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在留資格「特定活動」とは?”本邦大学卒業者”の新設で広がる業務範囲

2026/04/14

業種別その他

外国人材の在留カードに「特定活動」と書かれていて、自社で採用していいのか、どの業務まで任せていいのか判断に迷ったことはないでしょうか。特定活動は他の在留資格と比べて活動内容が幅広く、同じ「特定活動」でも号数や指定書の中身によって就労できる範囲が大きく変わります。

特定活動とは、法務大臣が個々の外国人について個別に活動内容を指定する在留資格で、他の28種類のどれにも当てはまらない活動を柔軟に受け止めるための受け皿として使われています。この記事では、外国人採用を検討する企業の担当者向けに、特定活動の種類、就労の可否、採用時の確認ポイントを解説します。

この記事でわかること:

  • 特定活動の制度上の位置づけと、告示・告示外の違い
  • 採用担当者が知っておきたい代表的な特定活動と就労の可否
  • 告示46号(本邦大学等卒業者)の業務範囲と取得要件
  • 特定活動の外国人を採用するときに企業が確認すべきこと

執筆:株式会社kedomo(登録支援機関・外国人材紹介)

1.特定活動とはどのような在留資格か

特定活動は、日本に29種類ある在留資格のうちの1つで、法務大臣が個別に指定した活動を行う外国人に与えられます。具体的な類型や該当例は、出入国在留管理庁の「在留資格一覧表」で確認できます。

他の28種類は活動内容が法律で具体的に定められているのに対し、特定活動は法務大臣の権限で告示によって新しい類型を追加できます。社会の変化に合わせて柔軟に運用できる点が、他の在留資格と大きく違うところです。例えば、医療滞在ビザ(告示25号)や、2023年4月から運用されている未来創造人材(J-Find)は、社会の動きに合わせて追加された新しい類型です。

2.告示特定活動と告示外特定活動の違い

特定活動は大きく「告示特定活動」と「告示外特定活動」の2つに分けられます。採用判断に直結するので、まず違いを押さえておきます。

告示特定活動

法務大臣があらかじめ告示で類型を定めたものです。社会情勢に合わせて新設・改正・削除が繰り返されており、現時点で50を超える号数があります。

告示特定活動は、海外から呼び寄せる「在留資格認定証明書交付申請」が認められることもあるため、採用候補と関わりが出てくる可能性もあります。

告示外特定活動

告示で定められた類型に当てはまらないものの、法務大臣が個別の事情を考慮して認める活動です。代表的なものは次の3つです。

  • 在留資格の変更や更新が不許可となった人の出国準備活動
  • 留学生が卒業後も継続して行う就職活動
  • 難民認定申請中の外国人の日常生活や就労活動

告示外は海外からの呼び寄せが認められず、日本国内での在留資格変更でのみ取得できます。採用候補となる場合は、卒業後に就職活動を続けている元留学生が多いです。

3.採用担当者が知っておきたい代表的な特定活動

告示特定活動の全てを押さえる必要はありません。ここでは外国人採用の現場で関わることがある類型に絞って紹介します。

告示46号(本邦大学等卒業者)

日本の大学・大学院を卒業した外国人留学生が、日本語能力を活かして幅広い業務に従事するための類型です。技人国よりも業務範囲が広く、留学生採用の選択肢として近年注目されています。要件や認められる業務は次のH2で詳しく解説します。

告示5号(ワーキングホリデー)

日本と協定を結ぶ国・地域の青少年が、文化交流を目的に一定期間日本に滞在する類型です。期間内であれば旅行費用を補う範囲で報酬を得る活動が認められるため、短期のアルバイトができます。

告示25号・26号(医療滞在・同行者)

治療を目的に日本の医療機関に長期滞在する人と、その付添人のための類型です。本人は治療目的で滞在しており、原則として就労はできません。

告示33号(高度専門職外国人の配偶者の就労)

