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外国人の看護師、准看護師、看護助手(看護補助者)を採用する方法

2026/03/19

業種別その他

外国人を採用するときは、最初に「どの職種で採用するのか」を決めます。看護師と准看護師は日本の免許が必要です。看護助手は、職種名だけで採用の可否が決まるわけではなく、任せる業務と本人の在留資格を確認したうえで判断します。

医療・介護分野でも外国人材の受入れは年々増加しており、関心を持つ施設も増えています。ただし、職種によって必要な資格や使える在留資格が異なるため、採用前に制度の仕組みを整理しておくことが重要です。この記事では、看護師・准看護師・看護助手の順に、採用前に確認したい条件を職種ごとに説明します。

参考:「在留資格『医療』」(出入国在留管理庁)/「特定技能1号の各分野の仕事内容」(出入国在留管理庁)

1.外国人が看護師になる方法と在留資格(ビザ)

外国人を看護師として採用するには、日本の看護師免許が必要です。免許を取得するルートは大きく3つあります。

採用前に確認したいのは、日本の看護師免許をすでに持っているか、いつ取得する予定か、どの在留資格で就労するのかの3点です。この3点が固まらないと、入職時期や担当業務の設定が難しくなります。

①日本の看護師養成所を卒業し、国家試験に合格する

日本の厚生労働大臣指定の看護師学校養成所を卒業し、看護師国家試験に合格する方法です。入学には高校卒業が必要で、授業はすべて日本語で行われます。留学生向けの特別プログラムはなく、日本人学生と同じ環境で学ぶことになります。

採用担当者が確認したいのは、国家試験の合格だけではありません。看護師として業務に就くには、合格後に免許申請と登録を済ませる必要があります。合格発表直後は就労できない点に注意してください。

参考:「看護師国家試験の施行」(厚生労働省)

②外国の看護師免許を持つ人が、受験資格認定を受けて国家試験に合格する

海外で看護師資格を持っていても、そのまま日本で看護師として働けるわけではありません。日本の看護師国家試験を受けるには、厚生労働大臣の受験資格認定が必要です。

認定基準は以下の(1)〜(7)の全項目を満たす必要があります。なお、2024年(令和6年)よりカリキュラム改正に合わせて基準が変更されています。

(1)外国看護師学校養成所の修業年限

ア)入学資格
高等学校卒業以上(修業年限 12 年以上)、または同等と認められる者
イ)修業年限
3年以上または同等と認められる者
ウ)卒業までの修業年限
15 年以上、または同等と認められる者

(2)教育科目の履修時間

102単位以上。保健師助産師看護師学校養成所指定規則等に規定する基礎分野・専門基礎分野・専門分野の単位数をおおむね満たすこと

(3)教育環境

日本の看護師学校養成所と同等以上と認められること

(4)当該国・州政府による認定

正式に認められた外国看護師学校養成所であること

(5)外国看護師免許の取得

原則として取得していること

(6)当該国の国家試験制度

国家試験またはこれと同等の制度が確立されていること

(7)日本語能力

日本の中学校・高等学校を卒業していない者は、日本語能力試験N1の認定が必要

申請には、外国で取得した看護師免許・卒業証明書・成績証明書・履修内容がわかる書類などが必要です。採用前には、受験資格認定を受けているか、国家試験に合格しているかを順に確認してください。

参考:「外国で看護師等免許を取得している方の受験資格認定について」(厚生労働省)

③EPA外国人看護師候補者として来日し、最長3年間で国家試験に合格する

EPAに基づく外国人看護師候補者の受入れは、国どうしの協定に基づく公的な仕組みです。対象国はインドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国で、②のような受験資格認定なしに国家試験を受験できます。

候補者は来日前後に日本語研修を受け、受入れ施設で就労しながら国家試験合格を目指します。在留期間は原則3年、受験回数は計3回です。一定の条件を満たした不合格者が特例候補者として1年間の延長を認められる仕組みもあります。

来日前に本国で看護師資格を持っていることが前提です。

参考:「2026年度版 EPAに基づく看護師候補者受入れの手引き」(国際厚生事業団)

看護師の在留資格(ビザ)について

看護師として就労するときの基本は、在留資格「医療」です。日本の看護師免許を持っていることを示す書類が申請に必要です。

EPA候補者は、候補者の段階では在留資格「特定活動」で在留します。国家試験合格後は「医療」または「特定活動(EPA看護師)」を選択できます。

「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」は就労制限のない在留資格です。採用時には免許の確認だけで終わらせず、在留カードの資格欄まで必ず確認してください。

参考:「在留資格『医療』」(出入国在留管理庁)

