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日本で働く外国人の出身国別賃金・物価・食文化まとめ

2026/04/13

職場環境

kedomoが特定技能の採用支援を行う中で、企業の担当者から「この国の人はどんな食事をするのか」「宗教的に気をつけることはあるか」といった質問をよく受けます。外国人材の出身国によって文化や生活習慣は大きく異なり、受け入れ前に知っておくと入社後のコミュニケーションがスムーズになります。

この記事では、日本で働く外国人労働者の国籍別データ(2025年10月末時点)をもとに、増加率が高い5カ国(ベトナム・インドネシア・ネパール・ミャンマー・スリランカ)の賃金水準・物価・食文化・宗教・言語の特徴をまとめます。

この記事でわかること

  • 2025年10月末時点の国籍別労働者数と増加率
  • 各国の平均年収・物価と日本との差
  • 採用時に知っておきたい食文化・宗教・言語の特徴

国籍別・増加率別の労働者データ

厚生労働省が公表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」によると、日本で働く外国人労働者数は2,571,037人となり、届出が義務化された2007年以降で13年連続の過去最多を更新しました。前年比で約27万人増(+11.7%)と、増加傾向が続いています。

国籍別の人数(上位5カ国)

順位国籍人数構成比
1ベトナム605,906人23.6%
2中国431,949人16.8%
3フィリピン260,869人10.1%
4ネパール235,874人9.2%
5インドネシア228,118人8.9%

ベトナムが7年連続で最多となっています。ただし構成比は23.6%と低下傾向にあり、ベトナム一極集中から多国籍化が進んでいます。ネパールが4位、インドネシアが5位と、両国の存在感が増しています。

増加率の高い国

順位国籍人数増加率
1ミャンマー163,311人+42.5%
2インドネシア228,118人+34.6%
3スリランカ50,427人+28.9%
4ネパール235,874人+25.7%
5ベトナム605,906人+6.1%

ミャンマーは2年連続で増加率トップとなっています。政情不安を背景に来日希望者が増えており、2023年10月末時点の約7万人から約2.3倍に急増しました。インドネシアも約1.9倍に増えており、インドネシア政府が日本への労働者送り出しを積極的に推進していることが背景にあります。

一方、ベトナムは増加率が6.1%にとどまりました。ベトナム国内の経済成長や円安の影響で、日本で働く魅力が相対的に低下していると考えられます。

在留資格別の傾向

在留資格別で見ると「専門的・技術的分野の在留資格」が865,588人(前年比+20.4%)で最多となりました。この区分には特定技能や技術・人文知識・国際業務(技人国)が含まれます。技能実習は499,394人(+6.1%)で、伸び率は専門的・技術的分野に比べて低くなっています。

特定技能制度の拡大や、技能実習から特定技能への移行が進んでいることが背景にあります。

ベトナム

ベトナムは日本で働く外国人労働者の中で最も多い約61万人を占めます。かつては技能実習が中心でしたが、近年は技術・人文知識・国際業務(技人国)で来日する人材も増えています。

経済と賃金

ベトナムの1人当たりGDPは約4,700米ドル(2024年)で、日本の約10分の1程度です。ただし、職種や業界によって給与水準には大きな幅があります。

2025年時点の新卒給与水準(目安)は以下の通りです。

  • IT・ソフトウェア:約7.5万〜12.5万円(日本語N2以上は約11万〜16万円)
  • 製造・エンジニアリング:約5.6万〜8.8万円
  • 営業・マーケティング:約5万〜7.5万円
  • 人事・総務などバックオフィス:約4.4万〜6.3万円

日系や韓国系などの外資系企業は、ベトナム国内企業よりやや高めの水準を提示する傾向があります。IT人材や日本語・英語ができる人材は特に待遇がよく、優秀層ほど民間企業や海外就職を志向しています。

2024年のベトナムのGDP成長率は7%を超え、経済成長に伴い賃金も上昇傾向にあります。円安の影響もあって日本で働く魅力が相対的に低下しており、韓国や台湾など他国での就労を選ぶベトナム人も増えています。日本企業が優秀な人材を確保するには、待遇や職場環境の改善がこれまで以上に求められます。

