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ビザ(在留資格)

外国人社員が永住権を取得するには

外国人社員を雇用している企業にとって、従事させる業務に制限がなくなる永住権は非常に魅力的です。しかしながら、永住許可申請は他の在留資格とは異なり、求められる要件が多く、審査自体も厳しいのが現状です。
この記事では、永住権の具体的な要件から、永住権に関するよくある質問まで、基本的なポイントをわかりやすく説明します。

1.永住権とは

永住権とは、在留期間や在留資格の制限なく、永住できる権利を言います。入管にとって永住権以上の在留資格はないことから、最終審査として慎重に審査されます。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」との違い

外国人社員の多くが取得している「技術・人文知識・国際業務」と比較して、永住権は何が異なるのでしょうか?
大きな違いとして下記の表にように、3つ違いがあります。

  永住権 技術・人文知識・国際業務
在留期限

期限なし
(在留カードの7年毎の更新は必要)

3ヶ月、1年、3年、5年
従事できる業務

制限なし

該当する業務のみ

配偶者の在留資格

永住権取得の可能性あり

家族滞在

特に従事できる業務内容に制限がないことが永住権の大きな特徴です。「技術・人文知識・国際業務」のビザでは業務内容がかなり制限されているため、他の部署に異動などの人事を下すことが難しいですが、永住権をとることで日本人社員と同じように働くことができます。

2.永住権のメリット

前段で説明した在留期限、従事できる業務内容、配偶者の在留資格の違いも、永住権取得のメリットですが、他にも永住権のメリットは存在します。 社会的な信用がより高くなるということです。

フラット35などの住宅ローンや銀行ローンの一部は、永住権が申し込みの条件となっています。20年、30年と長期的に日本で生活を考えている場合、資産形成などの観点で永住権のメリットは大きいと言えます。

3.永住権を取得するための要件

具体的に永住権を取得するためには、どのような要件が必要なのでしょうか。法務省より、永住許可に関するガイドラインが発表されており、そこには3つの要件が記載されています。

① 素行が善良であること

< ガイドライン原文>
『法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること』

法律に違反していないことが必要です。しかし、罰金刑以下の場合は終了後5年の経過、懲役などでは出所後10年の経過で、この要件を満たすことができます。また、申請人本人だけでなく、家族滞在ビザの家族の素行についても審査されます。オーバーワーク(資格外活動で許可された週28時間の制限を超えて働くこと)などには注意しましょう。

② 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

< ガイドライン原文>
『日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること』

生活保護の受給をしておらず、将来にわたり自活していけるか判断されます。この独立生計要件については、申請人本人では要件に適合しない場合でも、世帯単位で安定した生活が可能な場合は適合すると認められます。

③ その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

< ガイドライン原文>
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。

イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。

ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

上記のア~エ全てを満たしている必要があります。アに関しては、特例が認められており、永住者の配偶者や子供には条件が緩和されます。同様に、高度人材外国人においてはポイントによりますが、最短で居住歴1年で要件を満たすことができます。

2018年12月、特定技能創設等の入管法改正に伴う付帯決議において、永住許可申請の厳格化が決定されました。それに合わせる形で2019年には永住許可に関するガイドラインも改正されています。要件を満たすことはもちろん、日本国の利益になると認められるよう、資料等により示すことが大切です。

4.永住権申請の手続きについて

永住権申請の手続きを、永住許可申請といいます。永住許可申請には、多くの準備が必要とです。申請におけるポイントを説明します。

申請先

申請先は、住居地を管轄する出入国在留管理官署において行われます。出張所の場合は、申請を受け付けていない場所もありますのであらかじめ確認してください。

申請者

申請人本人の他に、法定代理人や申請取次行政書士や弁護士が申請できます。 所属している機関の職員も申請できますが、入管協会での研修を受講し、入管で申請等取次者証明書の交付を受ける必要があります。

審査期間

公表されている標準処理期間は4ヶ月です。実際は6ヶ月以上待つケースも多くなっています。在留期限に余裕がある状態で申請するようにしましょう。

費用

申請の際にはかかりませんが、取得の際には8000円分の収入印紙が必要です。

身元保証書

永住許可申請には身元保証書を提出しなければならず、そのために日本人か永住者の身元保証人を探す必要があります。道義的な意味合いが強く、法律的な責務が生まれるわけではありません。会社の上司などが保証人になる場合が多いようです。

永住許可申請に必要な書類は、現在保有している在留資格により異なります。詳細については法務省「 永住許可申請 」を参照してください。

5.永住権に関するよくある質問

最後に永住権についてのよくある質問について、お答えします。

Q:技能実習生や特定技能1号も対象となりますか?

技能実習や特定技能1号の在留期間は、永住許可申請における居住要件に含まれません。そのため技能実習生、特定技能1号は対象外となります。ただし、特定技能2号は永住権の対象となります。

Q:家族(配偶者・子供)はどうなりますか?

永住許可申請を行う外国人社員の配偶者、その子供は、永住許可申請の対象となります。その際には3つの条件を満たす必要があります。①婚姻後3年以上が経過していること、②日本における居住歴が1年以上経過していること、③現在所持している在留資格の期間が3年以上あることです。子供の場合は①の条件が除外されます。

永住許可の条件を満たさない場合は、在留資格「永住者の配偶者等」をチェックしましょう。子供の場合はそれに加えて、在留資格「定住者」が該当するかもしれません。 「永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」を持った配偶者や子供は、就労において制限がないので、アルバイトやフルタイムで自由に働くことができます。

Q:会社がすべきことはありますか?

永住許可申請には、会社が発行する書類が必要となります。在職証明書などの必要書類は会社が準備しなければなりませんが、その他にも審査に影響する書類として、会社による推薦状があります。 本人のこれまでの勤務状況などがよく、今後の会社の発展に寄与すると考えられる場合、積極的にサポートしてみてはいかがでしょうか。

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