合には、登録支援機関側が支援実施状況に係わる届出書を作成し、提出します。
2.各書類の提出方法や書き方
四半期ごとの報告が義務付けられている書類の提出期限
それぞれの四半期ごとに提出期限が下記のように定められています。
提出期限 | |
第1四半期 | 4月15日まで |
第2四半期 | 7月15日まで |
第3四半期 | 10月15日まで |
第4四半期 | (翌年)1月15日まで |
1月1日~3月31日までを第1四半期、4月1日~6月30日を第2四半期、7月1日~9月30日を第3四半期、10月1日~12月31日を第4四半期とします。ただし初回の報告の始期は、特定技能外国人が在留資格の許可を受けた日付です。(日本に上陸していない場合は、上陸した日付から起算します)
各書類の提出先と提出方法(郵送可)
特定技能所属機関の住所(法人の場合は、登記上の本店所在地)を管轄する地方出入国在留管理局へ提出します。地方により担当部門の名称が異なるため、下記の表で確認してください。直接持参するか、郵送での提出も認められています。
どちらの場合も、提出される方の身分証(郵送の場合はコピー)が必要です。郵送する際には、封筒に「特定技能届出書在中」等と記載しましょう。

代理人による届出書提出について
届出書作成者以外の方が提出することも可能です。その際には身分証に加え、提出した方の氏名、連絡先、特定技能所属機関との関係を明らかにする文書又は資料を提出してください。(委任状があれば、委任状を添付してください。届出書を提出する方、連絡先、特定技能所属機関との関係が記載されていれば任意の書式が認められています)
各書類の書き方のポイント
ここでは、四半期ごとの報告が義務付けられている書類のうち①受入れ状況に係わる届出書の記載例をみながら、書き方のポイントを解説します。
①受入れ状況に係わる届出書


・作成責任者の氏名
特定技能所属機関の役職員であって、届出書の作成に際し責任を負う者の氏名を記入します。特定技能所属機関の代表・役員である必要はありません。押印は私印で構いません。
・本届出書作成者の署名
特定技能所属機関の役職員であって、実際に届出書を作成した人が署名します。作成責任者と同一人である必要はありません。 特定技能所属機関が法人の場合、社名及び代表者名を印刷・又はゴム印で押印した上に、代表者印(社判・丸印)を押印することも可能です。
・届出の対象期間
一日でも届出の対象期間に在職した特定技能外国人は、届出を行わなければならないので注意してください。
3.外部への作成依頼
届出書や報告書の外部への依頼ももちろん可能です。依頼先として、登録支援機関や行政書士が考えられます。
登録支援機関
登録支援機関に義務付けられている書類は、登録支援機関側が届出を行いますが、その他の書類の作成についてもサポートを受けることが可能です。詳しいサービス内容は、各登録支援機関によって異なります。
行政書士にスポットで依頼
最終的な作成責任者の欄の署名・押印は、会社側で行う必要がありますが、書類作成自体を行政書士に依頼することもできます。地方出入国管理局への提出も合わせてお願いもできるため、一括して依頼すれば多くの手間を省くことが可能です。
4.まとめ(外国人採用はkedomoへ)
特定技能で外国人を採用した後の届出について、書き方のポイントなどを交え、解説しました。3ヶ月に一度と提出頻度が多いですが、書類は3種類とそこまで多くはないので、技能実習と比較すると事務負担は少ないといえます。
kedomoでは、特定技能「介護」「養殖業」「造船」「製造」「外食」「宿泊」などで紹介実績があり、登録支援機関としてサポートに力を入れています。事務処理支援やアドバイスも行政書士と提携して行っていますので、採用をご検討の際は、ぜひ気軽にご相談ください。
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【参考文献】
『特定技能所属機関からの定期届出に関連してお問合せの多い事項について(Q&A)』
『法務省:特定技能所属機関による支援実施状況に係る届出』
『法務省:特定技能運用要領・各種様式等』
【関連ページ】
『「特定技能」と「技能実習」の会社側の事務処理負担を比較』
『【特定技能】登録支援機関を利用せず、自社で採用をする方法』