2.外国人が准看護師になる方法と在留資格

准看護師は看護師と異なり、都道府県知事が与える資格です。試験は各都道府県で年1回実施されます。採用時には免許の有無だけでなく、在留資格の条件まで確認する必要があります。

参考:「令和6年度准看護師試験の実施状況」(厚生労働省)

①日本の准看護師養成所または看護師養成所を卒業し、准看護師試験に合格する

准看護師養成所は中学校卒業が入学要件で、修業年限は2年間です。看護師養成所と比べて日本語能力試験N1の合格は求められず、費用の負担も軽くなります。

2024年度の准看護師試験では、外国の看護師学校養成所卒業者や外国の免許取得者を含む「受験資格認定者」の受験者数は263人、合格者数は206人でした。採用前には試験合格の有無に加えて、免許交付の状況も確認してください。

②外国の看護師免許を持つ人が、受験資格認定を受けて准看護師試験に合格する

海外の看護師学校養成所を卒業し、現地で看護師免許を持つ人は、受験資格認定を受けたうえで准看護師試験を受験できます。認定は国または都道府県単位で受けられますが、いずれも日本語能力試験N1の合格が条件です。必要書類や申請先は個別の事情によって異なるため、受験予定の都道府県に早めに確認してください。

参考:「受験資格認定FAQ」(厚生労働省)

③EPA外国人看護師候補者として来日し、准看護師試験に合格する

看護師試験に合格できなかったEPA候補者は、准看護師試験を受験することができます。ただし、准看護師として業務に従事する場合でも、看護師資格の取得を目的とした研修という位置付けが前提です。

参考:厚生労働省通知(EPAに基づく准看護師試験の取扱いについて)

准看護師の在留資格(ビザ)について

准看護師として就労する場合も、在留資格「医療」が基本です。ただし、日本で准看護師免許を受けた後4年以内の期間中に、研修として業務に従事するという条件があります。

准看護師での採用を検討する際は、雇用期間の見通しをあらかじめ確認してください。「永住者」など身分に基づく在留資格を持つ人には、この4年の制限はありません。

参考:「在留資格『医療』」(出入国在留管理庁)

3.外国人が看護助手(看護補助者)になる方法と在留資格

看護助手には国家資格がないため、採用の可否は「看護助手」という職種名ではなく、任せる業務の内容と本人の在留資格で判断します。

参考:「特定技能1号の各分野の仕事内容」(出入国在留管理庁)

①身分に基づく在留資格(永住者・定住者等)を保有し、看護助手として就労する

「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」は就労制限がありません。日本人と同じように看護助手として採用できます。

②留学生等が資格外活動許可を取得し、週28時間以内で就労する

資格外活動許可を持つ留学生は、原則として週28時間以内で働くことができます。長期休業期間中は1日8時間以内です。あくまでアルバイトを前提とした働き方のため、常勤配置には使えません。採用する場合は勤務時間の管理が必要です。

参考:「資格外活動許可について」(出入国在留管理庁)

③技能実習「介護」として病院で実習を行う

技能実習「介護」は病院でも実施できます。ただし、通常の採用とは異なり、実習計画の認定・監理団体との連携・確認書類の準備が必要です。病院の場合は保健医療機関指定通知書ではなく、病院の開設許可書の写しが確認書類として必要になります。なお、技能実習は2027年より育成就労に移行予定

参考:「よくある質問(介護職種関係)」(外国人技能実習機構)

④特定技能「介護」で看護助手として就労する

特定技能「介護」で採用できるかどうかは、実際の業務内容で判断します。介護分野の業務に当たる内容であれば、病院でも受入れの対象です。

特定技能「介護」で従事できる主な業務範囲

区分内容
主たる業務(身体介護等)利用者の心身の状況に応じた入浴・食事・排せつの介助等
関連業務(付随的に可)お知らせ等の掲示物の管理、物品の補充等

2025年4月改正後の運用要領では、医療機関で看護師や准看護師の指導のもとに療養生活上の世話等を行う診療報酬上の看護補助者も、就業場所の例として示されています。ただし、掲示物管理や物品補充などを中心にする働き方ではこの制度の対象外となります。病院での受入れを検討する場合は、中心になる業務が身体介護等に当たるかを事前に確認してください。

受入れ人数の上限

介護分野では、1号特定技能外国人の人数は事業所単位で、日本人等の常勤介護職員数が上限となります。

参考:「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領」(出入国在留管理庁)

4.EPA看護師候補者について

EPA看護師候補者の受入れは、一般の人材紹介とは別の公的な枠組みです。国際厚生事業団が日本側の唯一の受入れ調整機関として機能しています。

参考:「EPA看護師・介護福祉士候補者受入れとは」(国際厚生事業団)

