福岡県には、九州大学をはじめとした国際的な大学や日本語学校などの教育機関が数多くあり留学生が多い地域です。また郊外には、大手自動車メーカーの工場が立地していることもあり、そこで働く技能実習生やエンジニアなど、多く外国人の方々が生活されています。
企業が外国人を雇用・離職した際には、ハローワークに対して氏名・在留期間の届出が必要になっており、そのデータをまとめた「外国人雇用状況」が毎年労働局から発表されています。今回はそのデータをもとに福岡県内の外国人雇用状況をポイントを解説します。
なお、福岡県で高度人材・特定技能採用、登録支援機関の依頼を検討中の企業様は下記よりご相談ください。
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目次
1.福岡県の外国人材数と雇用事業所数
福岡県は現在全国で第8位、46,273人の外国人材を抱えています。雇用事業所数では全国で第7位の7625事業所です。全国的な流れですが、毎年の外国人材数は伸びており、福岡県では平均して20%超の増加をしています。
福岡県の外国人労働者:在留資格別
ビザの種類別(在留資格別)で見てみましょう。全国平均と比較して違いが出るのが、資格外活動*を取得した留学生の数です。全国で東京(142,078人)、大阪(26,015人) に次ぐ第3位(18,841人)となっています。九州の文化的・経済的な中心地であるため、大学や専門学校などの教育機関の数が多いのが理由です。
*資格外活動・・・留学生は原則として労働が認められていませんが、入管で許可をとることで1週間で最大28時間のアルバイトをすることが認められます。この許可のことを資格外活動と言います。
コラム『外国人が日本で働くためのビザ(在留資格)とは』も併せてご覧ください。
福岡県の外国人労働者:国籍別
福岡県内の外国人材数を国籍別でみると、1位はベトナム人(13,894人)、2位は中国人(11,598人)、3位はネパール人(7286人)、4位はフィリピン人(3640人)の順位となっています。ベトナム人は『技能実習』の割合が多く、ネパール人は留学生の割合が多くなっています。福岡県は、昔からベトナムとの経済的な交流が盛んであり、2008年2月には福岡県とベトナムの首都ハノイ市が友好提携(姉妹都市)を結んでいます。
コラム:『日本で働く外国人の出身国別賃金・物価・食文化まとめ』も併せてご覧ください。
2.福岡県の業種別外国人材数
外国人材を雇用する事業所を産業別でみると、「卸売業、小売業」が一番多く、「宿泊業、飲食サービス業」「製造業」の順番となっています。
一方、外国人材数では「製造業」、「卸売業、小売業」、「サービス業(他に分類されないもの)」の順番です。
これは「卸売業、小売業」の事業者は小規模であり、一事業者当たりの雇用する外国人材が少ない一方、「製造業」は大規模であり、雇用する外国人材の数も多くなる傾向*があるからです。
全国平均と比べてみても、福岡県は「卸売業、小売業」「宿泊業、飲食サービス業」などの第三次産業の割合が多い結果となっています。商業の中心地としての性格を考えてみれば納得です。
*「製造業」に従事する多くの外国人材は、技能実習のビザで来日しています。技能実習制度は、他の在留資格より比較的多くの外国人を雇用することが出来ます。
3.福岡県内のハローワーク管轄別データ
福岡中央公共職業安定所
福岡市の中央区、博多区、城南区、早良区、南区の一部、糟屋郡の一部を管轄するハローワークです。16,811名の外国人材が届出をしており、県内全体の36.3%を占め、最大規模を誇ります。
留学生の割合が他のハローワークと比較して突出して高く、約半数を占めます。また産業別でみると、「製造業」の割合が低く、「卸売業、小売業」「宿泊業、飲食サービス業」で採用される割合が高くなっています。
飯塚公共職業安定所
飯塚市、嘉麻市、嘉穂郡を管轄し、748名の外国人材がいます。産業別で比較すると「建設業」「製造業」で人材が採用される割合が約8割を占めています。
大牟田公共職業安定所
大牟田市、柳川市、みやま市を管轄し、643名の外国人材がいます。産業別で見ると「製造業」で人材が採用される割合が過半数を占めています。
八幡公共職業安定所
北九州市八幡東区、八幡西区、中間市、遠賀郡を管轄し、2248名の外国人材がいます。産業別で比較すると「製造業」が3割を占めているものの、他の産業とも均等に働いていることが分かります。
久留米公共職業安定所
久留米公共職業安定所(大川出張所を含む)は久留米市、小郡市、うきは市、三井郡、大川市、三瀦郡を管轄しています。3908名の外国人材がおり、県内で最も多い数である2093名の技能実習生を受け入れています。また産業別では県内で2番目に「製造業」に従事する外国人材が多くなっています。
小倉公共職業安定所
小倉北区、小倉南区、門司区を管轄し、3840名の外国人材がいます。(門司出張所を含む)北九州市の中心として、他と比較して「卸売業、小売業」「宿泊業、飲食サービス業」で人材が採用される割合が若干高くなっています。
直方公共職業安定所
直方市、宮若市、鞍手郡を管轄する直方公共職業安定所は、760名の外国人材がいます。「製造業」の割合が県内で最も高く、また技能実習生の割合も65.7%と県内平均よりも高い結果となっています。
田川公共職業安定所
田川市は炭坑節発祥の地としても知られ、筑豊最大の炭都であった歴史を活かしたまちづくりが行われています。田川市、田川郡を管轄する田川公共職業安定所は、443名の外国人材がいます。「製造業」に次いで「卸売業、小売業」で働く割合が約6割を占めています。
行橋公共職業安定所
行橋市、京都郡、築上郡(築上町)を管轄し、1359名の外国人材がいます。「製造業」で働く人の割合が全体の7割を占めています。
福岡東公共職業安定所
福岡市東区、宗像市、古賀市、福津市、糟屋郡(篠栗町、新宮町、久山町、粕屋町)を管轄する福岡東公共職業安定所は、9446名の外国人材がおり、福岡中央管轄に次いで2番目に多い人数です。福岡中央管轄とは違い「製造業」で働く割合が一番高くなっています。
八女公共職業安定所
八女市、筑後市、八女郡を管轄し、1013名の外国人材がいます。「製造業」で働く人が大部分を占めています。
朝倉公共職業安定所
朝倉市、朝倉郡を管轄し、575名の外国人材がいます。約7割の方が「製造業」に従事しています。
福岡南公共職業安定所
福岡市南区(那の川1~2丁目を除く)、筑紫野市、春日市、大野城市、太宰府市、那珂川市を管轄し、2553名の外国人材がいます。「卸売業、小売業」で働く方の割合が一番多いですが、どの産業も均等な割合で就業しています。
福岡西公共職業安定所
福岡市西区、糸島市を管轄し、1926名の外国人材がいます。特徴的なのは、「教育、学習支援業」での労働者数が県内で2番目に多く、約半数以上の人が就業している割合は安定所別で一番高いです。
<参考ページ>
福岡労働局における外国人雇用状況の届出状況(平成30年10月末現在)
4.福岡県での外国人採用はkedomoへ
福岡県でも職場の活性化や人手不足の解消を目的に、外国人を採用されている企業は増加しています。そのため、福岡県や市町村などの行政も外国語が通じる窓口を設けて、生活サポートに対応しています。詳しくはこちらのコラム『福岡県内の外国人への支援窓口(行政・団体)まとめ』をご覧ください。
実際に福岡県の企業様にご紹介した例(『エンジニアのダイさんが来日(機械加工・福岡県)』)もあります。
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<その他の関連リンク>
『初めての外国人採用』
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