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出身国(母語)で異なる日本語習得スピードと採用時の日本語能力

2020/01/05

外国人と日本語 採用時の注意点

ヨーロッパや東南アジアの日本語学習者にとって、勉強するまで全く馴染みのなかった漢字の読み書きは容易ではありません。一方で、中国人は日本語が話せなくても、漢字を見て看板やメニュー表の内容が大体理解することができます。

このように、本人の資質だけによらず、出身国(母語)の違いによっても日本語の習得スピードは異なることは想像に難くありません。ここでは留学生から聞いた、出身国によって違う日本語の学習の難しさと、採用基準に日本語能力を設定するときの注意点をお話しします。

1.出身国(母語)で異なる日本語の難しいポイント

来日してしばらく経った留学生や実習生は、勉強や仕事で生の日本語に触れ、数カ月経って会うと見違えるほど日本語が上達しています。もちろん各人の能力に依るところは大きいのですが、出身国でも上達傾向に違いがみられます。

まず、出身国が漢字圏、非漢字圏で読み書きの習熟に大きな差が生まれます。中国、韓国、台湾の方はある程度漢字が理解できるので、読み書きの力がとても早く身につきます。それに対して、ネパール、ベトナムなど非漢字圏の方にとっては、漢字学習が大きな壁になります。

ただし、ネパールの方は読み書きに苦戦されることが多い半面、会話力がとても優れています。その理由は、 ネパール語の文法が日本語と似ており、単語を覚えさえすれば、すぐに話せるからということでした。文法が似ている地域はネパールのほかに、ミャンマーやインドの一部にもあるそうです。

2.外国人採用で注意したい日本語能力基準

企業が採用基準にすることが多い、日本語能力試験(JLPT)N2レベルですが、そのテストでは、漢字1000字が出題範囲であり、「臓」「濯」「隻」など日本人でも難しいと感じる漢字が出題されます。それを非漢字圏の方が、一から学習するのは一筋縄でいきません。

人手不足の業界に属する企業には特にいえることですが、不必要に門戸を狭くして、良い人材を逃さないように、事前に業務に必要な最低限必要な日本語レベルを検討して、採用後の継続学習で日本語力を伸ばす方法をとることも選択肢の一つです。

また、外国にいる人材を採用する際には、日本における就業歴や日本への留学経験の有無にご注意ください。仮に同じN2取得者でも日本で生の日本語に触れているかどうかでは、「話す・聴く」の能力がかなり違ってきます。TOEICは高得点だけど英会話は苦手という日本人と同じです。ただし、N2やN3を海外で取得している外国人は、基礎ができているので日本に来てからの上達が早い傾向があります。

参考:初めての外国人採用「外国人材の日本語力

下の画像の漢字は日本語能力試験N2レベルで出題される一部です。参考にご覧ください

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