看護師取得までのスケジュール

国によって研修期間と日本語要件が異なります。

【インドネシア・フィリピン】

  1. 国ごとの候補者要件をクリア(本国での看護師資格が必要)
  2. 送り出し国で日本語研修(6か月)※訪日前にN4またはN3取得者は免除予定
  3. 日本語能力試験N4程度以上を取得
  4. 来日後、国内研修機関で日本語研修(6か月)
  5. 受入れ施設(病院)での就労・研修(最長3年)

【ベトナム】

  1. 候補者要件をクリア
  2. 送り出し国で日本語研修(12か月)※N3既取得者で短期希望者は約3か月
  3. 日本語能力試験N3以上を取得
  4. 来日後、国内研修機関で日本語研修(約2か月)
  5. 受入れ施設(病院・介護施設)での就労・研修(最長3年)

EPA看護師候補者の受入れにかかる費用

EPAの受入れでは、国際厚生事業団・送り出し国・訪日後日本語研修機関の3か所への支払いが発生します。

国際厚生事業団への支払い(2026年度版)

費目金額
求人申込手数料3万円
あっせん手数料13万1,400円
滞在管理費(1人・1年)2万円
看護導入研修経費(ベトナムのみ)10万円

訪日後日本語研修機関への支払い

国籍費用
インドネシア・フィリピン約36万円/1名
ベトナム約26万円/1名

送り出し国への支払い

国ごとに異なります。ベトナムの場合は450米ドル相当額に加え、健康診断費用が必要です。費用の確認と同時に、受入れ後の院内体制も整えてください。候補者は就労しながら国家試験合格を目指すため、学習支援を誰が担当するか、書類・報告対応を誰が行うかをあらかじめ決めておく必要があります。
EPAに基づく外国人看護師候補者受入れ機関・施設の要件」(国際厚生事業団)

5.よくある質問(FAQ)

Q. 外国人を看護師として採用するには、何を最初に確認すればよいですか?

A. 日本の看護師免許を持っているか、または取得予定かを確認します。国家試験に合格していても、免許申請と登録が終わっていなければ看護師として業務に就けません。在留資格の確認も同時に行ってください。


Q. 准看護師は看護師と同じように採用できますか?

A. 同じではありません。在留資格「医療」で准看護師として働く場合は、免許取得後4年以内という就労期間の制限があります。「永住者」など身分に基づく在留資格を持つ人にはこの制限はありません。


Q. 看護助手はどの外国人でも採用できますか?

A. いいえ。職種名だけでは判断できません。身分に基づく在留資格なのか、資格外活動許可があるのか、技能実習「介護」や特定技能「介護」に該当するのかを、業務内容とあわせて確認する必要があります。


Q. 特定技能「介護」で病院の看護助手業務はできますか?

A. できます。ただし、身体介護等(食事・入浴・排せつの介助等)が中心であることが前提です。掲示物の管理や物品補充などを主な業務にする形では、この制度の対象外となります。


Q. EPA候補者と一般の人材紹介は何が違いますか?

A. EPAは政府間協定に基づく公的な仕組みで、国際厚生事業団が唯一の受入れ調整機関です。マッチングから書類手続きまで国際厚生事業団が窓口になるため、海外の悪質なブローカーを介さずに進められます。手続き・費用体系・支援内容はすべて民間の人材紹介とは異なります。


Q. 採用前に施設側で先に決めておくことは何ですか?

A. 担当業務・必要資格・在留資格の確認方法・入職時期・院内の担当分けです。特に、誰が書類確認を行うか、誰が日本語学習や生活面の支援に関わるかを決めておくと、採用後の対応がぶれにくくなります。

6.まとめ(外国人採用を検討中の施設様へ)

外国人採用では、職種ごとに確認すべき内容が異なります。

  • 看護師:日本の看護師免許の有無と在留資格を確認
  • 准看護師:免許の有無に加え、在留資格「医療」の4年以内という就労条件を確認
  • 看護助手:業務内容と在留資格の組み合わせを確認(職種名だけでは判断できない)

kedomoは外国人材に特化した人材紹介会社・特定技能登録支援機関です。外国人採用をご検討の際はお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

  • 役職:(株)kedomo 代表取締役
    資格等:中小企業診断士、職業紹介責任者、登録支援機関支援責任者、福岡商工会議所登録専門家、福岡商工会連合会登録エキスパート
    経験:外国人求職者の就職支援、企業様の採用支援に日々奔走しています。中小企業診断士としての経営支援経験を活かして、事業の成長につながる外国人採用をお手伝いします。滋賀県出身。

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