ベトナム人材の採用動向については「ベトナム人材の就職活動と採用の現状」で詳しく解説しています。

食文化

ベトナム料理の代表格はフォー(米粉の麺料理)です。フォーは北部ハノイが発祥で、地域によって味が異なります。北部のフォーは濃厚なスープにシンプルな具材が特徴で、南部ホーチミンのフォーは甘めのスープにもやしやハーブをたっぷり添えて食べます。

宗教的な食事制限は少なく、豚肉・牛肉・鶏肉・魚介類いずれも食べる人が多いです。ただし仏教徒の中には旧暦の1日と15日に肉を食べない人もいます。

結婚と家族

ベトナムの婚姻家族法では、結婚可能年齢は男性20歳以上・女性18歳以上と定められています。日本(男女とも18歳以上)より男性の結婚年齢が高く設定されています。

家族のつながりを大切にする文化があり、仕送りをする人も多いです。旧正月(テト)には帰国を希望する人が多いため、1〜2月のシフト調整は事前に相談しておくとよいです。

インドネシア

インドネシアは約23万人で国籍別5位ですが、増加率は+34.6%と全国籍で2番目に高い伸びを示しています。2023年10月末時点の約12万人から約1.9倍に急増しました。特定技能での来日が増えており、製造業・介護・農業・漁業など幅広い分野で採用が進んでいます。

インドネシア政府は「5年間で日本へ25万人を派遣する」という目標を掲げ、高校での日本語教育導入や特定技能試験の実施拡大を進めています。日本語学習者数が世界第2位という人材の裾野の広さも強みです。

経済と賃金

インドネシアの1人当たりGDPは約4,900米ドル(2023年)で、ベトナムとほぼ同水準です。ジャカルタなど都市部の最低賃金は月額約4〜5万円程度ですが、地方では2〜3万円台のところもあります。日本で働くことで収入を3〜4倍に増やせるため、来日希望者は増加傾向にあります。

kedomoが特定技能の採用支援を行う中で印象的だったのは、インドネシアでうなぎの養殖がさかんだという話です。日本向けにかば焼き用のうなぎを生産している養殖場があり、水産分野での技術交流も進んでいます。

宗教と食事

インドネシアは世界最大のイスラム教徒人口を抱える国で、国民の約87%がムスリムです。イスラム教徒は豚肉とアルコールを口にしません。また、豚肉以外の肉もハラール(イスラム法で許された方法で処理されたもの)でなければ食べない人もいます。

採用時には食事の提供方法や社員食堂のメニューについて事前に確認しておくとよいです。最近は日本国内でもハラール対応の弁当を提供する業者が増えており、対応しやすくなっています。

断食月(ラマダン)の期間中は日中の飲食を控えるため、体力仕事を担当している場合は配慮が必要です。ラマダンは毎年時期が異なる(太陰暦に基づく)ため、事前に本人に確認してください。

言語

インドネシア語はローマ字表記で発音も比較的シンプルなため、日本人にとって学びやすい言語の一つです。一方、インドネシア人が日本語を学ぶ際には、漢字の習得や敬語の使い分けに苦労するケースが多いです。

インドネシア人の日本語学習については「インドネシア人が日本語学習で難しいと感じるポイント」で詳しく解説しています。

ネパール

ネパールは約24万人で国籍別4位となりました。増加率も+25.7%と高く、留学生からの就職や特定技能での来日が増えています。

経済と賃金

ネパールの1人当たりGNIは約1,456米ドル(2024年)で、日本円に換算すると約21万円程度です。日本との年収差は7〜8倍にもなり、来日のモチベーションは非常に高いです。

ネパールの最低賃金は月額17,300ネパールルピー(約18,400円)で、日本のアルバイト時給1日分にも満たない水準です。こうした賃金格差から、ネパールでは人口約3,000万人のうち約600万人が海外で就労していると言われています。