高度専門職の在留資格を持つ外国人の配偶者は、学歴・職歴の要件を満たさなくても、技人国・教育などに該当する活動を行うことが認められます。家族滞在では原則としてフルタイム就労ができませんが、こちらはフルタイムで雇用できます。

未来創造人材(J-Find)

2023年4月から運用されている類型で、海外の優秀な大学等を卒業した人が、日本で就職活動または起業準備活動を行うために最長2年間滞在できます。詳細は「在留手続」(出入国在留管理庁)を参照してください。本格的な就労ビザではありませんが、卒業後すぐに日本での採用に結びつける受け皿として注目されています。

卒業後の継続就職活動(告示外)

日本の大学・専門学校を卒業した留学生が、就職先が決まらないまま卒業した場合に、就職活動を続けるために認められる類型です。通常6か月が付与され、さらに6か月の更新が1度だけ認められます。在学中から接点があった留学生が、卒業後にこの特定活動に切り替えて就職活動を続けていることもあります。

4.告示46号「本邦大学等卒業者」の業務範囲と要件

採用担当者が特定活動の中で最も関わる可能性が高いのが、告示46号「本邦大学等卒業者」です。技人国では難しかった業務を任せられるため、留学生採用の幅を広げる手段として活用されています。

業務範囲が技人国より広い

技術・人文知識・国際業務(技人国)は、大学等で身につけた専門知識や、外国人ならではの感性を活かす業務に活動が限定されています。製造ラインや一般的な接客・販売などの現業を中心とした採用は、原則として認められません。

一方の告示46号は、本人が日本の大学等で身につけた知識・応用能力と高い日本語能力を活かすことを条件として、現業を含む幅広い業務に従事できます。「就労資格に関するQ&A」(出入国在留管理庁)でも、飲食店の店舗管理業務や通訳を兼ねた接客業務(日本人への接客を含む)が認められると示されています。

認められる7つの就労例

留学生の就職支援に係る『特定活動』(本邦大学等卒業者)についてのガイドライン」(独立行政法人日本学生支援機構掲載/法務省)では、次の7パターンが具体例として示されています。いずれも「日本人と同じく単純作業のみに従事すること」は不可とされています。

  1. 飲食店での店舗管理業務や、通訳を兼ねた接客業務
  2. 工場での日本人指示の伝達・指導と、自らもラインに入る業務
  3. 小売店での仕入れ・商品企画と、通訳を兼ねた接客販売
  4. ホテル・旅館での外国語によるホームページ更新などの広報、外国人客への通訳を兼ねたベルスタッフやドアマン
  5. タクシー会社での観光企画・立案と、通訳を兼ねた観光案内(通常のタクシードライバー業務も可)
  6. 介護施設での外国人従業員・技能実習生への指導と、日本語による介護業務
  7. 食品製造会社での日本語によるコミュニケーションを取りながらの商品企画・開発と、製造ライン業務

「単に商品製造ラインで指示された作業のみに従事する」「客室の清掃のみ」のような、日本語能力や大学で身につけた知識を活かさない業務は認められません。

取得するための要件

告示46号を取得するには、次の2つを両方満たす必要があります。

  1. 日本の大学または大学院を卒業・修了していること(短期大学は対象外)
  2. 日本語能力試験N1合格、またはBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有すること

なお、大学・大学院で「日本語」を専攻して卒業した場合は、2の日本語要件を満たすものとして扱われます。この「日本語専攻」の大学は海外でも構いません。母国で日本語を専攻して大学を卒業し、その後日本の大学を卒業した場合は、両方の要件を満たすことになります。

最新の取扱いは「在留資格『特定活動』(本邦大学等卒業者及びその配偶者)」(出入国在留管理庁)で確認してください。

在留期間と家族の帯同

最初に付与される在留期間は1年で、その後は5年・3年・1年・6か月のいずれかで更新されます。配偶者・子の帯同も認められるため、要件を満たし続ければ将来的に永住申請も可能です。