食文化

ネパールの国民食は「ダルバート」です。ダルは豆のスープ、バートはご飯を意味し、これに野菜のおかず(タルカリ)や漬物(アチャール)を組み合わせた定食スタイルの料理です。日本でいう「ご飯と味噌汁と副菜」のようなもので、ネパール人は1日2回ほどダルバートを食べます。

ネパールはヒンドゥー教徒が多く、牛は神聖な動物とされているため牛肉を食べない人がほとんどです。豚肉も避ける人が多いため、食事を提供する際は鶏肉や羊肉、魚、野菜を中心にすると対応しやすいです。

カースト制度

ネパールでは1962年にカースト制度が法的に廃止されましたが、社会的な意識としては今も影響が残っています。苗字でカーストがある程度わかるため、同じ職場に複数のネパール人がいる場合、人間関係に配慮が必要なケースもあります。

ただし、日本に来るネパール人は海外志向が強く、カーストをあまり気にしない人も多いです。職場では「日本では全員が対等である」という姿勢を示すことで、トラブルを防ぎやすくなります。

言語

ネパール語は日本語と同じ「主語+目的語+動詞」の語順(SOV型)を持つため、日本人にとって学びやすい言語です。逆に、ネパール人にとっても日本語の語順は馴染みやすく、単語さえ覚えれば文章を組み立てやすいと言われています。

また、ネパール語には日本語と同様に尊敬語が存在し、年上や目上の人への敬意を言葉で表す文化があります。こうした共通点から、日本の職場文化に適応しやすい傾向があります。

ミャンマー

ミャンマーは約16万人で、増加率は+42.5%と2年連続で全国籍トップです。2023年10月末時点の約7万人から約2.3倍に急増しました。2021年の軍事クーデター以降、政情不安から海外就労を希望する人が増えており、日本への来日も急増しています。

経済と賃金

ミャンマーの1人当たりGDPは約1,200米ドル(2023年)で、今回取り上げる5カ国の中で最も低い水準です。日本との賃金差は大きく、日本で働くことへの期待は高いです。

ミャンマー通貨(チャット)は近年大幅に下落しており、円建ての送金価値が相対的に上がっています。家族への仕送りを重視する人が多いです。

送り出しの制約

ミャンマーからの人材供給には制約があります。ミャンマー軍事政権は2025年2月に海外就労許可証(OWIC)の新規発給を一時停止し、再開後も日本向けの送り出しを制限しています。また、2024年2月の徴兵制施行により、18歳から35歳の男性は出国が難しくなっています。

企業がミャンマー人材を確保するには、現地からの呼び寄せだけでなく、すでに日本国内に在留する人材の活用も視野に入れる必要があります。

宗教と文化

ミャンマーは国民の約90%が仏教徒です。上座部仏教が主流で、僧侶への托鉢や寺院への寄進が日常的に行われています。ミャンマーの正月は「ティンジャン」と呼ばれる水かけ祭りで、4月中旬に行われます。この時期は帰国を希望する人もいるため、事前にシフト調整を相談しておくとよいです。

食事面では、仏教徒の中には肉食を避ける人もいますが、多くの人は鶏肉・豚肉・魚を食べます。牛肉を避ける人もいるため、食事提供時は本人に確認してください。

言語

ミャンマー語(ビルマ語)は日本語とは語順が異なり、独自の文字(ビルマ文字)を使います。kedomoで支援してきた印象では、漢字圏以外の国ではトップレベルに日本語の習得が早いです。現地の日本語教師も、単語など覚える能力に長けているといいます。

ビルマ語には日本語と同様に丁寧語・尊敬語があり、目上の人への敬意を言葉で表す文化があります。この点は日本の職場文化と相性がよいです。

スリランカ

スリランカは約5万人で、増加率は+28.9%と全国籍で3番目に高い伸びを示しています。2019年比では大幅に増加しており、急速に存在感を増しています。

経済と賃金

スリランカは2022年に経済危機を経験し、通貨下落やインフレが深刻化しました。現在は回復途上にありますが、国内の雇用環境は厳しく、海外就労を希望する人が増えています。

スリランカ政府も日本を含む海外での就労を積極的に後押ししており、特定技能での来日者が増加しています。特定技能で来日する場合は、スリランカ海外雇用局(SLBFE)への登録が必要です。

宗教と文化

スリランカは国民の約70%が仏教徒で、ミャンマーと同じ上座部仏教が主流です。ヒンドゥー教徒、イスラム教徒、キリスト教徒も一定数おり、宗教的に多様な国です。

仏教徒の中には肉食を避ける人もいますが、多くは鶏肉・魚を食べます。スリランカ料理は米が主食で、スパイスの効いたカレーが基本です。ココナッツミルクを多用する点が特徴で、日本人の口にも合いやすいです。

日本との共通点

スリランカと日本には文化的な共通点が多いです。

  • 仏教が社会に根付いている
  • 米が主食
  • 家族を大切にする価値観
  • 年上を敬う文化

こうした共通点から、日本の職場や生活に適応しやすい傾向があります。介護や外食など、人と接する仕事での採用が増えています。

留学生の比率

スリランカ人労働者の特徴として、留学生の比率が高い点が挙げられます。日本語学校や専門学校で学んだ後、アルバイトから正社員になるケースや、特定技能に移行するケースが多いです。日本語能力が比較的高い人材が多いため、コミュニケーション面での不安が少ないことがメリットです。

まとめ

  1. 2025年10月末時点で日本の外国人労働者は約257万人となり13年連続で過去最多を更新した
  2. 国籍別ではベトナムが最多(約61万人)だが構成比は低下傾向。増加率ではミャンマーがトップ(+42.5%)
  3. 在留資格別では「専門的・技術的分野」が最多で、特定技能・技人国の増加が顕著
  4. 各国の食事・宗教の違いを事前に把握しておくと、受け入れ後のトラブルを防ぎやすい
  5. ネパール語は日本語と語順が同じなど、言語面での共通点がある国もある

外国人材の採用・定着支援については、登録支援機関のkedomoにご相談ください。特定技能外国人の給与水準については「特定技能外国人の給料」、住居の準備については「外国人社員の住居確保」で解説しています。

Q&A

Q 外国人労働者が最も多い国籍はどこですか? A 2025年10月末時点ではベトナムが約61万人で最多です。 全体の23.6%を占め、7年連続で1位となっています。

Q 増加率が最も高い国籍はどこですか?
A ミャンマーが+42.5%で2年連続トップです。 政情不安を背景に、2023年から約2.3倍に急増しています。

Q インドネシア人の食事で気をつけることは?
A 国民の約87%がイスラム教徒のため、豚肉とアルコールを避ける人がほとんどです。 豚肉以外の肉もハラール対応を希望する人がいるため、事前に本人に確認してください。

Q ネパール人が牛肉を食べないのはなぜですか?
A ネパールはヒンドゥー教徒が多く、牛は神聖な動物とされているためです。 食事を提供する際は鶏肉・羊肉・魚・野菜を中心にすると対応しやすいです。

Q ネパール語と日本語に共通点はありますか?
A 語順が同じ「主語+目的語+動詞」(SOV型)である点が共通しています。 また、ネパール語にも尊敬語があり、敬語文化がある点も似ています。

Q スリランカ人の採用が増えている理由は?
A 経済危機後の国内雇用環境の悪化と、スリランカ政府による海外就労の後押しが背景にあります。 日本語学校で学んだ留学生が特定技能に移行するケースも増えています。

この記事の監修者

  • 役職:(株)kedomo 代表取締役
    資格等:中小企業診断士、職業紹介責任者、登録支援機関支援責任者、福岡商工会議所登録専門家、福岡商工会連合会登録エキスパート
    経験:外国人求職者の就職支援、企業様の採用支援に日々奔走しています。中小企業診断士としての経営支援経験を活かして、事業の成長につながる外国人採用をお手伝いします。滋賀県出身。

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