5.特定活動の外国人を採用するときに企業が確認すべきこと

特定活動は号によって就労の可否や業務範囲が大きく異なります。在留カードの「特定活動」という表示だけでは判断できません。採用前に必ず以下を確認します。

在留カードと指定書を必ず両方確認する

特定活動で在留している外国人には、活動内容を記載した「指定書」が交付され、パスポートにホチキスで止められています。在留カードには「特定活動」とだけ書かれていることが多いため、指定書を見ないと号数や活動内容、就労の可否、就労できる範囲がわかりません。

採用面接の際は、在留カードと一緒に指定書も提示してもらい、写しを取らせてもらうと安全です。

就労の可否は号によって分かれる

例えば告示46号、告示33号、ワーキングホリデーなどは就労が認められますが、医療滞在(告示25号)や難民認定申請中の特定活動などは原則として就労が認められません。指定書に書かれた活動内容と、自社で任せたい業務が一致しているかを確認します。

就労資格証明書を活用する

自社で任せたい業務がその外国人の特定活動の指定範囲に含まれているか不安な場合は、本人が地方出入国在留管理局に「就労資格証明書」を申請すれば、事前に確認できます。採用後の業務内容に変更が生じた際にも有効です。

転職時は在留資格変更許可申請が必要になる場合がある

告示46号など所属機関が指定されている類型では、転職する場合に在留資格変更許可申請が必要です。前職と業務内容が大きく変わる場合は変更が認められないこともあるため、内定前に業務内容のすり合わせを行っておくと安心です。

6.まとめ

  1. 特定活動は、他の28種類の在留資格に当てはまらない活動を法務大臣が個別に認める受け皿の在留資格
  2. 告示で類型が定められた告示特定活動と、個別事情で認められる告示外特定活動の2種類がある
  3. 採用現場で関わる代表例は、本邦大学等卒業者、ワーキングホリデー、未来創造人材、卒業後の継続就職活動など
  4. 本邦大学等卒業者は技人国より従事できる業務範囲が広い。要件は日本の大学等の卒業と、日本語能力(N1またはBJT 480点以上)
  5. 採用前は在留カードと指定書を両方確認し、就労範囲を把握。迷ったら就労資格証明書を活用する

7.Q&A

Q.在留資格「特定活動」とは何ですか
A.他の28種類の在留資格に当てはまらない活動を、法務大臣が個別に指定して認める在留資格です。告示で類型化されたものと、個別事情で認められるものの2種類があります。

Q.特定活動の外国人は誰でも自社で雇用できますか
A.いいえ。号によって就労の可否が分かれるので、パスポートにホチキス止めされた「指定書」で活動内容を必ず確認してください。

Q.告示46号「本邦大学等卒業者」と技人国の違いは何ですか
A.技人国では難しい飲食店接客や工場ライン業務などの現業を含めて任せられる点が大きな違いです。詳細は「在留資格『特定活動』(本邦大学等卒業者及びその配偶者)」(出入国在留管理庁)を参照してください。

Q.面接で何を確認すればよいですか
A.在留カードと指定書を両方見せてもらい、指定書の活動内容が自社の業務と一致しているかを確認します。不安な場合は本人に「就労資格証明書」の申請を依頼すると確実です。

Q.特定活動の外国人が転職する場合、何か手続きは必要ですか
A.告示46号のように所属機関が指定されている類型では、転職時に在留資格変更許可申請が必要です。業務内容が大きく変わる場合は不許可になることもあります。

この記事の監修者

  • 役職:(株)kedomo 代表取締役
    資格等:中小企業診断士、職業紹介責任者、登録支援機関支援責任者、福岡商工会議所登録専門家、福岡商工会連合会登録エキスパート
    経験:外国人求職者の就職支援、企業様の採用支援に日々奔走しています。中小企業診断士としての経営支援経験を活かして、事業の成長につながる外国人採用をお手伝いします。滋賀県出身。

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